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将来の年金が減る?!GPIFと年金問題【プロが教える不動産投資コラム】

COVID-19で株価が低迷

世界経済はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)で大きな影響を受け、日本でも株式市場は一時大幅に値下がりし、その後も乱高下が続いています。NYの株価であるダウ平均株価も、感染拡大によって大きく下落したり感染拡大が鈍化の兆しがあれば急騰したりと大きく動いています。もともと株式投資は大きく市場の変動がある投資ですが、最近のCOVID-19の影響により世界的に株の乱高下など波乱含みの展開が続きそうです。

株式投資をしていなければ安心か

こうした株価の変動は株式投資をしていない方にはあまり関係ないと思われがちです。株価は景気に大きな影響を与え、経済の大きな指標になります。しかし株式投資をしていない人には実質的には損害がないのでしょうか。実は私たちはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という組織を通じて間接的に株式投資をしているのです。これはどういう事かと言うと、私たちが支払った年金の一部はGPIFによって投資・運用されているのです。

GPIFの運用先は「株式」が多い

ではGPIFではどのように運用されているのでしょう。2019年末の運用状況を見ると、国内株式が24.97%と外国株式が25.59と合わせて株式が50%を超えています。株式による運用比率が多くなっている事が分かります。しかし株式は元本保証がなく、大きく値を下げることがあるので、注意が必要です。

 

運用資産額・構成割合 第3四半期末(2019年12月末)年金積立金全体

  資産額
(億円)
構成割合
国内債権 422,179 24.87%
国内株式 423,781 24.97%
外国債券 為替ヘッジなし 307,144 19.10%
外国債券 為替ヘッジあり 18,774 1.11%
外国株式 468,110 25.59%
短期資産 57,334 3.38%
合計 1,697,320 100

年金積立金管理運用独立行政法人
「2019年度第3四半期運用状況(速報)

COVID-19による株安で大きな損失が

今回のCIVID-19の影響で世界的な株安になった事もあり、2020年1~3月の運用実績は大きく損失が膨らみ四半期として過去最大となる見通しである事が新聞などで報道されています。17兆円前後の赤字となると見られ、2019年度全体でも8兆円前後の赤字となる見通しです。現在65歳以上の人口は約3,588万人ですので単純に計算してみると、8兆円を3,588万人で割ると約22万円となり、一人当り22万円の損失を出している事になります。こうした安定性の低い株式にどうして私達の大切な年金資金が運用されているのでしょうか。

 

これは

①今までは株価が順調の上昇してきた

②損失が出ても、すぐには年金の支払い等に影響が出ない事

③損失よりも、多額の資金が株式市場に流入する事により株価が上昇するメリットの方が大きい

と政府の方針であると考えられます。しかし短期で年金への影響が軽微であったとしても、このような状況が長期化すれば年金の受給額にも運用利回りの低下と共に影響を受けるのは必至です。

海外依存度の高まるGPIFの投資先

GPIFでは海外への投資比率も高まってきています。外国債権の割合を高め25%とするとの方針です。外国株式とあわせ約50%が海外への投資となります。こうした事から海外の経済情勢や為替の影響を受ける可能性が高くなります。世界経済の発展によって大きな恩恵をもたらすと同時に、グローバルな経済危機も瞬時に世界中に影響を与えます。海外への投資が多くなる事により、国内の経済状況のリスクを回避できますが同時に世界経済の不安要因の影響も受けやくなります。つまり日本国民が受け取る年金は世界経済の動向も受けるという事です。

さらに原油安も加わり株価に影響

現在、原油は価格の下落が続いており、リーマンショック後の安値(32ドル台)を下回り、さらに一時的に20ドルまで下落しました。原油安により、原油関連の会社の経営が不安定となる懸念や、石油の代替えエネルギーとして進められている「シェールオイル」関連会社の先行きが懸念され、実際に破綻した会社も出ています。こうした事から米株価も下落傾向に拍車をかけています。さらに産油国が所有している資金(オイルマネー)は世界の株式市場にも投資されており、これらの資金を引き上げるのではないかという思惑もあります。オイルマネーは世界市場に多く供給されており、株式市場に与える影響も非常に大きくなっています。つまり、「原油の下落」→「株価の下落」→「GPIFの資産の減少」と影響が出る可能性があります。原油価格の下落も実は私達の年金に大きな影響があるのです。

こうした不安定な時代だからこそ不動産投資を

不動産投資(マンション投資)の賃料(家賃)はこうした株価など外的要因を受けづらく、内需を柱とした投資(投資する人も賃貸で入居する人も中心は日本人)ですので安定度が極めて高いと言えます。CIVID-19の影響で外出自粛の今、じっくりと将来のための不動産投資についてお考えになってはいかがでしょうか。

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