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将来に向けての投資を考える【プロが教える不動産投資コラム】

インフレが進み物価が大きく上昇する中で「将来に向けての備え」に関心が高まっています。将来のためにはどういった資産運用が適しているのか検証してみたいと思います。

岸田総理は「貯蓄から投資」への転換を推進

岸田総理は「資産所得倍増計画」を発表し、「貯蓄から投資」への転換を進めています。これは1,000兆円を超える家計の現金・預金が投資に回る事により企業の活性化からその恩恵が家計に及ぶ好循環を作る事を想定しています。

日本では一般的に「将来への備え」と言うと「貯蓄」、つまり「貯金」が多かったのではないでしょうか。日銀の発表した「資金循環統計」によると、家計の金融資産は増加傾向にあり2021年12月末には2,000兆円を超え、2022年9月末現在の家計の金融資産は2005兆円となりました。2021年12月末と比べて2022年9月は金融資産の総額が減少に転じていますが、これはコロナの終息とともに経済活動の再開により消費が上向きつつあるという見方もできます。

家計の金融資産の内訳を見てみると現金や預金などが多く54.8%と半分以上を占め、投資による資産は債務証券1.3%、投資信託4.3%、株式が9.8%とそれほど多くないのが現状です。

将来に向けての備えという点では投資の拡充が重要となってきます。投資による収益を得る事で、不足する将来への備えを補完する事にもなります。

資産所得を増やすには株式や投資信託などの利子や配当、不動産などからの収益などを増やす事が考えられます。また具体的な指針としてNISAやiDeCoの拡充が発表されています。

家計の金融資産総額

2021年
9月末
2021年
12月末
2022年
9月末
残高1,9892,0142,005
(単位:兆円)<日本銀行「2022年第3四半期の資金循環(速報)」より作成>

家計の金融資産の内訳(2022年9月末)

残高(兆円)割合
現金・預金1,10054.8%
債務証券261.3%
投資信託864.3%
株式等1969.8%
年金、保険、定型保証53926.9%
その他592.9%
合計2,005100.0%
<日本銀行「資金循環統計」より作成>

将来のための投資の組み立て方は「長期・分散」が基本

「将来の備え」のための資産形成には「長期・分散」という視点が重要となります。

「長期」という点では毎月少しずつ投資ができ長期的な運用に耐える事が重要です。さらに「分散投資」という視点から見れば、様々な投資を組み合わせる事でリスクも軽減されます。

では投資の種類について見てみましょう。

まず「株式投資」は「売却益」で利益を上げるには専門的知識と時間が必要になり、さらに長期の投資には不向きです。株式の「配当」で老後に備えるには大きな資金が必要となり、さらに企業の株価も長期的には変動しますので安定性という点は難しいと言えます。

投資には最近よく耳にする「暗号資産(仮想通貨)」もあります。暗号資産は市場のニーズによって資産価値の変動が激しく、また市場が熟成していない事もあり不安定な要素も多い分野です。

「投資信託」は株式や債券などの投資の銘柄を組み合わせたのです。ファンドマネージャーが運用し複数の銘柄が組み合わさっている事でリスクも軽減されます。

岸田総理はこうした株式や投資信託についての優遇措置を進めています。こうした制度についても見てみましょう。

NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)とは

NISAは「少額投資非課税制度」の事です。通常、投資などで得た利益は約20%の税金がかかりますが、NISAは一定内の範囲内の投資利益が非課税になります。

「一般NISA」「つみたてNISA」などがあり選ぶようになっています。

「一般NISA」は、株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。「つみたてNISA」は、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。

2024年からは制度が拡充された「新NISA」が始まります。「一般NISA」は「成長投資枠」につみたてNISAは「つみたて投資枠」となり併用も可能となります。

非課税期間が恒久化、年間投資額が「成長投資枠」が240万円、「つみたて投資枠」は120万円に拡大し、さらに生涯投資額が1800万円まで大幅に拡大されます。

NISAの拡充点

種別現行2024年1月以降
非課税期間一般5年間(2023年まで)恒久化
つみたて20年間(42年まで)恒久化
年間投資額一般120万円成長投資枠240万円(20万円/月)
つみたて40万円つみたて投資枠120万円(10万円/月)
一般600万円1800万円(うち成長投資枠1200万円)
つみたて800万円
「2023年税制大綱」より

