
「駅力」で資産価値が変わる! マンション投資で見逃せない“駅×街”の成長戦略
不動産投資において「資産価値」は最も重要な判断基準のひとつです。特にマンション投資では、築年数や設備以上に“立地”が価値を左右します。中でも近年注目されているのが「駅力」──駅周辺の再開発や利便性の向上が、マンションの資産価値を大きく押し上げる要因となっています。
本コラムでは、駅力が資産価値に与える影響を、鉄道会社の沿線開発、商業施設の誘致、健康面での利点など多角的な視点から解説。さらに、ターミナル駅周辺の“穴場エリア”や、今後伸びしろのある駅の見極め方まで、投資家が知っておくべき情報を網羅します。
駅とマンションの資産価値
(1)資産価値は不動産投資の最重要ポイント
これから不動産投資をしようとする方が一番気になる事の一つとして「資産価値」が挙げられると思います。もちろん上がるマンション、横ばいのマンション、下がるマンション、三者三様ですが、マンションの資産価値は様々な要素が複合的に絡み合いながら形成されていきます。
冷静に考えてみると新築のマンションが築50年を迎え、建物は劣化してきたのにも関わらず当初購入した金額よりなぜマンションの資産価値が上がるのかという疑問が芽生える訳です。
マンションの資産価値が上がる要素としては第一に「駅力」の上昇が挙げられます。
これは国土交通省による規制緩和、都市計画法の改正などにより駅及び駅周辺の再開発がよりしやすくなったという背景があります。昔の駅は単に電車に乗下車する事を目的とする場所に過ぎなかったですが、近年では駅の上層階のみならず駅の地下まで商業施設が続々と誕生し駅の魅力が高まってきています。
読者の皆様も駅上の代表的な商業施設としてルミネを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ルミネは特に女性に人気が高く、ルミネがある街は必然的に女性の住宅需要も多いのではないかと推察されます。実際筆者のオフィスのある中野駅においても再開発による駅上商業施設の工事が進んでいますが、そこにもルミネが誕生します。またルミネ系のニュウマンなども新宿だけでなく横浜や高輪などにも増えています。
(2)鉄道会社が沿線価値を高める時代へ
首都圏の鉄道会社が多くの企業と共同でその沿線上の街の資産価値を高める事業が加速しています。
例えば東急電鉄、小田急電鉄などは東京都の支援によりいわゆるスタートアップ企業、ロボット、Iotなど時代の先端を行く新しい事業会社誕生への後押しをしています。その結果、その沿線上に新しい企業が続々と誕生し沿線利用者・昼間人口、さらに居住人口の増加にもつながる訳です。
また鉄道高架事業の促進により、高架下にも様々な企業及び店舗を誘致します。例えば子育て支援や老若男女が集いやすい一つのコミュニティを形成する事により、より駅の利用価値の向上につながると考えられます。
その他に相鉄グループなどでは相鉄線沿線の駅周辺に飲食店の他、各種の教室、大学の施設などクリエイティブな想像力豊かな施設を誘致しています。
またインバウンドに特段人気のある浅草と押上の東京スカイツリーを船便で結ぶ施設が東武グループを中心に進められており、新たな観光需要の押し上げを計っています。
人気の中央沿線の東小金井駅と武蔵小金井駅の高架下は大きく変貌してきており、近年若者を中心に人気急上昇のクラフトビールの専門店をオープンしたり、武蔵小金井駅の高架下には新しく温泉もオープン予定があるようです。こうした施設をつくる事によりその駅そのものの社会的認知度が上がるという相乗効果も見込まれます。
このように駅中及び周辺の生活利便性だけではなく、魅力ある楽しめる街、出会いがある街、交流がある街とますます魅力が増していきます。
簡単に言うと商業施設が少なく駅から遠いマンションと、年々駅力を増す駅から徒歩10分のマンションの決定的な違いはそこに住みたいという人の絶対数です。
つまり魅力が増していけばそこに住みたいという住宅の購入・賃貸需要が増え、結果的にはそのマンションの資産価値を押し上げる訳です。いわば「他力本願型資産価値のアップ」とも言えます。
駅からの距離と健康とは
健康のためにも駅に近いマンションの価値が上がる時代になります。冒頭に述べた通り今年の夏はまさに命の危険すらよぎる水準となっています。猛暑の中、駅から遠くかなり歩かざるを得ない住宅に住むと駅に着くまでに熱中症になったり体力も大幅に消耗する訳です。しかも近年においてはバス便やタクシーも慢性的な人手不足を背景に利便性が低下傾向となっています。
駅の近くに住むとなぜ良いかと言うと、駅の近くには涼しい場所が多くあるからです。特に猛暑の最中、駅にたどり着くまでの時間が短ければ短い程身体へのダメージは低下する訳です。今年の夏の甲子園は日中の試合を避け、午前中や夕方以降の試合開催の運びとなっているようです。老若男女問わず自分の健康を守るためにも駅の近くに住みたいという需要が増えていくと考えられます。
駅の近くに人がたくさん集まってくると多くの商業施設の売り上げも上がりますので、さらに店舗賃料の上昇などを背景に周辺の地価や住宅価格の押し上げにもつながる可能性がある訳です。
魅力ある駅の条件とは
筆者は長年多くの駅を取材してきましたが、魅力ある駅の条件について考えてみました。
(1)できれば複数の路線が乗り入れている事
近年では鉄道の延伸計画や相互乗り入れにより乗降客数が格段に増える駅も散見され、そのような駅は新たな駅中商業施設の進出も期待されます。
(2)これはあくまでも理想ですが、サラリーマンの理想である楽々通勤ができる駅、つまり始発駅であるという事です。
(3)始発から終電まで多くの本数がある駅
(4)駅中には近代的な商業施設がある一方、駅周辺には下町風情の昭和のレトロ感が未だ醸し出されている駅。
(5)商業施設の他、公的機関、病院、金融機関などが併設されていれば日常生活における時間が有効利用できます。
このほかも様々な条件はあるかと思いますが、すべての条件を満たす必要はなく、居住される方にとって必要な要素があればいい訳です。
またよく昔から言われる言葉で「未完の大器」という言葉がありますがむしろこれからまだまだ伸びしろがあるという駅を狙う事も今後の資産価値の上昇を考慮すると面白いのではないかと考えます。
ターミナル駅から数駅離れた駅も狙い目
都心や郊外のターミナル駅には大規模な商業施設なども集積し多くの人流があります。また駅には多くの路線が乗り入れていますので、駅自体も大型となりホームから外に出るまでに何分もかかる場合もあります。
こうした大型の駅の隣の駅、または2駅位離れた駅も狙い目です。これはターミナル駅に隣接する駅は、意外と開発が進んでなく、昔ながらの商店街、住宅地などが残っている場合も多くあります。しも大型のターミナル駅まで数分ですので、ターミナル駅の利便性と静かな住環境の二つが同時に享受できる事になります。
さらに3駅位離れると今度は急行や快速などが停車する駅となり、また利便性も増します。こうして考えると郊外の利便性の高い駅の周辺などには、まだまだ穴場のエリアも多く存在するのではないでしょうか。
不動産、特にマンションは買う方、借りる方の中で圧倒的に重要視するのが利便性・資産価値です。今回述べた事が今後の皆様のマンション購入の参考にして頂ければ幸いです。