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インフレ時こそ重要性の高まるマンション管理【プロが教える不動産投資コラム】

「人生100年時代」において「健康管理」はとても重要と考えられます。食事、運動、ストレスの溜まらない生活環境などが大切です。平均寿命が伸びるにつて「資産の寿命」も大切な時代となっていきます。

大切な資産が長期に渡って保全されるためにはどのような着眼点から見たらよいのでしょうか。今回は「資産」としては高額なマンションの「管理」について検証してみたいと思います。

インフレに強い資産形成である「マンション投資」

世界的にインフレが続いています。新型コロナの影響に加えて緊迫したウクライナ情勢も続いており世界的にエネルギー価格や食料価格などが上昇しています。総務省が発表した2022年8月の全国消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇と大きな上昇幅となっています。

また国内的には円安が進行しており、輸入価格をさらに押し上げています。日銀の発表した2022年8月の企業物価指数は2020年を100とする指数で115.1に上昇しており最高値を更新しています。

国内企業物価指数 2022年

1月2月3月4月5月6月7月8月
総平均109.4110.3111.4113.1113.1114.1114.9115.1
日本銀行「企業物価指数(2022年8月速報)」より作成

こうした中で、安定した収益の得られる「マンション投資」に注目が集まっています。

インフレによって不動産の資産価値が上がったり、またインフレによって借入金の実質的価値が下がったり、賃料収入がインフレにより上昇する可能性もあるなど様々な点でインフレ対策としても注目されています。

但しインフレに強いマンションは、将来的に建物が収益物件として稼働し良好な資産価値を維持できる事が条件となります。

長期間に渡って資産価値を守る「マンション管理」が重要

マンション投資は長期間の投資ですので、資産価値を長期間に渡って維持するための「マンション管理」が極めて重要となってきます。管理の良いマンションは長期間に渡ってその居住性を維持でき、安定した収益をもたらすからです。

マンション管理には大きく分けて2種類あります。一つは「建物管理」、もう一つは「賃貸管理」です。では始めに「建物管理」について見てみましょう。

マンションの建物管理は区分所有法で規定

一般的に「マンション管理」というとこの「建物管理」を指します。これはマンション管理についての法律である「区分所有法」で規定されています。

区分所有法ではマンションの「共用部分の管理」や「管理組合」などについて詳しく定められています。「共用部分」とはエントランスやエレベーター、躯体や屋上などの部分で、これに対して各住戸内は「専有部分」となります。

マンションの「共用部分」はマンションの所有者(区分所有者)全員から構成される「管理組合」が管理する事が定められています。ワンルームマンションでもオーナー(所有者)の方は管理組合の組合員となり、マンションに居住していなくても管理組合員となります。ワンルームマンションのオーナーの方は全国に散らばっている事も多く、それだけ建物管理も重要となってきます。

マンション管理の業務は専門的な事も多いので、実際の管理業務は「管理会社」に委託される事になります。管理会社では管理組合の運営サポートや日常の清掃、管理組合総会の開催準備など多岐に渡る管理業務を委託します。この管理会社に支払う費用が毎月の「管理費」となります。

管理委託内容の例

◆建物の維持管理・修繕

  • 日常清掃、定期清掃、ごみの搬出、整理
  • 建物設備・消防設備・給排水設備点検
  • エレベーター点検
  • 管理員、清掃員の派遣
  • 共用部分の施錠管理
  • 報告連絡業務防犯、防火の監視
  • 現地対応立会い
  • 建物の維持修繕の計画・実施
  • 中長期大規模修繕の計画・実施

◆管理組合の運営代行・補助

  • 管理組合会計の収入支出の調停
  • 管理費、修繕積立金の収納
  • 未収納金の督促
  • 会計帳簿の作成、整理、保管
  • 定期、臨時総会の準備開催
  • 保険契約の代行
  • 管理規約の立案、実行
  • 入居者名簿の作成
  • 入居者問い合わせ対応

ワンルームマンションの管理費はタワーマンションと比較して低額

管理費は管理する物件が大きいほど管理費の総額が高くなる傾向にあります。また管理費は住戸の床面積で案分しますので、同じ規模なら総戸数が多い程管理費は安くなります。また共用部分の設備が多いほど管理費は高くなる傾向にあります。

規模の大きいタワーマンションなどでは管理費も高額となる傾向にあり、単棟型マンションの管理費の平均10,970円に対して20階以上では15,726円となっています(国土交通省「平成30年度マンション総合調査」)。

これは大規模タワーマンションは共用部分の設備も充実している事も多く、豪華なエントランスホール、コンシェルジュサービス、ゲストルーム、物件によってはプールや大浴場、トレーニングジムなど様々な豪華付帯設備が付くケースもあり、管理費は高い水準となる傾向になります。

一般的に規模の小さなワンルームマンションは共用部の設備が比較的シンプルでタワーマンションなどと比べて管理費も安く、さらにワンルームマンションでも規模の大きい場合は住戸が多いのでそれだけ管理費も安くなると言えます。

