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2022年基準地価と不動産投資【プロが教える不動産投資コラム】

地価の動きとマンション価格は密接な関係にあります。

国土交通省から9月20日に2022年の基準地価が発表されましたので、地価の動きと今後の不動産投資市場について検証してみたいと思います。

不動産投資にも重要な基準地価とは

地価の指標として代表的なものは毎年1月1日現在の「公示地価」が有名ですが、さらに7月1日現在の「基準地価(都道府県地価調査)」があります。調査地点は異なる所もありますが、どちらも地価の動向を見るにあたって重要な指針となります。

マンション価格に占める土地の価格の割合は大きいものがあり、都心部などエリアによっては半分を超える場合もあります。つまり地価の上昇は今後発売されるマンション価格の上昇にもつながります。

逆に新規に発売されるマンション価格が上昇すれば周辺の中古マンション価格相場を押し上げる事にもなりますので、保有しているマンションの資産価値の上昇にもつながります。

地価は全用途で3年ぶりに上昇

新型コロナの影響で調整局面にあった地価は、2022年の基準地価では全国の全用途で3年ぶりに上昇となりました。地価の回復基調が全国に広がっている事が分かります。

三大都市圏(東京・大阪・名古屋)でも全用途で上昇となり、東京圏では上昇率も拡大しています。こうした地価上昇は不動産投資への期待効果もあり、今後の不動産投資がより活発になる可能性もあります。

またインバウンドがそれほど回復していないにも関わらずに地価が上昇を開始しているという事は、コロナ収束後にインバウンドが大きく増加すれば、地価もコロナ以前の上昇率に回復する可能性もあると言えます。筆者も街中で外国人の方を見かける機会が増えてきている感じがあります。

東京都の地価は上昇傾向に

東京の地価の動きを今回の基準地価から見てみましょう。

東京都の地価は住宅地が2021年の0.2%の上昇から1.6%の上昇と上昇率が拡大、商業地は0.3%の下落から2.0%の上昇へと2年ぶりに平均で上昇に転じました。

都区部では住宅地で0.5%の上昇から2.2%の上昇に、商業地では0.3%の下落から2.2%の上昇となりました。

2021年には都区部の商業地では下落のエリアも目立ちましたが、2020年には23区の全区で上昇となりました。東京都の地価は回復基調に転じた様相を見せています。

基準値化・東京都区部の地価変動率の推移

住宅地2021年2020年
東京都0.2%1.6%
東京都区部0.5%2.2%
区部都心部1.0%3.1%
区部南西部0.5%2.1%
区部北東部0.4%2.0%
多摩地域0.0%1.0%
商業地2021年2020年
東京都△0.3%2.0%
東京都区部△0.3%2.2%
区部都心部△0.9%1.5%
区部南西部0.3%2.8%
区部北東部0.2%2.8%
多摩地域0.0%1.5%
<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」より作成>

区部都心部:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区
区部南西部:品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、練馬区
区部北東部:墨田区、江東区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区

東京都心部の商業地の地価も回復基調に

都心三区(千代田・中央・港)及び新宿・渋谷区の住宅地の地価はいずれも上昇率が拡大し順調な回復を見せています。

同商業地は2021年には平均で下落しましたが2022年には上昇へ転じました。都心部の地価はコロナ発生以前に大きく地価が上昇した反動で地価下落率も高いエリアが多くありましたが、今回の公示地価ではこうした都心部の地価回復が鮮明となってきている事が分かります。

これはこうした都心部の再開発による就業人口の増加や交通利便性の向上など、東京都心部の様々なポテンシャルの上昇も要因と考えられます。

基準地価・東京都心3区及び新宿区、渋谷区の地価変動率の推移

住宅地2021年2020年
千代田区1.12.1
中央区1.14.0
港区1.82.9
新宿区1.03.7
渋谷区0.32.9
商業地
千代田区△1.20.3
中央区△1.90.0
港区△0.71.8
新宿区△1.81.9
渋谷区△0.61.2
<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」より作成>

東京23区の中で地価上昇率の高い区は?

