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YOASOBIの収入源を徹底解説! Ayaseとikuraが歩んだ成功への道と稼ぎ方

若年層から絶大な支持を得ている音楽ユニット「YOASOBI」。

彼らはその独特のサウンドと文学をテーマにした歌詞で、日本国内のみならず、世界中にファンを持つ存在となっています。その人気は、楽曲の驚異的なストリーミング再生回数やライブ動員数からも明らかです。

しかし、彼らの成功は一朝一夕で得られたものではありません。

本記事では、YOASOBIがどのようにしてアーティストとしての成功を掴み、収入源を築き上げたのか、その変遷と収入について詳しく見ていきます。

YOASOBIの誕生と大ヒットへの道

YOASOBIの音楽の基盤を支えるのは、プロデューサーであるAyaseさんの豊かな音楽的才能と、ボーカリストikura(生田りら)さんの透き通った歌声です。今でこそヒット曲を連発する大人気ユニットへと登り詰めましたが、彼らの成功までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。

AyaseさんはYOASOBIを結成する前、10年近くもの間バンド活動を行っていました。16歳の頃からロックバンドの一員としてライブ活動を重ね、音楽シーンで自分の道を模索していた時期があったのです。しかし、バンドの活動ではなかなか自分の音楽を世に広めることができず、悩みや葛藤を抱えながらも音楽を作り続けていました。

そんな中、彼が新たに見出した表現の場が、ボーカロイド(ボカロ)を使った楽曲制作です。ボカロPとしての活動を通じて、Ayaseさんは自らの音楽をインターネット上で発表し、次第に多くのリスナーから支持を集めるようになります。

彼の楽曲は、ボカロ特有のデジタルサウンドと感情的な歌詞が融合した独自の世界観を持っており、多くのファンを獲得しました。この時期に培った作曲・編曲のスキルやプロデュース力が、独自の音楽世界を確立していき、YOASOBIとしての活動にもつながっているのでしょう。

バンド活動に始まり音楽家としての幅を広げていったAyaseさんは、「小説を音楽にする」というユニークなコンセプトのもと、小説投稿サイト「monogatary.com」に投稿された物語を基に楽曲を制作するプロジェクトを開始します。これが、後のYOASOBIの原点となりました。

AyaseさんがYOASOBIのデビュー曲となる「夜に駆ける」を作るために、YouTubeを見てボーカルを探しているときに、偶然見つけたのがikuraこと生田りらさんです。彼女がSNSにアップしていた動画を見て、「この人いいんじゃないか」とAyaseさんから声をかけたことが二人の出会いでした。

Ayaseさんと出会う前の生田りらさんは、ギター1本で弾き語りを行うシンガーソングライターとして活動していました。彼女の透き通るような歌声と高い表現力は、インディーズシーンでも注目される存在でした。彼女の楽曲は心に染み入るようなメロディと共感を呼ぶ歌詞が特徴で、ライブ活動を中心に着実にファンを増やしていきましたが、インディーズの枠を超えるためのきっかけを求めていたのです。

Ayaseさんから声をかけられた生田りらさんは、Ayaseさんの曲を聴き「これは一緒にやるべきだ」と感じたのだと言います。

こうしてYOASOBIが結成されたのが2019年。Ayaseさんが楽曲制作を担当し、生田りらさんがボーカルを務める形で音楽活動をスタート。Ayaseさんの楽曲と生田りらさんの歌声が融合して生まれた唯一無二の存在感で、多くの人々の心を掴みました。

YOASOBIの最初の大ヒット曲「夜に駆ける」は、インターネット上で公開されると瞬く間に話題となり、若者を中心に広がっていきました。物語と音楽が一体となった新しい音楽体験が多くのリスナーに刺さり、2024年5月29日時点でストリーミング再生回数11億回を突破しています。

その後も、「怪物」「群青」などの楽曲が次々とヒットし、YOASOBIは瞬く間に日本の音楽シーンを代表する存在となりました。

YOASOBIの主な収入源は?

音楽ユニットとして大成功を収めたYOASOBIの収益の基盤となっているのが、楽曲が配信されるたびに増えていく、安定した著作権収入です。

具体的には、Spotify・Apple Music・LINE MUSIC・Amazon Musicといった音楽配信サービスからのロイヤリティ(ストリーミング収入)、iTunes Storeなどでの楽曲ダウンロード販売による収益、CDアルバムやライブDVDなどの販売による収益、カラオケでの楽曲配信によるロイヤリティ、テレビ番組やラジオでの楽曲使用料などが含まれます。

例えば「夜に駆ける」や「群青」といった彼らの代表曲は、ストリーミングサービスで数億回も再生されており、これによって発生する収益は相当なものです。1再生あたりの収入(再生単価)は0.1円〜2円前後と各サービスによって幅がありますが、11億回以上の再生を記録した「夜に駆ける」では少なくとも1億円以上の収入があったと推測できます。

2023年度における日本音楽著作権協会(JASRAC)からの著作物使用料の分配額が最も多かった楽曲は、テレビアニメ「【推しの子】」のオープニング主題歌として同年4月にリリースされた「アイドル」。「アイドル」は同年6月10日付の米ビルボード・グローバル・チャート「Global Excl. U.S.」でも日本語歌唱の楽曲として初の首位を獲得しており、かつストリーミング再生回数が2024年8月7日時点で累計8億回を突破しているメガヒット曲です。ストリーミングサービスの収益だけでも、8000万円を超えているでしょう。

