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羽田直結の未来が変える! 東京再開発×鉄道新設で読む不動産投資の“勝ち筋”

2031年に開業予定の「羽田空港アクセス線」や、有楽町線の延伸、新駅の誕生——東京の鉄道ネットワークは、今まさに大きな進化の過渡期にあります。アクセス向上により再開発が加速する東京駅、新宿、湾岸・押上エリアでは、街の価値そのものが変わろうとしています。

不動産投資においては「未来を読む力」が重要ですが、いま進む鉄道計画は、その未来への確かな“路線図”になるかもしれません。変化の兆しをいち早く捉えることで、将来の資産価値を見極めるヒントが見えてくるので、検証してみたいと思います。

羽田空港アクセス線の工事が行われる

先日、筆者はJRで山手線に乗る予定でしたが、「羽田空港アクセス線」開業のための工事で4月19日から20日にかけて山手線と京浜東北線が一部運休とのお知らせがありました。当日は大型のイベントや野球などもありましたので、都内の大動脈とも言える路線が運休となり多くの人にも影響が出たようです。しかし都内は交通機関も発達しており、代替路線や経路も多くある事でカバーできたようです。

今回の工事では「田町」駅周辺での大規模な線路切り替え工事などが行われました。山手線と京浜東北線の線路を移動して、あらたに「羽田空港アクセス線」の線路を新設したようです。以前から「羽田空港アクセス線」の計画は知られていましたが、いよいよ実現に向けて動き出した感があります。

羽田空港アクセス<東山手ルート>とは

現在「羽田空港」への鉄道アクセスは「京急線」及び「東京モノレール」のみとなっており、JR線からの直通はありません。JR東日本では一部新線を建設し、羽田空港から都心部への直通路線の運行を計画しており、3ルートが発表されています。

最も早く実現するは「東山手ルート」と呼ばれる「東京」駅を通るルートです。「東山手ルート」は「東京」駅から「羽田空港」まで直通でわずか18分で結びます。既に工事は進んでおり2031年に開業予定となっています。「東京」駅の次は「新橋」駅となり、今のところ「新橋」駅から「羽田空港」までは駅の建設予定はありませんのでその分早く到着しますが、今後新駅が建設される可能性もあります。

「東京」駅周辺では大規模な再開発が進行し、八重洲の高層ビルや「東京トーチ」そして日本橋の大型再開発などの計画で街が大きく変わってきています。これに加えて羽田空港へ直通線が運行する事でますますの発展が期待され、国際ビジネスの拠点としての「東京」駅の価値も高まります。

また「東京」駅から「上野・東京ライン」に接続して埼玉方面に運行する事も計画されています。

埼玉県の「川口」駅は現在「京浜東北線」しか停車しませんが、将来的には「上野・東京ライン」の停車が予定されており、「川口」駅などからも羽田空港へ直通でアクセスできる予定です。但し2040年以降の予定となっています。

東山手ルートに続くルートは

「羽田空港アクセス線」は先行の<東山手ルート>の他に、「新宿」駅方面へ向かう<西山手ルート>や、新木場方面に向かう<臨海部ルート>の二つのルートがあります。

新宿は都庁や高層ビル群があり、東京の副都心として企業や就業人口の多いエリアです。「新宿」駅前では2棟の大型デパートの建替えなどが現在行われており、「東京」駅などと並んで駅前が大きく変わってきています。「新宿」駅の利用者も日本一と言われており、今後「羽田空港アクセス線」により羽田空港への直通や、また埼京線などへの直通も想定されますので、新宿のみならず広域的な羽田へのアクセスが向上します。小池知事は中央線への接続の検討についても言及しており今後の動向も気になる所です。

臨海部ルートについては羽田空港から浦安のテーマパークや千葉方面へのアクセスの向上が期待されます。

◼︎羽田空港アクセス線の3つのルート

<資料:東日本旅客鉄道株式会社>

詳細はこちらから

羽田空港周辺は新たな施設の開業も

羽田空港周辺では再開発が続いています。2022年に羽田空港と川崎市殿町をつなぐ「多摩川スカイブリッジ」が開通しました。殿町の「キングスカイフロント」と羽田エリアが一体となって発展する事も期待されます。