東京都区部の地価上昇率が発表されました。これを上昇率の高い順位に並べてみると、住宅地では中央区が4.0%の上昇でトップとなり以下新宿区、中野区などが続きます。

また豊島区、荒川区、杉並区など都心周辺の住宅地の地価が上昇している事も特徴となっています。目新しい所では荒川区なども上昇しています。

基準値価・東京23区 <住宅地>地価上昇率ランキング

順位地価上昇率
1中央区4.0
2新宿区3.7
3中野区3.3
4豊島区3.3
5荒川区3.2
6杉並区3.1
7港区2.9
8文京区2.9
9品川区2.9
10渋谷区2.9
<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」より作成>

商業地では杉並区が3.8%の上昇でトップとなり、以下北区、中野区、荒川区などが続きます。都心部以外の商業地の地価がランキングの上位を占めている事が特徴です。

杉並区では「阿佐ヶ谷」駅近く商業地の地価上昇率が昨年の公示地価で上昇率1位となり、また今回の基準地価では「阿佐ヶ谷」駅や「高円寺」駅前の地点が4%以上の上昇となるなど地価の上昇が見られます。コロナ禍で地元に近い商店街などの地価が上昇している可能性があります。

都心部は大きく地価が上昇してきたので新型コロナの影響も大きくまだ回復の途上ですが、その周辺部の商業地の回復は早まっていると言えます。

基準値価・東京23区 <商業地>地価上昇率ランキング

順位地価上昇率
1杉並区3.8
2北区3.7
3中野区3.5
4荒川区3.5
5文京区3.3
6豊島区3.0
7品川区2.9
8足立区2.9
9墨田区2.8
10台東区2.7
<国土交通省「令和4年都道府県地価調査」より作成>

東京都の地点別の住宅地の地価上昇率トップは再開発の進む「中野」の地点

東京都区部の地価上昇率を地点別に見てみると、最も上昇率が高かったのは中野区の「新井二丁目」の地点です。大型の再開発の進む「中野駅北口」エリアに近い住宅街の広がるエリアです。中野では新駅舎の建設や中野サンプラザ建替えや中野区役所の移転など大型再開発により街が大きく変わってきており、こうした将来性から周辺の住宅地の地価が上昇していると考えられます。

2位は中央区の湾岸エリアである「晴海五丁目」は晴海ふ頭に位置し、周辺はタワーマンションが多く建ち並ぶエリアです。タワーマンションの用地需要から地価が上昇していると考えられます。

基準地価・東京都区部
<住宅地>地価上昇率ランキング

順位所在地「住居表示」上昇率
1中野区新井二丁目48番27「新井2-8-10」5.6%
2中央区晴海五丁目1番4「晴海5-1-9」4.7%
3新宿区戸山一丁目43番260「戸山1-7-4」4.5%
4豊島区高田三丁目770番1「高田3-32-7」4.4%
5江東区有明一丁目106番3外「有明1-3-17」4.3%
6新宿区南榎町70番24.3%
7新宿区市谷船河原町19番8外4.2%
8佃一丁目20番1外「佃1-5-7」4.2%
9新宿区新宿七丁目93番22外「新宿7-22-19」4.1%
10北新宿二丁目458番13「北新宿2-12-5」4.1%
<東京都「令和4年東京都基準地価格」より作成>

商業地の地価上昇地点は足立区・中野区に多くランキング

東京都区部の商業地の地価上昇率ランキング地点を見ると、1位、2位、4位が足立区の地点となっており、いずれも「北千住」駅周辺のエリアです。「北千住」駅は多くの路線が利用できる「交通利便性の高いエリア」で多くの大学も集積しています。

3位の中野区の地点は筆者の事務所の近くでもあります。中野サンプラザなど大規模再開発予定にも近く、また商業施設「中野ブロードウェイ」や商店街「中野サンモール」なども近く、平時でも人通りの多いエリアです。中野区の地点はベスト10の中に3地点がランキングしており、地価が大きく上昇してきている事が分かります。

