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コロナ禍でも着実に進む東京再開発 八重洲編【プロが教える不動産投資コラム】

全国における緊急事態宣言が5月25日に解除されましたが、まだまだ元の日常生活に戻るためには時間がかかりそうです。元の生活と言うより、これからの時代は新しいライフスタイルが様々な分野で推奨され、大きな変革の時代を迎える事になります。このような大きな時代の変化の中でも首都圏において多くの再開発事業が着実に進行しています。

 

今回は東京の中でもとても注目度の高い東京駅前の「八重洲エリア」の再開発について見てみましょう。

開発の進む「東京」駅周辺

筆者は講演や打ち合わせなどで仕事柄よく東京駅周辺を訪れますが、その変貌に驚かされます。東京駅の丸の内側は近代的なオフィスビルが立ち並び、特に夕暮れ時には東京駅前は日本とは思えない先進的な風景となります。

 

一方八重洲側は中小のビルも多く、あまり大型の再開発も進んでいませんでしたが最近は東京駅のすぐ目の前で大型の再開発工事が始まっています。

日本の中心「東京」駅の歴史は

東京駅は歴史も古く1914年(大正3年)に開業しました。現在ではJR東日本各線や新幹線、地下鉄など非常に多くの路線が運行する、日本を代表する巨大なターミナル駅となっています。

 

周辺は日本のビジネスや金融の中心とも言えるエリアです。長い時間をかけて熟成されたビジネス街であり、非常に多くの大企業が集まっています。当然就業人口も多く、沿線の住宅需要が多い事が特徴です。

ビジネスの中心として発展する東京駅周辺

東京駅の西側、皇居のある側は丸の内や大手町などのエリアとなり、古くからビジネス街として発展してきました。

 

岩崎弥之助氏の三菱社が政府から譲り受け、以降三菱グループによる開発が行われてきました。東京駅前にそびえる丸の内ビルディング(丸ビル)は1923年(大正12年)に建設され、さらに2002年(平成14年)には現在の姿に建替えられました。その隣の新丸の内ビルディングは1952年に建設された「新丸ノ内ビルヂング」から2007年に建替えられました。

 

また駅前にあった東京中央郵便局は2012年にJPタワーに建替えられました。他にも多くのビルが建設され、東京駅丸の内側は高層ビルが立ち並ぶ光景となっています。

八重洲側でも大型再開発が始まっている

八重洲側は丸の内側と比較してあまり高層ビルはなく、線路沿いなどを除いてそれほど再開発も進んでいませんでした。筆者は八重洲というイメージは「八重洲ブックセンター」や株価の大型ビジョンが思い浮かびます。

 

東京駅前という利便性と希少性は非常に高いものがあり、駅前の大型再開発の計画が始まっています。東京駅八重洲口を出ると、八重洲通りの右側には大規模な工事が進められています。これは三井不動産などの主導で進められている「八重洲二丁目北地区」再開発工事です。3ブロックのエリアや小学校などもあった場所に建設されています。45階建ての高層ビルが建設され、オフィス、商業施設の他「ブルガリホテル東京」や小学校、バスターミナルなども建設されます。竣工は2022年8月末を予定しているそうです。

 

こうした高層ビルの中に「ブルガリ」という海外の高級ブランドと小学校が同居するというのもとても珍しく興味深いです。まさに都心ならではの組み合わせと言えます。

 

もしかすると同じビルに親子で通勤・通学という場面もあるかもしれませんね。2003年に品川駅の港南口に外資系高級ホテルである「ストリングスホテル東京インターコンチネンタル」が建設され、周辺のブランドイメージを引き上げたのと同様に、高層ビルや高級ホテルの出現で八重洲エリアのブランドイメージも上昇する事が予想されます。

 

東京駅八重洲口前で行われている「八重洲二丁目北地区再開発」工事の様子(2020年5月25日撮影)

今後は八重洲駅前にさらに高層ビルが立ち並ぶ

「八重洲二丁目北地区再開発」の隣には「八重洲二丁目中地区」再開発が計画されており、2020年に着工し、46階建てのビルが2023年に竣工予定です。

 

さらに八重洲通りを挟んで「八重洲一丁目東地区」再開発ではA地区には地上11階のビルとB地区には50階建てのビルが計画され、B地区は2021年度着工、2025年度に竣工予定です。こちらは東京建物などが中心となって進められています。

東京国際金融センター構想の中心に

東京都は「国際金融センター構想」を進めており、永代通りの大手町から茅場町(兜町)当たりを「Tokyo Financial Street」とし、さらに八重洲や日本橋などのエリアがその中心となると考えらえています。

 

東京駅の日本橋口では「東京駅前常盤橋プロジェクト」として地上61階、390メートルの日本一の高さのビル(B棟)を建設する計画があります。地上40階のA棟はすでに着工しており、2027年度にはB棟と含む街区全体が完成予定です。

 

こちらは三菱地所などが中心となって進められています。国家戦略特区により、八重洲エリアと常盤橋エリアが連携し、「東京国際金融センター構想」の中心となる可能性もあります。周辺には大手町・丸の内・日本橋などの金融・ビジネスエリアもあり、世界的な金融エリアを形成すると考えられます。

 

さらに「羽田空港アクセス線」が2020年度に着工され、「東京」駅から羽田空港まで18分で結ばれる予定です。2029年度頃に開業すると見られており、この新線の開業により東京駅周辺の国際的なビジネスの拠点としてのブランド価値もますます上昇すると考えられます。

東京駅周辺の発展によって影響を受けるエリアは広範囲に

このように東京駅八重洲、日本橋口付近は2020年代には建設ラッシュとなり、駅前の光景も大きく変貌する事が予想されます。ちなみに常盤橋プロジェクトのA棟(地上40階)だけで8,000人の就業人口が予想されているそうです。

 

2030年にかけて建設中の多くのビルが完成すれば、東京駅周辺の就業人口は数万人規模で増加する可能性もあります。東京駅に通勤などでアクセスしやすいエリアの住宅需要も増加し、さらに法人賃貸需要も見込まれます。

 

特にワンルームマンションなどの単身者向けの住宅に住む方は住宅選びのポイントとして都心までの交通アクセスを優先する傾向がありますので、今後のワンルームマンション投資も交通アクセスが重要なポイントとなってきます。

 

テレワークが増えても、こうしたオフィスへの利便性の高いエリアの住宅需要は高いので、ワンルームマンション投資の立地選定の一考にして頂ければ幸いです。

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