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東京・埼玉の人口増加が示す不動産投資の未来

日本全国で人口減少が続く中、東京都と埼玉県だけが人口増加を見せています。この現象は不動産投資にとって重要な指標となり、特に東京の経済力や再開発計画、新線計画などがその魅力をさらに高めています。

この記事では、最新の人口動向と東京・埼玉の不動産投資の魅力について詳しく解説します。

日本で人口が増加しているのは東京と埼玉のみ

不動産投資にとって人口の動向は極めて重要となります。人口が全国的に減少が続く中、人口が増加しているエリアもあります。

総務省が2025年4月14日に発表した2024年10月1日時点の推計人口によると、日本全国の人口は1億2,380万2千人となりました。前年と比べて55万人の減少となり、14年連続で減少となっています。全国的に人口減少が進んでおり、人口が増加となった都道府県は東京都と埼玉県のわずか2都県のみとなりました。

東京に日本の人口が集中

さらに全国の人口規模を都道府県別に見ると、東京都の人口が最も多く、以下神奈川県、大阪府、愛知県と続きます。特に東京都の人口は1,400万人と多く、日本の全人口の11%を占めています。日本には47の都道府県がありますが、47分の1である東京都に全国の人口の1割以上が集中している事になります。

また神奈川県を合わせると18.8%と実に2割近くが東京・神奈川に集中していますので、まさに世界的な規模の大都市が形成されていると言えます。

◼︎全国及び大都市圏の人口と割合

順位エリア人口割合
全国1億2,380万2千人100%
1東京都1,417万8千人11.4%
2神奈川県922万5千人7.4%
3大阪府875万7千人7.0%
4愛知県746万0千人6.0%
<総務省「人口推計 2024年(令和6年)10 月1日現在」>

転入超過人口の多い東京都

東京都に人口が多い理由の一つとして、東京都には全国から人口が集中してきており、転入人口が転出人口よりも多い「転入超過」となっている事が挙げられます。

2024年の総務省が発表した「住民基本台帳人口移動報告」によると、全国の都道府県で人口が転入超過となっているのはわずか7都府県しかなく、東京都が最も多く7万9285人で、神奈川県、埼玉県などが続きます。また東京都は転入超過人口の増加数も最も多く前年比1万1000人の増加です。新型コロナの影響で一時東京都の転入超過人口は減少していましたが、2022年には3万人台に回復、2024年には6万人台となっています。

このように人口が集中する東京都ですが、世帯割合ではワンルームマンションの需要層となる単身世帯が最も多くなっています。

◼︎都道府県別 転入超過ランキング(上位3都県)

順位都道府県転入超過数
1位東京都7万9,285人
2位神奈川県2万6,963人
3位埼玉県2万1,736人
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

◼︎東京都の転入超過数の推移

2020年2021年2022年2023年2024年
転入超過数3万1,125人5,433人3万8,023人6万8,285人7万9,285人
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

東京の経済力は1国に匹敵

東京都に人口が集中する理由としては、東京は非常に経済力が高い都市である事が挙げられます。東京の経済力を国際的に比較してみると、東京都のGDPは東京という1都市でありながらトルコやスイスなどの一国に匹敵する規模を持っている事が分かります。

東京という限定したエリアに多くの企業が集中し多くの経済力が生み出されている事が分かります。

<資料:東京都「都民経済計算年報 令和4年度」令和7年3月より>
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/keizaik/nenpou/kk22qf0000.pdf

多くの企業の集積する東京都

では東京都にはどれくらいの企業が集まっているのでしょうか。

東京の発表した資料によると東京都の企業数は約42万社あり、なんと全国の12.5%も占めています。また外資系企業にいたっては2,374社(2023年)で、全国の実に75.3%が東京都に集中しています。東京都では外資系企業の誘致や海外からの投資などを推進し、国際都市としてますます発展する事を目指しています。就業者も増加傾向にあり、特に

東京都には女性の働きやすい業種も多くある事から、2024年には東京都の女性就業者は6万人以上増加するなど、多くの人が東京に転入してきていると考えられます。

◼︎東京都の就業者数の推移(2024年)

総数男性女性
就業者数844万7千人457万7千人386万9千人
対前年増加数6万8千人1千人6万7千人
対前年増加率0.8%0.0%1.8%
<東京都「東京の労働力(労働力調査結果)令和6年平均結果」>

東京都の大規模再開発で経済が大きく発展

東京では多くの再開発が実施され、特に2020年の東京五輪にむけて大型の再開発が実施されてきました。東京・渋谷・虎ノ門などを始め都内の主要ターミナル駅などを中心に再開発により街が大きく変貌してきました。2025年以降も多くのプロジェクトが計画されており、下記のような多くの再開発計画が進んでいます。

  • 東京駅周辺では「トフロム ヤエス」「トーチタワー」
  • 品川・高輪ゲートウェイでは「TAKANAWA GATEWAY CITY」
  • 新宿では京王・小田急デパートの建替えを含めた「新宿グランドターミナル計画」
  • 池袋駅西口では3棟の高層ビル建設の計画
  • 六本木の大規模再開発

こうした再開発により大型のオフィスビルが誕生しますので、多くの企業が集積する事になります。一つのビルだけで数千人規模の方が就業しますので、そのエリアの就業人口が大きく増加する事になります。そうすれば周辺やその沿線上の住宅需要が増加し、マンションなどの需要も増加します。

また規制緩和などによって再開発を促進する「都市再生緊急整備地域」が全国で54地域9,752haが指定されていますが、そのうち東京都は7地域約3,000ha(東京都のみ)が指定されており、全国の再開発の約3分の1が東京に集中している事になります。

再開発による公共投資は住宅需要を発生させ、賃貸需要を増加させる効果も期待される訳です。

新線も多くが計画・検討されています

東京都の将来性が高い事は、新線計画が多い事などからも挙げられます。

現在人手不足や地方では人口の減少なども進んでおり、鉄道やバス路線の減便や廃止などが大きな社会問題ともなっています。しかし逆に人口や経済の集積する大都市、特に東京都などでは新たな鉄道路線などが計画され、その利便性もますます高まってきています。

例を挙げると、羽田空港から東京駅や新宿駅などと直通で結ぶ「JR羽田空港アクセス線」「地下鉄南北線・有楽町線・大江戸線の延伸計画」、また検討路線として東京駅と湾岸エリアを結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄」や、さらに「つくばエクスプレス」の東京駅延伸などもあります。

こうした鉄道の新線・延伸計画が多いという事はそれだけ将来性が高い証(あかし)でもあります。投資用マンションを購入する場合はこうした鉄道計画の有無も大変重要となります。鉄道アクセスが不便な立地でも、新線の開業によって交通利便性が上昇し、マンションの資産価値も大きく上昇するケースもあります。

東京不動産投資の魅力は

以上のように東京は人口や経済力の集中、再開発や新線計画による将来性の高さなど不動産投資の立地としての魅力が多くあります。東京一極集中は是非論がありますが、実態としてはますます加速する可能性を帯びています。

さらに大学の都心回帰も進んでおり、学生数の増加からワンルームマンションの需要も堅調に推移する可能性があります。

東京は世界的な大都市であり日本の都道府県の中でも別格の存在であると言えます。今後も発展が続くと考えられますので、将来のための不動産投資の立地として適していると考えられます。

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