なお、同JASRACの国内作品の分配額ランキングには、1位の「アイドル」だけでなく10位にも、リリースから4年の月日が経過した「夜に賭ける」がいまだランクインしています。

また、カラオケでも多くの人々が彼らの楽曲を歌っているため、その使用料収入も安定的です。

カラオケの印税は1曲あたり2〜7円程度で、その内訳は作詞家:作曲家:歌手=「50%:50%:0%」の割合だと言われています。自身で作詞・作曲を行わないアーティストだと、CDやサブスクの売上に応じて支払われるアーティスト印税(歌唱印税)しか受け取れませんが、YOASOBIではAyaseさんが作詞・作曲を担当しているためこのようなカラオケ印税も受け取っています。

加えてYouTubeでの収益も非常に大きいでしょう。1再生あたりの広告収入がわずかであっても、数千万回の再生が積み重なることで莫大な額になります。例えば、1再生あたりの収益が0.1円だとしても、1億回再生されれば1000万円の収入になる計算です。

YouTubeチャンネル「Ayase / YOASOBI」は2024年10月時点でチャンネル登録者数 683万人、投稿されている動画は225本。2.7億回再生の「夜に駆ける」、1.8億回再生の「群青」、5.4億回再生「アイドル」など驚異的な再生回数を誇る動画もあります。「YouTuber世論調査」によると、それらの動画収益は累計12億円超、昨年度の年収は4億円超と推定されています。

著作権収入以外の多様な収益モデル

YOASOBIは、企業とのタイアップや楽曲提供によっても収益を得ています。

彼らの楽曲は、テレビCMやドラマの主題歌としても起用されることが多く、企業からのオファーが絶えません。このようなタイアップは、楽曲がさらに多くの人に知られる機会となり、ストリーミングやダウンロードの増加にも繋がります。

特に、YOASOBIの楽曲は若年層に人気があるので、SNSでのバズを狙う企業にとっても魅力的な存在です。SNSでの話題性が広告効果を高めるため、企業は高額な契約料を支払ってでもYOASOBIとコラボレーションしたいと考えるのです。

アニメとのコラボレーション楽曲も多く、アニメファンからも支持を得るようになっています。「【推しの子】」のオープニングテーマ「アイドル」、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の「祝福」、「BEASTARS」の「怪物」、「葬送のフリーレン」の「勇者」などが挙げられます。これにより新たなファン層が増えると同時に、タイアップによる収益も増加していくでしょう。

上記のような著作権収入や企業とのコラボレーションによる収入だけでなく、単独ライブや音楽フェス・企業イベントへの出演といったライブ活動もYOASOBIにとって重要な収入源です。チケット収入や会場でのグッズ販売は、ライブごとに数千万から数億円規模の収益をもたらしていると推測できます。

2023年に開催された初のアリーナツアー「YOASOBI ARENA TOUR 2023 “電光石火”」では、追加公演を含めて7都市14公演で計13万人を動員しています。同年8月には初のLAフェス出演を果たし、12月から2024年1月にかけておこなわれたアジアツアーのチケットは即完売。4月には初のアメリカ単独公演を行い、日本でも今年の10月に大阪、11月に東京で初のドームライブが行われるなど、勢いがとまりません。

さらに、彼らの楽曲をモチーフにしたグッズやアナログレコードなども販売されており、ファンが直接支援する形での収入も確保されています。グッズはアパレルや雑貨など多岐にわたり、デザイン性やファッション性が高いため、ファンにとっても魅力的なアイテムとして人気です。

YOASOBIの成功が示す柔軟な挑戦の価値

このように、YOASOBIの収入源は多岐に渡ります。

YOASOBIはソニー・ミュージックエンタテインメント(Sony Music)に所属しており、アメリカの大手エージェンシー「Creative Artists Agency(CAA)」ともエージェント契約を結んでいます。

このような場合、収益は事務所とレコード会社で取り分が分けられる形になります。具体的な収入額や事務所との取り分については公開されていないため、正確な数字は明示できませんが、先述の収益を鑑みるとこれまでに数億円規模の収入があったと考えられるでしょう。

YOASOBIの成功には、Ayaseさんとikuraさんがもつそれぞれの音楽的な才能と、常に新しいことに挑戦する姿勢が大きく関わっています。彼らは、音楽に対する情熱を持ちながらも、現代の音楽シーンに適応し、インターネットを通じて新しいファン層を開拓しました。彼らの才能と努力、そして時代の流れが重なり、今のYOASOBIがあると言えるでしょう。

YOASOBIの収入の裏側には、数々の挑戦の積み重ねがあります。その挑戦の歴史は、実力を磨き続けることと、新しい道を切り開く勇気がいかに重要であるかを物語っています。彼らはこれからも新たな音楽体験を提供し続け、音楽業界を盛り上げていくと同時に、多くのリスナーにインスピレーションを与えていくことでしょう。

YOASOBIのように新しい挑戦を続けることで収入源を多様化し、リスクに対応できる体制を築くことは、個人の資産形成にも大いに役立ちます。彼らの活動からは、既存の枠にとらわれずに自らの強みを活かして新しい市場を開拓することの重要性が学べますね。

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