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新型コロナが地価に与える影響は?【プロが教える不動産投資コラム】

マンション価格を構成する大きな要素として「建築費」と「土地価格」が大きな割合を占めます。

 

交通アクセス・駅に近いなどの好立地に建設されるワンルームマンションの土地の価値は極めて高いと言えます。地価は地域によって大きな隔たりがありますが建築費は全国どこでもほぼ一定となっています。

 

今年(1月1日時点)での2020年の公示地価は東京都心を中心に特に商業地において高い上昇率を示しました。都心部だけでなく東京都の城東・城北エリアといった下町のエリアにおいてもにも交通インフラの整備・インバウンドなどの相乗効果により上昇傾向となりました。

 

それでは最新の情報により新型コロナが地価に与える影響について考えてみましょう。

最新地価LOOKレポートから読み取れるポイントとは

国土交通省から2020年6月に「主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~」令和2年第1四半期(令和2年1月1日~令和2年4月1日)が発表されました。新型コロナは今年の2月頃から大きな話題となってきましたので、今回の地価LOOKレポートには多少の影響は出ています。

 

このような状況の中でも東京圏(埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)の地価は43地点のうち

(1)上昇地点が前回の37から26に減少

(2)横ばい地点が前回の2から16へ増加

(3)下落地点が前回の0から1へと増加

となりました。

 

上昇地点が減少し、横ばい地点が増加しています。最多となる変率区分は上昇(3%以上 6%未満)のままとなりました。全体的には横ばいの地点が多い事が特徴で下落地点はごくわずかであったと言う事です。

 

東京圏の地価変動率の推移

    19年10/1 20年1/1
上昇 6%〜 0 0
  3%〜6% 4 0
  0%〜3% 37 26
横ばい 横ばい 2 16
下落 0%〜3% 0 1
  3%〜6% 0 0
  6%〜9% 0 0
  9%〜12% 0 0

 

東京都への影響は

次に東京都への影響の変動率を見て見ましょう。

 

東京都では

(1)上昇(3%以上 6%未満)が3から0へ減少

(2)上昇(0%超 3%未満)は23から18へ減少

(3)横ばい地点は1から8へ増加

となりましたが、下落地点は発生していません。

 

前回の調査で上昇率が「3%以上、6%未満」であったのは新宿の繁華街(商業地)、渋谷区渋谷(商業地)、中野区中野駅周辺(商業地)などの3地点したが、いずれも上昇率が「0%超 3%未満」へと鈍化していますが上昇は続いています。

 

国土交通省では「地価変動が大きかった地区では特にホテル、店舗需要の比重が高く感染症の影響大きい」と状況を分析しています。但しこれらは新型コロナの収束で大きく状況が変わる事は明白です。

 

3%以上の高い変動率の地点はなくなりましたが、依然として上昇(0%超 3%未満)が最も多く、次に横ばい地点が多くなっています。つまり新型コロナによって上昇率は鈍化したものの、大きな地価の下落は発生していない状況となっています。

 

東京都の地価変動率の推移

    19年10/1 20年1/1
上昇 6%〜 0 0
  3%〜6% 3 0
  0%〜3% 23 18
横ばい 横ばい 1 8
下落 0%〜3% 0 0
  3%〜6% 0 0
  6%〜9% 0 0
  9%〜12% 0 0

リーマンショック時と新型コロナの地価に与える影響の違いとは

では次にリーマンショック時の地価LOOKレポートから当時の状況と比較してみましょう。

 

2007年頃にはリーマンショック発生の原因ともなるサブプライム問題が米国で発生していましたが、日本では地価が上昇しており東京圏の地価も大きく上昇していました。しかし2008年には地価上昇にも陰りが出始め、2008年9月に発生したリーマンショック発生後は地価の下落も大きくなりました。

 

このように地価へ大きな影響を与えたリーマンショックと比べると、今回の新型コロナが地価に与えた影響はとても軽微であると言えます。

 

リーマンショック時に地価が大きく下落した大きい要因の一つとして、当時は世界的な金融危機の下、金融機関の不動産会社に対する融資規制の厳格化がかなり影響を与えました。その結果、土地の流通が滞り、住宅価格にも影響がありました。

 

しかし今回の新型コロナの局面においては不動産会社に対する金融機関の融資姿勢には変化がありません。さらに歴史的な金融緩和の下、潤沢な資金を有する機関投資家、さらに海外の優良ファンドなども東京の優良な土地を「物色中」との報道もあります。

 

このように今回の局面においては地価に与える影響は極めて軽微と考えられます。

 

リーマンショックによる東京圏の地価への影響は?

    07年10/1 08年7/1 08年10/1
上昇 6%〜 2 0 0
  3%〜6% 24 0 0
  0%〜3% 14 0 0
横ばい 横ばい 3 4 0
下落 0%〜3% 0 47 8
  3%〜6% 0 12 45
  6%〜9% 0 2 10
  9%〜12% 0 0 2

<国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告~地価LOOKレポート~」平成20年第4四半期>

今後の地価動向はどう動くのか

それでは今後の地価動向について考えてみたいと思います。

 

7月に入り東京を中心に全国で感染者が増加傾向となっており、予断を許さない状況となっています。このような状況の中でも来年の2021年東京五輪開催に向けて東京都内では多くのエリアで再開発が進行しています。これは地価を押し上げる要因となります。

 

新型コロナにより在宅勤務・テレワークの浸透により都心のオフィス・マンションの需要の変化により土地の需給関係も変わる可能性を秘めています。

 

これからの土地の需要については都心エリアを中心に準郊外のターミナル性の高い土地なども注目が高まってくると思われます。しかし東京圏は人口約1400万人という世界でも稀に見る巨大都市圏で東京23区の居住人口・就業人口も多く、新型コロナの影響はあるにしても依然「巨大都市圏」である事には変わりありません。

 

今後は東京都心・都区部を中心に広範囲において土地の「優勝劣敗化」現象が起きてくると考えられます。つまりいつの時代でも交通アクセスのよい駅に近い希少性がある土地はその資産性も「不変」であるという事です。

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