投資向けマンション選びにおいては「程よく」が良い?【プロが教える不動産投資コラム】
人生には様々な「選択」の場面が登場
人生においては何度か「何かを決めなくてはいけない」というシチュエーションに遭遇します。例えば学校選び、会社選び、結婚相手選び、住宅選びなど様々な場面で決断をする場面が訪れるものです。
それぞれの選択は人生において大なり小なり影響をもたらす訳です。学校選びや結婚相手選びなども重要ですが、買い物の中でも購入価格が高い「住宅選び」は居住用・投資用に限らず多くのエリア、多くの物件がある中から一つの部屋を選択するという事で、当然の頃ながらそこには熟考する時間が必要となってきます。
特に最初の投資用マンションを選ぶ際には、物件を見過ぎてその結果迷い過ぎて買い時を逃し、本命の物件と出会っているにも関わらずそれに気が付かず逃してしまうというケースは多々あるかと思います。
実際に不動産投資のプロであるような方々でさえ、そういう状況はあるのではないでしょうか。
投資マンション選びの自分なりの「スキーム」とは?
ではそうした事を回避するためにはどのような考え方が大切かと言うと、マンション購入をする際にはある程度の自分なりの「購入基準」を作る事がポイントです。
(1)第一に現在の自分の年収、自己資金、毎月の返済能力からしてどの程度の予算を組む事が適切なのか。また金融機関からどの程度の融資を受ける事ができるのかを把握する事も大切です。お客様の中には自分が組めるぎりぎりの予算を作る方もいますが、傍から見ているとちょっとどうなのかなと思ってしまう事もあります。
(2)第二としては、どういうエリアに購入できるのか、したいのか、という事です。 例えば東京都で買いたいのであれば、都心エリアなのか、都区部エリアなのか、東エリア、西エリア、南エリア、北エリアなのか、ある程度知名度が高く、再開発エリアに直結しているエリアなのか、などです。
(3)第三は最寄り駅からの距離も駅前が希望なのか、5分以内なのか、10分以内なのか、階数も最上階限定で希望なのか、1階でなければ中層階でいいのか、など様々な判断基準があると思います。少なくとも「都心・駅前・最上階・角部屋」などの最も高いハードルを設定してしまうと、そのような物件はある事はありますが、当然の事ながら特別な部屋だけに当然の事ながら価格も「特別価格」となってしまい、必然的に利回りは低下傾向となります。
マンション選びは「程よく」、ストライクゾーンを広く持つ事が大切
マンション選びは都心から「程よく」近く(おおよそドアToドアで都心から30分前後)、駅から程よく近く(10分以内)、程よい面積(25~30㎡程度)があればなお良いでしょう。
程よい階数、程よい日当たり、つまり野球に例えるとピッチャーがインコースの高めいっぱい、絶対に右バッターが打ちづらい外角低めのぎりぎりの所を狙うという感覚ではなく、ある一定のストライクゾーンだけど、切れの良いスピンのかかったボールを投げれば撃たれないようにストライクゾーンを広くとりつつ、「ここは妥協できない」という点をいくつか作って、そこに当てはまる物件があれば購入サインを出してもいいという「寛大さ」も大切となってきます。
実際に筆者が過去に購入した東京や大阪のマンションもすべて一定のストライクゾーンに入ったという物件で、何かを妥協して買っている訳です。
筆者が招かれるセミナーにおいても、都心3区で利回りが8%で駅3分圏内でといういささか高いハードルの条件を持つお客様も散見されますが、結果的には購入に至らないケースが圧倒的に多いようです。つまり立地的には「程々」の条件が良いと言えます。
投資用マンション選びには「交通利便性」が重要
では投資用マンション選びで比較的「妥協」すべきではない点とはどんなポイントでしょうか。まずは「交通利便性」が挙げられます。立地は都心でなくても、「都心に行きやすい」立地である事が重要となります。
山手線のターミナル駅に直通の路線、さらに急行などが停車する駅は人気ですが、こうした路線に1回乗り換えるだけで行ける沿線も実は「穴場」な場合もあります。
近年は都心部を中心に地価が上昇してきており、都心周辺部の交通利便性の高いエリアのマンション価格も上昇してきています。つまりあまり知られていない駅でも都心ターミナル駅などからの「実質所要時間」が重要となってきます。
マンション投資とは「街の将来性」に投資する事
東急新横浜線の開業で、相鉄線の東京都心へのアクセスが向上します。都心部の再開発が進行しており、都心部の就業人口はますます増加する事も予想されます。
こうした「将来性」のあるエリアを選ぶ事がマンション投資には重要となってきます。
過去に再開発や新線・新駅の開業のなどで地価・不動産価格が上昇したけケースは多々あります。つまり街の「将来性」も重要なポイントなる訳です。 投資用マンションを購入するという事はこうした「街の将来性」に投資するという事にもなります。
程々のマンションの方が将来売りやすいか
投資用ワンルームマンションにおいても都心エリアでは7,000万円以上する超高級マンションも存在しています。もちろんそういうマンションも一定の需要はありますが、その購入者は相続対策などのいわば特殊要因で購入する方も多くなっています。
将来の売却の事を考えると、立地・価格・スペックも含めて「程よい条件」を兼ね備えたマンション程購入できる需要層も多いので、売りやすくなる訳です。
まとめ
以上のように投資用マンション購入には、もちろんご予算等もありますが、程良い条件設定の中で自分自身が持てる範囲で無理なく持つ事が大切です。
購入する条件が程々が良いという最大の理由を最後に述べさせて頂きます。
それは購入サイドからではなく、そのマンションを「借りる方の視点」からすると、借りるマンションに一生住む訳ではないので、借りる人も「程々の条件でいい」と思っている方が大半だからです。地価・建築費等が上昇しつつある現在、程よいマンションと巡り合ったら早めの検討をお勧めします。