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最新金利動向と不動産市場に与える影響は【プロが教える不動産投資コラム】

2023年年明けは金利の動きについてのニュースを目にする事が多くなってきています。インフレや為替の変動についてのニュースも多くなってきており金利上昇の機運も高まりつつあります。

今回のコラムでは最新の金利の動向と不動産投資市場に与える影響について検証してみたいと思います。

2023年末から金利に動きが見られますが

住宅ローン・投資系ローンを始め私達の預金や、さらには企業の収益から日本経済の動向にも大きな影響のある「金利」は経済や市場などの動きによって変動する他、政府の方針などによっても変わります。一般的には景気が過熱局面には金利を上げて景気の過熱を防ぎ、景気が低迷局では金利を下げて景気上昇を狙います。

1990年のバブル崩壊以降、ITバブルと言われた時期など一時的に景気上昇期はありましたが長期的には景気の低迷が続いていると言えます。このため景気回復のために低金利政策が取られてきました。

2012年に発足した第二次安倍内閣でも金融機関が日銀に資金を預ける際の金利がマイナスとなる「マイナス金利」が実施されるなど低金利がより強化されました。現在の岸田内閣でも金融緩和政策は継続され低金利が続いています。

しかし昨年末の為替市場の変動が日本の金利動向にも影響が現れました。

金利と為替の関係は

2022年後半には円安が続き一時1ドル=150円と大きく円が低下しました。円安とは円の価値が下がる事を意味します。利上げの続く米国と金融緩和政策の続く日本の「金利差が拡大」していた事も円安の要因の一つと考えられていました。

このため国内でも金利上昇圧力が続き、2022年12月20日には超金利の許容変動幅を0.25%から0.5%に引き上げる発表がありました。

長期金利は日銀の許容幅上昇を受けて1月6日に0.5%にまで上昇しましたが、さらに1月13日には一時変動幅を超える0.545%まで上昇しました。円は13日には1ドル=127円台と円高水準となりました。

日銀のさらなる金融緩和との予測から国債を売る動きが広がり金利が上昇となりました。これに対して日銀は国債の買い入れ幅を増やし0.5%へ金利を低下へと導いています。

消費者物価は上昇傾向に

物価が上昇しインフレとなると金利は上昇する可能性も高くなっています。

総務省が発表した消費者物価指数(総合)は2022年12月には前年比4.0%上昇と41年ぶりに4%台となりました。さらに日銀が発表した2022年12月の企業物価指数は前年比10.2%の上昇と9カ月連続で過去最高を更新し、2022年の年間では前年比9.7%と過去最高となりました。企業物価は経済における一つの先行指標という見方ができますので、今後も物価が続く可能性もあります。

日銀は金融緩和終了の条件として「物価安定の目標」として消費者物価の前年比上昇率2%としています。現在物価は3%を超える上昇率が続いていますが、給与水準はそれほど上昇しているとは言えない状況です。また円安による輸入物価の上昇に加えて、新型コロナやウクライナ情勢による物価上昇要因もあります。

政府は2023年度の消費者物価上昇率は1.7%と予測しています。このため政府は金融緩和を継続し低金利は依然続くと考えられます。

2022年消費者物価指数(総合)前年比の推移

8月9月10月11月12月
前年比3.0%3.0%3.7%3.8%4.0%
<総務省「2020年基準消費者物価指数」より作成>

金利上昇の影響は

金利上昇にはメリット・デメリットがあります。

メリットとしては、金利上昇期には景気も上昇する事が多いので、既にマンションをお持ちの方は資産価値が上昇、賃料の上昇などの可能性もあります。

また景気上昇期は給与水準の上昇により投資家層・賃貸需要層それぞれ拡大し不動産投資市場が拡大する可能性もあります。

デメリットとしては金利上昇によりローン返済額が上昇する可能性があります。また新規に購入する場合は物価上昇に伴いマンション価格が上昇する可能性もあります。

つまりこうした物価・金利上昇期においては早く購入する程メリットが大きいと言えます。

金利上昇に備える

現在上昇傾向にあるのは主として長期金利でこれは固定型金利への影響があります。投資マンションのローンは変動金利型が多く主として短期金利に連動しています。短期金利は日銀によってコントロールされており依然低金が続いているので変動型ローンの金利は若干の上昇傾向にあるものの上昇幅はそれほど大きくはありません。

しかし景気は循環していますので将来的には金利が上昇する可能性もあります。金利が上昇すると返済額はどうなるでしょうか。不動産投資ローンに多い変動金利型の場合は、返済額の見直しが行われます。しかし返済額の上昇幅は上限が1.25倍までとなっており、急激な金利上昇期においても返済額が急増しない仕組みとなっています。

今後は金利上昇の可能性に備えて余裕を持った資金計画を立てる事や、もし返済額が大きく上昇した場合は返済プランを変更するなど柔軟な対応も必要になってくるかもしれません。

変動金利上昇のシナリオは

もし将来的に変動金利が大きく上昇するとしたら、そのシナリオは下記流れになると考えられます。

  1. 安定的な経済成長による物価上昇
  2. 賃金の上昇率が安定的に物価上昇を上回る
  3. 日本経済が復活へ→政府によるマイナス金利政策解除へ

但しこうした環境が整うにはかなりの時間が必要であると考えられます。また日銀の黒田総裁は2023年3月までが任期となっており、この間は日銀によるYCC(イールドカーブコントロール=金利操作)が続くものと見られています。

また日銀は1月18日の金融政策決定会合で大規模金融緩和の維持を決定しており低金利政策はしばらく続くと予想されます。

金利が上昇したら

では実際に金利が上昇したら返済額はどれ位上昇するでしょうか。

ここでは例として2%から2.2%へ0.2%上昇した場合を見てみましょう。

3,000万円借入(35年返済)の場合、金利2%では毎月返済額は9万9,378円ですが0.2%上昇して2.2%の場合は毎月返済額10万2,485円とわずか約3,000円の上昇に止まります。

過去の金利を見ると、例えば1980年代には投資用のローン金利が10%前後であった時期もありました。ちなみに金利10%の場合は3,000万円借入(35年返済)で毎月返済額は25万7,901円となりますので、いかに今が低金利であるかが分かります。バブル崩壊前までは賃貸収入を得る「インカムゲイン」ではなく売却益を得る「キャピタルゲイン」が主流で、短期間に売却すれば金利が高くても収益を上げる事が可能でした。

現在は歴史的に見ても金利は少々上昇しても「低金利圏」にあり、もちろん将来の事は未知数ですが、今後もしばらくは低金利のローンが利用できる時期であると言えます。

金利上昇に強い投資マンションの選び方は

マンション投資は長期的な投資ですので、今後の金利上昇に強く、インフレの恩恵を受けやすい物件を選ぶ事が大切となります。つまりインフレによって家賃や資産価値が上昇するマンションを選別する視点が重要となってきます。

金利上昇、すなわち景気上昇の恩恵を受けやすいマンションの条件は、下記などの条件が重要となってきています。

  1. 交通利便性、生活利便性の高いマンション
  2. 新線・再開発などにより将来性の高いエリアや沿線のマンション
  3. 長期間に渡って建物の居住性が維持されるマンション
  4. 最近の生活に沿った設備の充実したマンション

また信頼できる不動産会社が発売する投資物件はこれらの条件を満たしている事も多く、経験と実績のある会社を選ぶ事も重要となってきます。

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