8位の西日暮里の地点は「西日暮里」駅に近く、交通利便性の高さや東京駅周辺など再開発エリアにアクセスしやすい事などから地価が上昇していると考えらえます。

このように都心から周辺部に上昇エリアが拡大、特に東京東部や北部などに拡大する傾向にあり、こうしたエリアは今後マンション需要も増えていくと考えられます。

基準地価 東京都区部
<商業地>地価上昇率ランキング

順位所在地「住居表示」上昇率
1足立区千住三丁目70番26.2%
2足立区千住旭町45番2外「千住旭町40-22」6.0%
3中野区中野五丁目30番7「中野5-64-9」5.9%
4足立区千住仲町78番16「千住仲町24-2」5.4%
5荒川区東日暮里三丁目1338番1外「東日暮里3-43-9」5.3%
6中野区中央四丁目34番15「中央4-27-5」5.2%
7中野区新井一丁目91番6「新井1-2-12」5.1%
8荒川区西日暮里二丁目413番10「西日暮里2-26-10」5.1%
9荒川区南千住五丁目18番7「南千住5-37-3」5.1%
10板橋区板橋一丁目13番6外「板橋1-13-7」5.0%
<東京都「令和4年東京都基準地価格」より作成>

東京都心部の商業地の地価は回復となるか

東京都心部の地価は平均で上昇となっていますが、以前地価が下落となっている地点もあります。東京都区部商業地の地価下落地点ランキングを見ると中央区銀座が6地点となっている他、銀座に近い京橋や、東京駅に近い大手町、丸の内、日本橋などの地点が入っています。

こうした地点は都心でも再開発の進む一等地であり、就業人口が多く将来性の高いエリアです。ではなぜこうしたエリアの地価が下がっているかと言うと、これは新型コロナ以前までに大きく地価が上昇した反動で、新型コロナにより地価が一時的に調整局面に入っているからです。

実際には地価は高い水準で推移しており、下落率一位の「銀座7-3-14」の地点の地価を見ると、2017年には600万円/㎡でしたが、2019年には717万円まで大きく上昇し、2022年には再び600万円/㎡に戻っています。都心部の地価は一時的に調整局面となっても土地の価格は「高い水準」にある事が分かります。つまり地価はほぼ「高値のまま」という状態とも言えます。

さらに都心部の地価下落幅は縮小してきており、今後再開発の進捗とコロナの収束、インバウンドの復帰、「羽田空港アクセス線」などの交通アクセスの進歩などで地価は再び大きく上昇する可能性を秘めていると言えます。

つまり都心部は地価が下落した分だけ再び上昇する可能性があるという事が考えられます。

基準地価 東京都区部
<商業地>地価下落率ランキング

順位所在地「住居表示」上昇率
1中央区銀座七丁目102番19外「銀座7-3-14」▲2.3%
2中央区銀座六丁目4番13外「銀座6-8-3」▲0.7%
3中央区京橋二丁目4番5外「京橋2-4-15」▲0.7%
4中央区銀座七丁目205番14「銀座7-16-7」▲0.7%
5中央区銀座七丁目5番2外「銀座7-11-14」▲0.6%
6中央区銀座二丁目2番19外「銀座2-6-7」▲0.5%
7千代田区大手町一丁目5番39外「大手町1-8-1」▲0.4%
8千代田区丸の内三丁目2番外「丸の内3-3-1」▲0.4%
9中央区日本橋二丁目3番8外「日本橋2-3-18」▲0.2%
<東京都「令和4年東京都基準地価格」より作成>

基準地価
「銀座7-3-14」地点の地価の推移

2017年2019年2020年
基準地価6,000,000円/㎡7,170,000/㎡6,000,000円/㎡
<東京都「令和4年東京都基準地価格」より作成>

まとめ

このように東京都は都心部を始め周辺部などでも地価の回復が本格化してきている事が分かります。またインフレや円安により建築費も上昇してきており、マンション価格も上昇が続く可能性もあります。マンション価格が上昇すれば、利回りを確保するためにマンションの立地は都心から都心周辺に移行する傾向が強くなります。

実際に足立区など都心周辺の地価は上昇傾向にあり、都心にアクセスしやすい好立地のマンション用地の取得も難しくなってきている状況です。

こうした中で、将来のための資産形成をお考えの方はワンルームマンションの購入をご検討されるにも良い時期となってきているのではないでしょうか。

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