Owner Interview 人生100年時代の不動産投資リテラシー──数字で不安を見える化したITコンサルの資産形成とライフデザイン

本記事は、ITコンサルタントとして合理性を重視するオーナーが、将来不安を「数字で見える化」することで不動産投資を人生設計に組み込んだ実体験を紹介する。貯金・iDeCo・NISAを経て、不動産を分散投資の一手として選択。自社開発から管理まで一気通貫の体制とサブリースにより、2戸所有でも手間や精神的負荷を最小化した点が特徴。
相場に振り回されず、仕組みを理解した上で任せることで、マネーリテラシーと将来の選択肢を同時に高めていくプロセスを描いています。
仕事も趣味も全力。だからこそお金の設計は冷静に。
僕はIT系のコンサルタントとして、官公庁関連のITプロジェクトに関わっています。発注側の支援に入ったり、受注側に入ってプロジェクトがうまく回るようにサポートしたり、立場はその時々ですが「前に進む状態をつくる」のが役割です。
コンサルとしては3年目で、その前は中小IT企業でプログラマー、エンジニア、プロジェクトマネージャーまで一通りやってきました。プライベートは趣味が多くて、バイク、キャンプ、ゴルフ。特にバイクはカスタムして自分色にするのが楽しい。
お金は使うけれど、投資に回す分と趣味に使う分は最初から切り分けて管理しています。将来のことは割と早い段階から考えるタイプです。
「貯金だけだと損をする」、それが資産形成の入口だった。
資産形成に興味を持ったのは20代中盤くらいです。きっかけは単純で、「貯金だけしていると、実質的に資産価値は下がっていく」と聞いた時に、けっこう衝撃を受けたんですよね。働いて稼いだお金を、ただ置いておくだけで目減りしていくのはもったいないな、と。そこから投資のことを調べ始めました。
最初は確定拠出年金でした。税金面のメリットもあるし、会社の制度としてあったので「これはやっておこう」と20代後半から使っていました。
次に自分で動いたのが30代前半で、NISAを始めました。S&P500と日経平均を積み立てて、転職の時に一部引き出したんですが、それでもある程度利益が出たと思います。
不動産投資は、正直最初はちょっと怪しいイメージがありました。「物件を買ったはいいけど、入居者が入らなくてローンだけ払い続けるんじゃないか」とか、「ちゃんとサポートしてくれるのか」とか。実際、以前に軽く話を聞いたこともあったんですが、その時は給与面もあって現実的じゃなかった。
でも転職で給与が上がって余剰資金ができたタイミングで、「貯金のまま置いておくより、ちゃんと計算して納得できる形で運用したい」と思うようになって、そこで不動産が一気に現実の選択肢になりました。
決め手は納得できる数字と、分散という判断軸。
僕が最初に買ったのは一昨年で、コロナ後くらいですね。1件目は新宿区の物件で、これは別の会社で購入しました。価値が上がりやすいエリア、という考え方が自分の中にあったので「新宿に一本で出られるところならアリかな」と。
ただ、怖さがゼロだったわけじゃなくて、2〜3割くらいはリスクへの不安がありました。ただ不安って、突き詰めると「見えていないこと」から生まれるんです。だから僕は、収入と支出、将来の見通しを一回きちんと計算しました。真面目に数字を置いてみて、「これならリターンが見込める」と思えた瞬間に、迷いがかなり減ったんです。
2件目は、昨年3月にインヴァランスで横浜の物件を買いました。決め手のひとつは、同じ会社に集中させないという分散の考え方です。また営業担当の方から「リスク分散のためにエリアを分けたほうがいい」と言われて、そこもすごく腑に落ちました。
最初は少し考えたんですけど、冷静に計算して「いける」と判断できたので、その場で「じゃあお願いします」と決めました。決断が速いと言われることがあるんですが、速いというより、納得できる材料が揃ったら迷わない、という感覚に近いですね。
想像よりずっと手がかからない投資だった。
不動産投資を始めて、一番驚いたのは「思った以上に、何もしなくていい」ことでした。もっと大変だと思ってたんですよ。入居者のことを気にしたり、トラブル対応があったり、日常的に何かしなきゃいけないのかなって。
でも実際は、ほぼお任せで回っている。いい意味で拍子抜けしました。僕が今持っているのは2部屋で、新宿と横浜。どちらもサブリース(家賃保証)です。普段の生活の中で物件のことを意識することはほとんどなくて、年末調整や確定申告のタイミングで「やらなきゃな」と思い出すくらいです。
確認頻度で言えば年に1〜2回。毎月入ってくる金額と支払う金額が一定なので、細かくチェックしなくても不安になりにくいんですよね。むしろ「こんなに何もしなくていいんだ」「持っていることを忘れそう」くらいの感覚です。
もちろん、投資を始める前は怖さもありました。ただ、実際に運用を始めてみると、金額の増減よりも「将来に対する安心感」が大きい。将来の不安が少し軽くなるんです。「土台がある」と思えると、気持ちに余裕が出る。
これはやってよかったと感じる部分ですね。同世代だと、マンションを2つ持っている人はあまりいないので、話すと驚かれることもあります。「え、買えるんだ」って。逆に「どうやったの?」と聞かれることもあって、そこでも思うのはやっぱり不安の正体を見える化することが大事だということです。見えないから怖い。見えたら、判断できます。
老後に困らない人生を着実に。
今後については、追加購入の可能性は十分あります。今年また給与が上がる予定なので、その分を投資に回そうかなと考えています。選択肢としてはNISAを増やすか、不動産をもう1件増やすか。そこは状況を見て判断ですね。
僕の場合はFIREをめざしているわけではありません。仕事は楽しいので、無理に辞めたいとは思っていないです。とはいえ、老後に困らない資産形成はしておきたい。そのために、早めに準備して、将来の選択肢を増やしていく。僕の投資は、攻めるというより「整える」感覚に近いです。
不安を見える化して扱える状態にする。
これから始める人に伝えたいのは、まずライフプランを整理したほうがいい、ということです。結婚や親の介護など、将来のライフイベントは誰にでも起こり得るので、そこを踏まえて「余剰資金がどれくらいあるのか」をちゃんと確認する。それが第一歩だと思います。
それと、不安は見えていないことから生まれます。だからこそ、将来どれくらいのリターンが見込めるのかを、自分が納得するまで確認することが大事です。勢いで踏み出す部分も必要だけど、その前に冷静に数字を置く。そこができれば、あとは前向きに進めるはずです。時間を味方につけて、未来の土台をつくっていってほしいですね。