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暑い夏、投資詐欺にもご注意を【プロが教える不動産投資コラム】

2024年の夏はまさに危険を感じる暑さで体調維持により細心の注意が必要な季節となっています。一方フランス・パリにおいてはオリンピックが開催されテレビを通じて日本国民の多くの方が選手の活躍に感動されていらっしゃるのではないでしょうか(筆者もそのうちの一人です)。

さて近年は岸田総理の推進もあり、NISAやiDeCoなども拡充され、国民に投資が大きく注目されてきています。

インフレや年金不安などで、将来に対する「自助努力」の必要性がクローズアップされています。2020年には金融庁から老後に2000万円が必要と言われた「老後2000万円問題」も世の中を騒がせましたが、多くの人が老後の生活について考えるきっかけにもなったのではないでしょうか。しかし、投資への関心が高まる反面、「投資詐欺」の被害者も増えているそうです。

今回のコラムではこうした投資詐欺と安全性の高い投資について検証してみたいと思います。

多様化する投資詐欺 ~SNS型投資詐欺~

高齢者を狙った「オレオレ詐欺」なども多く発生していますが、最近多く耳にするのがSNSなどで著名人を語った「投資詐欺」です。著名人の名前や写真などを無断で悪用してSNSに誘導し、投資に関するメッセージをやり取りし、最終的に「投資金」や「手数料」などを振り込ませる手口です。著名人になりすましている場合でも、写真だけではなく、話し声や話し方などもAIなどで偽造できる場合もあります。詐欺に気づくまで時間がかかると、何度もお金を振り込んでしまいますので、多額の被害が出る事もあります。

ここ数日のニュースを見ても投資詐欺で1億円以上被害にあった例が複数見られます。

警視庁の発表によると昨年1月から今年5月までのSNS型投資詐欺の被害発生状況は、3,049件で約430.2億円の被害となっています。被害にあえばせっかく将来のために準備した資金を全て失ってしまう場合もあります。

どんな年代の方が騙されやすいのか

被害者の年齢を見てみると、男性では60代が最も多く30.5%、次いで50代が23.2%、70代が18.5%となっています。女性は50代が29.3%、60代が25.5%、70代が16.5%となっており、男女ともに50~70代の年代が多くなっています。

被害者の多い60代過ぎと言えば多くの社会経験を積み、様々なリスクに対する防御意識はそれなりに高まってきている年代と言えます。それでも騙される方が多いというのは意外な感じがします。将来のための生活資金がある程度貯まったり、退職金などがあり、これから投資を始めてみようと思う方などが多いのではないでしょうか。

若い方が被害に合いやすい「USBメモリ詐欺」

若い方を中心に「USBメモリ詐欺」も報告されています。これは「USBをPCに差して取引するだけで儲かる」と言われてこのUSBを高い金額で購入してしまうものです。

ローン組んで購入させられたり、またこのUSBを他の人に売れば手数料が入るなどマルチ商法のような手口もあります。大学生などは先輩や友人、知人などの勧めだと断れない場合もあるので注意が必要です。身近な方や家族、学校などにも相談する事も大切です。

また「投資スクール」「副業セミナー」などと称して高額な講習料を取ったり多額の投資をさせられたりする事例もあります。

「かならず儲かる」などとして信用させるケースも多くなっています。かならず儲かる投資という物はないので、こうした言葉が出たら注意が必要です。

日本の不動産投資はなぜ信頼性が高く安心なのか

世の中の比較的な安全な投資・資産運用の代表例と言えば、まずは利息が低くても銀行の「預貯金」です。さらに上場企業などを中心とした大手企業の「社債」、また利息は生まないですが世界共通の安全資産と言われる「金」など様々です。

では不動産はどうでしょうか。

以前私がお会いした台湾の不動産会社は日本の不動産に投資する最大の理由として「アセットプロテクション」であるとおっしゃっておりました。「アセットプロテクション」とは「資産の保全」を意味し日本の不動産は宅地建物取引業法、金融機関の厳格な担保査定、建築基準法等、多くの厳しい基準をクリアしたプラットホームの上に成り立つ投資対象として非常に信頼が厚い訳です。

また「盗難にあいづらい」事も特長で、実際、筆者も長年不動産業界にいますが、自分のマンションが盗まれたという話は未だかつて聞いた事がありません。

また不動産投資は古くからの歴史がある事も特長です。江戸時代には「長屋」と呼ばれる賃貸住宅があり、また昭和には木造の賃貸住宅建設も多くなりました。長い歴史の中で安定性や知名度も高いと言えます。

不動産投資詐欺~プロがプロをだます投資詐欺とは
不動産業界では専門家をだます手口もありました。土地売買上での詐欺をするいわゆる「地面師」の存在です。抵当権がない不動産、つまり金融機関が介在しない不動産などで、そこに相続が発生したと偽り住民票などを偽造しその土地の地主になりすまして不動産会社に土地を売却するという手口です。これらは極めて稀有なケースです。

住まいの需要とマンションの資産価値

投資詐欺が横行する時代において、一般のサラリーマンの方等が多く行う不動産投資、とりわけワンルームマンション投資はなぜ安全なのでしょうか。

第一に、第三者に対する対抗要件として購入した不動産は登記されます。登記される事により金融機関から所有者としての立場が確立し、一定の要件をクリアすればローンを組む事もできます。

さらに投資用不動産を販売する不動産会社は全て宅地建物取引業法の許可を受けており、営業の手法や取引などについても厳しい基準が定められている事も挙げられます。

会社選びがどうして大切なのか

NISAなどの信託投資は投資マネージャーが投資銘柄を選んでパッケージングするように、経験豊富な不動産会社から発売される投資用マンションは不動産投資の専門家により交通、生活利便性、建物のクオリティ、賃貸需要、利回りなども考えられて建設されますので、初めてワンルームマンション投資をする方にも安心と言えます。つまりプロの目で厳選された物件ですので将来の資産価値も落ちづらいと言えます。その会社が過去にどのような物件を発売してきたのかも参考となります。

さらにワンルームマンション投資は購入すれば終わりではなく、長期間に渡って建物管理・賃貸管理などを含めて不動産会社と業務を進めるパートナーになりますので、将来の資産運用には会社選びが重要となってくる訳です。

こうした将来的にも信頼できる会社を選ぶ事で、マンション投資も安全性も高くなってくると考えられます。

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