高齢化社会の資産運用法は【プロが教える不動産投資コラム】
9月21日は「敬老の日」となります。お年寄りを敬う日ですが、高齢者の方も一昔と比べて大変増加しています。
一般的に高齢者と言うと65歳以上を指し、さらに75歳以上の方は後期高齢者と呼ばれています。日本には100歳以上の方がなんと8万人以上もいらっしゃいますので世界有数の高齢化社会といえます。
しかし医療の進化や栄養のバランス、さらに健康志向、大人の美容志向などの要因も含めて元気で若々しい60代、70代、さらに80代の方は多くいらっしゃいます。
こうした高齢者社会の資産運用法について考えてみたいと思います。
東京都の高齢者は311万人で4人に1人弱が65歳以上
それでは東京都における実情について検証してみたいと思います。
今から20年前の2000年には東京都の高齢者(65歳以上)数は188.2万人でしたが、2020年には311.1万人となっています。
2000年の65歳以上の割合は15.9%でしたが、2020年には23.3%に増加しています。
東京都の高齢者の割合は人口の4人に1人弱と非常に多くなっています。
また75歳以上が163.9万人で12.3%、80歳以上も100.7万人で7.6%なっています。 80歳以上の割合は20年前には39.6万人(3.3%)でしたので倍以上増えた事になります。
2020年の東京都の高齢者(65歳以上) 単位:万人
総人口 | 65歳以上 | 75歳以上 | 80歳以上 | |
---|---|---|---|---|
人数 | 1332.7 | 311.1 | 163.9 | 100.7 |
割合 | – | 23.3% | 12.3% | 7.6% |
高齢化が進む中で厳しい年金の将来像
こうした高齢化の進行により、年金や雇用などの社会保障制度は大きな転換期を迎えています。政府は今年3月に成立した改正高年齢者雇用安定法(施行は2021年4月)において希望するシニアに対して70歳まで働ける環境を講じるように働きかけています。
この背景にはなるべく長く働いてもらって厚生年金の受給年齢を高めたいという思惑が見え隠れします。
今回の新型コロナによりGPIFの運用実績も一時下降トレンドとなりました。今後の経済市況によっては年金受給環境は今よりも良くなるという保証はありません。それどころか高齢化により医療費は増加傾向となっており、一人当たりの年間の保険料も年々アップしています。
ちなみに健康保険料は2018年に49万3,854円と2008年度と比べて28%も上昇しています。2022年度にはさらに上昇する見込みとなっています。
私的年金の準備が必要な時代に
つまり働く現役世代にとっても年金を受給できるシニア世代にとっても双方に厳しい時代であるという事です。
さらに今回のコロナで在宅勤務になり、交通費がなくなり、所定外給与も減額され、これらの二つの要因は年金の算定基準の中に入りますので、当然の事ながら将来受給できる年金もマイナスの意味で影響を受ける訳です。
そのような状況を回避するためには、現役世代ではローンを上手く利用して不動産投資をする、またシニア層は潤沢な現金を運用して不動産投資をする、など様々な方策が求められます。
どうして東京のワンルームマンション投資が有利なのか
このように高齢者による社会保障不安の中で自助努力が求められる社会となってきている中で、様々な資産運用法の中でも特にシニア層の方にも「ワンルームマンション投資」が注目を集めています。
その中でも特に「東京」エリアを対象とするワンルームマンション投資が有利と言われています。
これは実は将来の世帯構造に着目した、将来性の高い投資であるからです。 東京の世帯類型別に世帯割合を表したのが次の表となります。
東京都の世帯の種類の割合は?
単独 | 夫婦のみ | 夫婦と子供 | ひとり親と子供 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|
2020年 | 48.3% | 16.8% | 22.9% | 7.6% | 4.4% |
ワンルームマンションの入居者となる単独世帯の割合は48.3%となり、東京都の全世帯の半数近くであるという事です。
さらに単身世帯の割合は将来的にも増加し、2020年には339万人ですが2040年には369万人と将来的にも増加が続くと予測されています。今後20年間で30万人も増える訳です。それだけワンルームマンションの需要も多いと考えられます。
東京都の単独世帯数の予測 単位:万人
2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 | |
---|---|---|---|---|---|
単独者世帯数 | 339.0 | 351.4 | 358.6 | 364.8 | 369.7 |
東京都の高齢化を検証して見ると
東京都の高齢化についてその内容を詳細に検証して見ると二つの事が浮かび上がってきます。
まず2000年と比べて確かに65歳以上の方の人口割合は増えていますが、15歳から64歳のいわゆる生産労働人口は2000年の約850万人から2020年には約866万人と増加している事が分かります。つまり高齢化は進行しますが生産労働人口が減少した訳ではないという事です。
さらに同じ高齢化の割合でも区部と市町村部ではまたその数字の内容が変わってきます。
区部と比べて市町村部の方が高齢化のスピードが高くなっています。
東京都の年齢別人口の推移
2000年 | 2020年 | |
---|---|---|
15-64歳人口 | 850.1万人 | 868.8万人 |
65歳以上人口 | 188.2万人 | 311.1万人 |
東京都のエリア別高齢化率(65歳以上の割合)の推移
2000年 | 2020年 | |
---|---|---|
区部 | 16.6% | 22..2% |
市町村部 | 14.6% | 25.8% |
2000年と比べて2020年は高齢者の割合は高まっていますが、この20年間に約150万人も東京都は人口が増えています。 つまり東京都区部においては高齢化も進んでいますが都心部に若い方の流入が多いという事が分かります。
全国的には東京都は最も高齢化率が低い
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2040年には全国の高齢化率が44.2%となると予想されています。しかし東京都は転入人口が多く、その転入者の内訳も若い世代の方が多いので高齢化の進行も他の都市と比べて緩やかになってきています。
2040年には最も高齢化率が高い県は秋田県で57.1にもなりますが、東京都は最も高齢化率が低く36.3%と予想されています。 つまりそれだけ東京都には若い世代が多く集まり、都市の経済力も高いという事が言えます。
2040年の高齢化率ランキング
都道府県 | 高齢化率 | |
---|---|---|
1位 | 秋田 | 57.1% |
2位 | 青森 | 53.6% |
3位 | 山梨 | 51.9% |
47位 | 東京 | 36.3% |
このように全国的に見れば高齢化が進んでいきますが、東京都におけるワンルームマンション投資は非常に将来性も高く、安定した将来のための投資と言えるのではないでしょうか。