「羽田エアポートガーデン」や「羽田イノベーションシティ」などの施設が2023年に開業し、企業や研究施設の集積の他、商業施設も多くあり新たなレジャースポットとしても人気です。

羽田空港は利用者が日本一多い空港でありインバウンドや国内旅行者も多く利用しています。今後「東京」駅や「新宿」駅を始め都内主要部にアクセスしやすくなり、都内の発展にもつながります。

有楽町線の延伸・東武線との直通計画とは

現在「東京メトロ有楽町線」は、「和光市」駅から「新木場」駅まで運行していますが、途中駅の「豊洲」駅から分岐・延伸して「住吉」駅まで延伸が計画されています。

さらに2025年4月には「住吉」駅から「押上」を経由して東武線方面と直通運転を実施する計画である事が発表されました。

「住吉」駅から「押上」駅までは東京メトロ半蔵門線を経由して、「押上」駅から東武東上線(東武スカイツリーライン)に直通となります。

◼︎有楽町線、半蔵門線、東武スカイツリーライン・伊勢崎線が直通に

<資料:東京地下鉄株式会社・東武鉄道株式会社>

詳細はこちらから(有楽町線延伸区間と東部スカイツリーラインの相互直通運転に関する基本合意)

有楽町線の延伸と新駅の開業

有楽町線延伸の効果として、まず新駅が建設される事が挙げられます。

江東区内の「東陽町」駅と「住吉」駅の間に「枝川(仮称)」駅と「千石(仮称)」駅の2駅が建設されます。

枝川駅は湾岸エリアにあり、千石は江東区の中央部に位置するエリアにあります。

いずれも駅がなかった場所に駅ができ、「駅前」の土地が誕生する訳ですから、利便性が大きく上昇します。「豊洲」を始め湾岸エリアの発展にもつながります。

◼︎有楽町線の延伸で江東区に新駅が誕生

<資料:江東区>

詳細はこちらから

押上エリアの発展とアクセスの向上

「住吉」駅と「押上」駅はもとも半蔵門線が運行しており、半蔵門線は「押上」駅から東武伊勢崎線・東武スカイツリーラインと直通運転を実施しています。

湾岸エリアと押上のアクセスが向上し両地域の発展にもつながります。

筆者は昔、東京スカイツリーの計画が出る前に押上エリアに現地取材に行った事がありますが、当時は半蔵門線の延伸の計画はありましたが、東京スカイツリーの計画はなく、今にように複数の地下鉄が乗り入れたりするとは想像もつきませんでした。「押上」エリアはここ何十年の間に大きく様変わりしています。

東武伊勢崎線の交通アクセスがますます向上

東武伊勢崎線は現在、東京メトロ半蔵門線・日比谷線などに直通運転を実施していますが、これに東京メトロ有楽町線が加わる事になります。

東武伊勢崎線は台東区や足立区などから埼玉県方面に運行しています。大学の多い「北千住」駅は東武線の他に日比谷線・千代田線なども利用でき交通利便性の高さからも注目されているエリアです。

「曳舟」駅では東武東上線・東武亀戸線が利用でき、また「京成曳舟」駅も近くです。京成線は都営浅草線に直通運転をしており都心へアクセスしやすい路線です。

こうした駅などをはじめ東武伊勢崎線の沿線の不動産需要も増加するのではないでしょうか。

東京東側の魅力と発展

都心部のマンション価格が大きく上昇しており、東京の投資用マンションの発売立地は都心周辺部で交通利便性の高いエリアに拡大している傾向にあります。

羽田空港アクセス線や有楽町線の東武伊勢崎線の直通運転などで、都心周辺部の交通アクセスもますます向上します。江東区の新駅建設予定周辺や「押上」から東のエリアなどは今後投資用マンション発売も増える可能性があります。

以上述べたように東京の新たな鉄道計画が決して遠い先ではなく、近い将来に実現されます。不動産投資は将来の先行投資とも言えますので、これから不動産投資をする方はもとより筆者の私も明るい展望にわくわくする心境です。

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