ワンルームマンションの共用部分のポイントはズバリ、「シンプル」で「必要最小限の設備が揃っている」事が重要と言えます。

将来のための定期的な修繕のための「長期修繕計画」

マンションは鉄筋コンクリート造の堅固な建物ですが、将来的に資産価値を維持するためには日々のメンテナンスも重要となってきます。

これは日常の管理とは別に渡って修繕が計画されており、これを「長期修繕計画」といいます。「長期修繕計画」の中でマンションの共用部分の部位ごとに修繕の周期が示されています。

例えば手すりや非常階段などの「鉄部塗装」は4~5年ごとなど、マンションによって異なりますが修繕の周期が定められています。つまり長期間に渡って建物の機能が維持されるような仕組みになっている訳です。

建物のメンテナンスのための修繕積立金

さらに「長期修繕計画」では10数年ごとの周期で「大規模修繕工事」が予定されています。これは足場を組んで行う大規模な工事で、外壁の補修や屋上防水などの躯体に関わる修繕なども行われます。

こうした「大規模修繕工事」にかかる費用は入居時の「修繕積立基金」と、毎月の「修繕積立金」によって賄われます。「修繕積立金」は段階式となっている事も多く、当初は低く設定しているケースも多いようです。

「修繕積立金」の金額が多いとそれだけ毎月の支出が多くなり利回りが低下します。しかし将来的にマンションの資産価値を長く伸ばすためには適正な「修繕積立金」が必要となります。

また「修繕積立金」は月々使われてしまうお金ではなく、積み立てられている管理組合の財産とも言えます。必要な額をプールする事で結果的に将来の資産価値も維持されます。

もうひとつの管理である「賃貸管理」

マンション経営では「賃貸管理」も重要となります。

これは入居者の募集や賃料の管理、入退出の手続きなど賃貸に関する様々な業務です。管理組合とは関係なく、オーナーが個人で行います。

不動産会社からワンルームマンションを購入すると、その会社には賃貸システムなども備えている場合も多くなっています。賃料の設定や入居者の募集なども代行してくれますので、こうした賃貸管理業務を不動産会社に委託する事で、サラリーマンの方でも手間がかからないマンション経営が可能となります。

出口戦略としての「建替え・敷地売却」

マンション管理の法律である「区分所有法」ではマンションの「建替え」や「敷地売却」※などについても規定しています。

「建替え」、というとずっと先の事と感じるかもしれませんが、ワンルームマンションは駅に近いなど利便性の高い立地などに建設される事も多いために、何10年と築年数が経過したマンションもその立地の利便性から、将来的に建替えや売却が行われるケースも予想されます。

これは近隣も含めた再開発などで、周辺の開発が進む場合になどは、「敷地売却」が行われるケースもあります。つまりそのマンションの立地が優れているから起こるケースです。

※敷地売却:マンションを取り壊して敷地を一括して売却する事。「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」の要件に該当する場合は5分の4以上の同意。

建替えなどの要件緩和が検討

現在、建替えの要件は「5分の4以上の同意」が必要となり、「敷地売却」には「全員の同意」が必要となります。しかしマンションが多く建設されるようになってから長い年月が経過し築年数の多く経過したマンションも増えている事からこうした建替えや敷地売却の要件緩和について法務省などで検討されています。

建替えの決議は「5分の4以上」から「4分の3以上またはそれ以下」に、敷地売却は「全員同意」から「4分の3以上」と要件を緩和し、また所有者が不明なマンションも多くあり、こうした決議に参加しないで意思表示をしない方は決議の分母から除外する事も検討されています。

もし決定したら建替えや敷地売却がしやすくなる事により、古くなったマンションの出口戦略としても有効になる訳です。

マンション建て替え要件の緩和(検討中)

マンション建て替え敷地売却
現行5分の4以上の同意全員の同意
改正案4分の3以上またはそれ以下4分の3以上の同意

区分所有者の調整も重要な要件

大規模修繕工事の決定や、こうした建替えなども含めて、管理組合、つまり区分所有者の「合意形成」が重要となってきます。

こうした区分所有者の合意形成を進めて大規模修繕工事などを実施して資産価値を守るのも管理会社の重要な役割と言えます。

また長期間に渡って入居者の管理をしてマンション経営を成功さえる「賃貸管理」も重要な役割を持っています。

マンション経営を成功させるために

インフレを乗り切り長期間のマンション経営を成功させるためには、こうした管理会社の選定も重要となってくる訳です。

管理会社の選定のポイントは下記など様々です。

<建物管理>

  • 経験と実績を持っている
  • マンション建物管理や修繕工事に強いノウハウを持っている

<賃貸管理>

  • きめ細かな賃貸管理のノウハウがある
  • 入居者募集に強い

マンションの管理会社は今後何十年にもわたってオーナーの方と二人三脚でマンション経営のサポートをしていく訳です。「建物管理」「賃貸管理」を合わせて持った不動産会社を選ぶ事も重要となってきます。

ワンルームマンションを購入する際にはこうした管理や業務内容についてもチェックしてみる事がマンション経営の成功のポイントとも言えるのではないでしょうか。

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