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手取りを増やす方法とは【プロが教える不動産投資コラム】

2024年10月に衆議院選挙が実施されました。ここでにわかに「年収の壁」というキーワードが上昇してきています。この「年収の壁」と手取りを増やす方法について検証してみたいと思います。

実質給与はマイナスが続く

若い世代を始め多くの方の「手取り収入」が減少していると言われています。

給与水準は上昇傾向にありますが、物価上昇や所得税などの税金や社会保障費などが天引きされ、実質賃金はマイナス傾向が続いています。

厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、9月の実質賃金は前年同月より0.1%減少し2ヵ月連続のマイナスとなりました。実質給与は近年マイナスが続いており2024年6月には27ヵ月ぶりにプラスとなりましたが、再びマイナス基調となっています。

このような手取りが増えない状況から衆議院選挙では異変が起きました。

国民民主党の訴える「年収の壁」対策

今回の選挙では自民党が半数を割り込み、国民民主党の躍進が目立ちました。今後の政局では国民民主党の存在感がますます高まるのではないでしょうか。国民民主党の玉木代表が訴えるのは「年収の壁」の引き上げです。

先に述べた通り実質給与の減少が続いており、国民の大きな関心となっています。今後の自民・公明両党との調整などにより来年の税制大綱に反映される可能性があります。

しかし年収の壁を引き上げた場合には8兆円規模の減税となるため、慎重な議論が進められています。

「103万円の壁」の変更を議論

では103万円の壁とは何でしょうか。

これは収入が103万円を超えると所得税がかかり、不要控除を受けている方は扶養控除が適用されなくなり税金が増える事になります。つまりそれ以上働くと逆に手取りが少なくなってしまう場合があるのです。

この「103万円」というのは「基礎控除(48万円)」と「給与所得控除(55万円)」の合計額となっています。国民民主党ではこの「103万円」を「178万円」に引き上げる事を訴えており、現在協議が続けられています。

この「年収の壁」を意識して収入を調整する方が約60万人いると言われています。アルバイトやパートの方などもこの「壁」があるために働く時間を制限する事から人手不足の要因とも言われています。

また「年収の壁」を引き上げる事は、所得控除額が増えるため、一般のサラリーマンの方にとっても税金が減り、手取りが増える事になります。

他にも「年収の壁」としては年収100万円を超えると住民税がかかったり、また106万円を超えると一定の条件により、さらに130万円を超えるとその条件に該当しなかった方も社会保険の扶養から外れて自ら社会保険や国民保険、国民年金などに加入する必要があったりします。

社会保険料などは高額ですので、この壁を超えると逆に手取りが少なるケースもあります。厚生労働省ではこの106万円の壁をなくして社会保険の加入者を増やす事も検討しています。

手取りを増やすには

こうした「年収の壁」がある事により総収入を抑えている方は当然の事ながら手取り収入も少なくなります。では「可処分所得を増やす」にはどうした良いでしょうか。

実際に収入を増やさなくても可処分所得を増やす方法はいくつかあります。

例えば最近では「ふるさと納税」も注目を集めています。ふるさと納税により、例えばビールやお米に年5万円使っている方は、ふるさと納税でビールや米をもらえば、その分だけ出費が節約でき可処分所得が増える事になります。

また「ポイ活」も盛んです。これは「ポイント活動」の事で、最近では様々なポイントカードがあり、それぞれに特典があります。中にはポイントと貯めてもたいした物はもらえない場合もありましたが、最近では還元率の高いポイントカードも増えています。

家電系のカードなどは昔から還元率も高いですが、銀行系のカードでも最近は7%もの還元があるものも見かけます。

7%でしたら年に100万円買い物をすれば7万還ってきますので、大きな節約となります。買い物や飲食をするたびに少しずつ貯金しているような感覚です。

資産形成が推奨されていますが

今巷でも盛んに将来の不安が言われています。若い世代でもNisaやiDeCoなどを始める方も多くなっています。

多くの投資をしている方も多く、例えばAさんは毎月5万円、年で60万円を投資すれば40年間で2,400万円貯まります。各種の控除や利回りなどもありますのでさらに資産は増える可能性もありますが、株式投資ですので逆に資産が減る可能性もあります。

しかし数年前に政府が発表していた「老後は2,000万円必要」の条件もカバーできるのではないでしょうか。

これは将来のために現在の可処分所得を回している状態です。将来は安定ですが、特に若い人や結婚したての方などには毎月の多くの投資は生活を苦しいものにする可能性もあります。最近は「NISA貧乏」という言葉も見かけるようになってきています。

不動産投資の場合は

ここでBさんは不動産投資をしたとします。申込金10万円で、あとは不動産投資ローンを組みました。仮に毎月のローン返済額が10万円、家賃収入が10万円とすると、年間のキャッシュフローはプラスマイナスゼロか若干持ち出しがある程度です。

ここで注目すべきはローン返済額のうちの「元金部分」です。「元金部分」は自分の資産となりますので貯金と同じ意味を持ちます。

ローン返済終後には3,000万円で購入したマンションが自分の資産となる訳です。

賃料収入はそのまま年金代わりとなります、売却すれば一時金として現金を得る事もできます。都内や交通アクセスの良い好立地の物件は軒並み価格も上昇していますので、今後も好立地の物件は資産価値も落ちづらいと考えらます。

つまりAさんは「自分の可処分所得を貯めて」資産を作りますが、Bさんは「他人の支払ったお金」で自分の資産形成ができる訳です。

自分にあったメガネをかける

若い人はデフレの体験も強く、また将来の年金不安も強いために遠い将来を不安に思う、言わば「遠視」のメガネをかけていると筆者は考えます。あまりにも遠くを見過ぎて、今の生活が犠牲になっていないでしょうか。

若い人ほど「遠近両用メガネ」をかけて、今を犠牲にして将来を見るのではなく現在も楽しみながらある程度将来にも備えるという生き方を筆者は推奨いたします。

若い時は節約を重ねて老後のために蓄えても歳をとって病気になってしまい、老後も楽しめなかった、という例も筆者の身近にありました。そういう点では普段からの「健康投資」も重要となってきます。

不動産投資でしたら、毎月の負担はそれほど多くなく、将来の備えと今を楽しむ事が同時に可能となります。つまり「究極の老後対策」となると筆者は考える訳です。

もちろん資産運用や投資は皆様の個人の自由ですので、こうした考え方も一つの参考として頂ければ幸いです。

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