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最新地価動向と不動産投資の行方【プロが教える不動産投資コラム】

マンション投資をする際に、当然の事ながらマンションの価格が大切な要素です。マンション価格を構成する要素としては建築費のほかに土地価格があります。建築費は日本の地域によって格差が出る事は稀です。しかし地価は建設される場所において様々な要因によってその価値は変動します。

今回国土交通省がまとめた2020年の基準地価(7月1日現在)での動向を踏まえて今後の不動産投資市場の行方について考察してみたいと思います。

基準地価とは

「基準地価」とは法令に基づき都道府県知事が毎年7月1日時点における標準価格を判定するものです。土地取引規制に際しての価格審査や地方公共団体等による買収価格の算定の規準となることにより、適正な地価の形成を図ることを目的としています。「都道府県地価調査」という名称ですが、一般的に「基準地価」と呼ばれ、毎年9月の終わり頃に発表されます。

今回の基準地価の動向の特色としては、新型コロナの影響が表れ始め、全国平均が3年ぶりに下落に転じた事です。

東京の地価はコロナ渦においても上昇傾向

それでは東京都の地価動向を見てみましょう。

住宅地で見ると東京23区が2019年の4.6%上昇から2020年は1.4%上昇に縮小しています。

2020年基準地価 東京都の地域別変動率

住宅地2019年2020年
東京都2.6%0.2%
東京都区部4.6%1.4%
商業地2019年2020年
東京都7.0%1.4%
東京都区部8.4%1.8%
国土交通省「令和2年都道府県地下調査」

東京23区の全てのエリアで地価が上昇しましたが、東京都の住宅地の上昇率最高地点は赤坂1丁目の地点で上昇率は4.2%となり、上昇率5%を超えたエリアはありませんでした。

商業地では東京都区部は前年の8.4%の上昇から1.8%の上昇となりました。上昇率は大きく縮小しましたが、依然上昇傾向は維持されています。

東京都2020年基準地価上昇率ランキング

順位住宅地上昇率
1位港区赤坂14.2%
2位新宿区市谷甲良町14.0%
3位板橋区徳丸33.6%
順位商業地上昇率
1位港区虎ノ門19.1%
2位港区高輪27.6%
3位港区西新橋27.6%
東京都「令和2年東京都基準値価格」

地価動向はコロナによる大きな影響が

新型コロナの影響により大幅なインバウンドの減少、それに伴いホテル建設用地の需要減退、在宅勤務、テレワーク、外出控えなどにより、飲食店を中心とした商業店舗の売り上げ減少などからコロナを主要因として地価が下落に転じました。

アベノミクス開始以来、地価は右上がりで上昇してきましたが、ここで一旦上昇から横ばいもしくは地域によっては下落という地価の二極化・三極化の様相を呈しています。

しかし政府によるGO TO キャンペーン、GO TO EAT キャンペーンなどを始めとする様々な景気回復政策の経済効果はこれから顕在化していきます。さらにキャンペーンの追加などの期待で商業施設の活性化により地価が盛り返してくる可能性も多いにあります。

新型コロナが落ち着くまで政府の景気対策は持続的に続くと思われますので、地価の下落は歯止めがかかるのではないでしょうか。

今後の地価動向のキーワードは外資マネー

今までは訪日客や政府による大規模な経済対策・金融緩和などが地価を上昇させる要因の一つで、さらにノルウェーの年金ファンドが一つの例ですが、海外からのいわゆる巨大な外資マネーが東京を中心とする大都市圏に流入した事も大きな要因となりました。

このような状況の中で、不動産サービス大手JLLによると今年上半期の日本への投資は昨年よりもむしろ増えているという調査報告もあります。

この背景には、海外の投資家・期間投資家は日本の不動産に対してどのような考え方があるかと言うと、「アセットプロテクョン」、いわゆる資産の保全の対象としての価値を見極めている事です。

例えば日本は今回のコロナでもいわゆる都市封鎖はしないで経済への影響も最小限度で食い止める事ができたという国策に対する評価、さらにスピーディーな経済対策など資産の保全として価値のある国という評価です。

このような考え方は今後も変わらず続くと考えられます。

海外からのマネーの流入が下支えとなり大都市圏の地価は安定的に推移すると考えられます。コロナという背景がありますが、2021年の東京五輪に向けて海外からのホテルの投資なども活性化してきています。先日は新宿の都庁近くに外国のブランドホテル、キンプトンホテルが開業しました。これはほんの一例ですが、今後も続々と建設されます。

基準地価と不動産投資の関係は

今回の地価の動向が不動産投資に対してどのような影響をもたらすのでしょうか。

東京都の基準地価の動向を見てみると住宅地で0.2%上昇、商業地で1.4%上昇となっています。この新型コロナ渦においても、上昇率自体は低下しましたが、上昇している事には変わりはないという東京の地価の「底堅さ」を感じざるを得ません。

新型コロナの影響を受けた対象は店舗を中心とする商業施設のあるエリアでしたが、底堅いのはいわゆる「実需」を伴う土地です。例えばワンルームマンションは投資家が購入して学生さんや社会人が賃貸で借りるという形態ですが、これもいわゆる「住まい」として利用されている訳ですから、「実需」という考え方ができます。

店舗賃料は来客件数や売り上げによって左右されますが、「実需」を伴う不動産の地価は安定度が高いという事が言えます。

つまり同じ商業地の地価でもその対象物の違いにより地価の動きも変わるという事ではないでしょうか。

地価変動はサイクルを繰り返す

一般的に地価動向は「上昇→安定→下落→安定→上昇」などの一つのサイクルの中で中長期的に変動していく傾向があります。一本調子でずっと上がるという事はありえませんしずっと下がり続ける事もありません。

地価は経済的なマクロの要因や地域による人口の増減、老齢化のスピード、さらに官民に渡る再開発、外資マネーの流入、税制の変化など様々な要素が有機的に絡み合って構成されていきます。

ワクチンが開発されコロナの不安が払拭された後には、元の成長軌道に戻り再び首都圏を中心とする地価は上昇トレンドに入る可能性が高いと考えます。 今後不動産投資をする方は社会的変動、経済的変動に強いエリアの不動産を選択する事が極めて大切ではないかと考えます。

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