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは

iDeCoとは確定拠出年金法に基づいて実施される私的年金の制度です。掛金、運用益、給付などに税制上の優遇措置が講じられます。運用先は運用管理機関が提示する運用商品の中から選び、原則として老齢給付金として60歳から受け取る事ができます。また60歳にならないと年金資産を引き出す事はできません。

運用は自分の選定・責任で行います。また元本保証がない商品もありますので将来的に利益が出るとは限りません。また様々な手数料がかかります。

iDeCoは2022年に拡充され、国民年金の加入者の方は65歳まで加入できるようになりました。また一定の条件の下で「企業型DC(企業型確定拠出年金)」との併用もできるようになりました。

投資の中心には「不動産投資」を据える

こうしたNISAやiDeCoなどは毎月少額を積み立てて将来の備えとしても有効です。しかし投資信託などは元本保証ではありませんので大きく値が下がったり元本割れする可能性もあります。

筆者がお勧めするのは、NISAやiDeCoなど様々な投資のメニューの中に「不動産投資」を組み入れる事です。

不動産投資は投資用の不動産をローンで購入し毎月の返済を家賃収入から支出するので実質的な支出は少なく、また支出のない場合もあります。また不動産からの賃料は一定しているので、「安定性」も高いと言えます。

ローンは毎月返済しますが、返済額の内「元金部分」は自分の資産を積立てている事になります。つまり賃料収入によって自分の資産が自動的に増え、最終的には不動産が自分の資産となる訳です。

積み立て型の信託投資を毎月1万円ずつ積み立てても30年後に得られるのは360万円+配当益となりますが、マンション投資では毎月差額1万円の支出としても30年間のローン返済が終了すれば何千万円もする収益不動産が自分の物になります。さらにそのマンションからの収益を毎月受け取る事ができます。

こうした安定した「不動産投資」を「投資の4番バッター」として据える事で将来に向けての安定した資産形成が可能になります。

「ふるさと納税」なども活用し、返礼品などに相当する額を投資に回してみてはいかがでしょうか。

インフレ時の「不動産投資」のメリットは?

現在は金融緩和政策も継続されており、金利は多少上昇していますがまだ史上最低水準にあると言えます。こうした中で預金をしても利息は少なく定期預金の金利は0.002%程度と非常に少ない状況です。インフレが続いていますので預金や現金で持っている資産は実質的に目減りしてしまいます。

「不動産投資」はインフレに強い投資と言われています。インフレにより物価が上昇すれば地価や不動産価格が上昇しマンションの資産価値も上昇する可能性も高いからです。景気が回復してくれば賃料水準の上昇や、賃貸需要の増加も期待できます。

ローンの借入をする場合、インフレで物価が上がれば実質的な借入額が減少します。

株式や投資信託などでは収益が安定しませんが、不動産による収益は賃料が決まっているので収益も安定性があり、利回りも物件によりますが表面利回りで3~4%程度が見込まれる事が多くなっています。

初期費用がそれほどかからないので、元手が少ない方でも収入や健康面など一定の条件を満たせば簡単に始める事ができます。

年金や貯金などは使ったらなくなってしまいますが、不動産から得られる収益は継続して得られますので「安心して使える資産」と言えます。

投資には「バランス感覚」が大切

「貯蓄から投資」へという考え方は確かに大切ですが、いつの時代でも一定の「現金」保有はとても重要となります。最低でも月の生活費の6か月分程度の貯蓄はいざという時の備えとなります。

また経済には一定の循環パターンがあり、それは簡単に言うとデフレ経済かインフレ経済かという事になります。株式投資や不動産投資はインフレにおいては強みを発揮しますがデフレ経済においてはその流れは逆になる訳です。

つまりあらゆる投資商品に投資する事も大切ですが、デフレ経済となった場合には最も力を発揮するのは「現金」となります。要は貯蓄も含めて「全体のバランス」を考えて投資を事が大切だという事です。

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