お金・投資のキホン

NISAだけで大丈夫?長期投資に欠かせない分散投資について知っておこう

長期投資の成功のカギは「分散」です。最近、NISAをきっかけに投資を始めた人は、自分は投資信託を積立で購入しているから大丈夫、と考える方も多いでしょう。

しかし、たとえ投資信託であってもその投資信託の投資対象が株式に偏ってしまうと、分散投資効果が薄れてしまいます。
知らず知らずのうちに投資対象が株式に偏ってしまっている人も多いのでは。NISAでの投資に慣れてきたら、次は資産の分散を考えてはみてはいかがでしょうか。

NISAの投資先は多くの人が株式に集中しがち

投資信託協会のアンケート(複数回答可)の結果を見ても、つみたてNISAを行っている多くの人が、株式に投資をしていることが分かります。つみたてNISAなので株式ではなく投資信託なのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、投資信託の中身、つまり投資先が株式ということです。

  • 株式は国内株式・海外株式の合計 、債券は国内債券・海外債券の合計

  • 複数回答可・投信を保有する人のみが回答

  • 2022年のアンケート、出所:投資信託協会「投資信託に関するアンケート調査報告書-2022年(令和4年)NISA,iDeCo等制度編」

投資対象が株式に偏ると大きな損失が出てしまうことも

株式は投資資産としてはハイリスク・ハイリターンな商品です。過去には経済環境の悪化などにより、何度も大幅な価格下落を経験しています。たとえば、リーマン・ショックの局面では、2007年から2009年にかけて米国株で50%以上、日本株では約60%の下落幅を記録しました。

ここ数年はコロナショックによる一時的な下落はあったものの、基本的には株価上昇基調であり、収益を得られる環境となっているため、リスクを感じていない方も少なくありません。

しかし、老後資産の形成などの長期投資としては、過去に何度も起こっている市場の急落リスクに注意する必要があります。

急落後、すぐに回復すればよいですが、5年、10年と回復が遅くなってしまった場合は、精神的なダメージも蓄積され、投資の継続が難しくなったり、我慢できずに売却して損失を確定してしまえば、ライフプランにも支障が出てしまいます。

投資対象を分散することが長期投資成功のカギ

上記のような事が起こらないように、そして、安心して長期投資を続けるためには、投資対象を分散させ、損失をできるだけ抑えることが重要です。
以下に投資対象を分散するための方法を2つご紹介します。

異なる値動きの資産を組み合わせることで、損失を抑える

1つ目は、株式とは異なる値動きの特徴を持つ資産を組み合わせる方法です。互いの値動きが相殺し合って損失リスクが抑制される点がポイントです。

例えば、株式と対照的な値動きをする傾向にある商品として債券がありますが、債券と株式は次のように異なる特徴を持つ資産です。

株式債券
景気拡大時株式上昇金利上昇(価格下落)
景気悪化時株式下落金利低下(価格上昇)

そのため、投資対象に債券を加えれば、景気悪化時の株価下落によるダメージを抑制する効果が期待できます。

価格変動幅(リスク)の狭い資産を組み合わせてリスクを抑える

株式はさまざまな資産の中でハイリスク・ハイリターンな投資であるため、よりリスクの低い資産を組み合わせることが重要です。

投資の世界においてリスクとは「価格変動の大きさ」を意味します。株式が「ハイリスク」というのは、この価格変動リスクが大きいためでですが、株式よりもリスクの低い資産を組み合わせてリスクを分散することが有効です。

株式のようなハイリスクな投資対象に加えて、リスクの低い投資対象である債券などを組み合わせることで、リスクを抑えた投資が可能となります。

投資対象を分散したいなら、不動産という選択も

不動産は、リスクの分散という意味では非常に有効な投資対象です。投資対象のリスクとしてはミドルリスクミドルリターンに位置付けられています。その理由は以下の通りです。

値動きが緩やかで長期投資に適している

不動産も株式と同様に価格が変動するものの、変動の大きさは株と比較して緩やかです。変動幅が小さく、例えば2008年に発生したリーマンショックという世界的な株価下落時や、最近の新型コロナショック時などの下落幅は不動産の方が小さなものとなっています。

そのため、株だけに投資するよりも損失リスクを抑える効果が期待できます。また、不動産投資における収益源の一つである家賃も景気の影響を受けにくいのが特徴です。以下の図のように東京のマンション賃料は、近年ゆるやかに上昇しています。

  • 不動産価格指数は、国土交通省 不動産価格指数 2022年9月28日データより。東京都のマンション価格(季節調整)データを利用。2010年の平均を100とした

  • 日経平均株価(©日本経済新聞社)は、日経平均ヒストリカルデータより月の終値を利用

  • 出所:マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)を元にインヴァランスが作成

長期投資を成功するために不動産投資を選択肢に加えてみては

長期投資を成功させるためにはリスクをうまくコントロールすることが重要です。
株式などでリスクをとって大きなリターンを狙うこともよいですが、その際には債券や不動産のようなリスクの低い資産を投資対象に加えることで損失リスクを減らすことも考えるべきでしょう。

なかでも不動産投資は、家賃収入でローンを返済しながら最終的に物件が手に入る、生命保険の代わりになる、といった特徴があり、他の投資商品にはない優れた機能がありますので、一度検討してみてもよいでしょう。

企画・編集:72編集部
執筆:伊藤 圭佑

証券会社、外資系資産運用会社で約14年の勤務経験を持つ金融ライター。
個人投資家として15年以上の資産運用経験を持ち、投資信託、株、ETF、不動産、FX、クラウドファンディングなどへ投資。キャリアを通じた専門性と個人投資家の経験を生かし、金融や不動産投資・経済関連の記事を多数執筆。証券アナリスト、FP3級保有。