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最新! 世帯数の将来予想と不動産投資【プロが教える不動産投資】

将来の世帯の様子は将来どう変わっていくのでしょうか。世帯数の動向は不動産投資のみならず日本の経済にも大きな影響を与えます。

国立社会保障・人口問題研究所から発表された最新データである「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)を基に、将来の世帯の動きと不動産投資について検証してみたいと思います。

世帯数は将来的に増加の後に減少に

2020年には日本の世帯は5,570万世帯となっていますが、今後の日本の世帯数は2030年にかけて5,773万世帯にまで増加し、その後はゆるやかに減少していく事が予想されています。

都道府県別では2045年から2050年にかけては全ての都道府県で世帯数が減少になりますが、7都県(東京、沖縄、埼玉、千葉、愛知、神奈川、滋賀)では2020年よりも増加となります。

◼︎全国の一般世帯数の推移

2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年
総世帯数5,570.5万5,727.3万5,773.2万5,726.2万5,608.0万5,441.6万5,260.7万
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

(単位:世帯)

◼︎2050年に世帯数が増加している7都県の世帯数の推移

2020年2050年
東京都721.7万世帯792.8万世帯
沖縄県61.3万世帯67.0万世帯
埼玉県315.8万世帯322.6万世帯
千葉県276.8万世帯284.8万世帯
愛知県323.3万世帯328.9万世帯
神奈川県421.0万世帯427.4万世帯
滋賀県57.1万世帯58.0万世帯
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

次にワンルームマンションなどの賃貸需要層となる単身世帯について見てみると、2020年に全国の単身世帯は2,115万世帯ですが、2035年の2,450万世帯まで増加しその後少しずつ減少すると見られています。

2050年の時点でも単身世帯は2,330万世帯と2020年よりも200万世帯以上増加します。

◼︎全国の単身世帯の割合

2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年
単身世帯数2,115.1万2,296.2万2,403.6万2,450.3万2,441.8万2,390.2万2,330.1万
単身世帯割合38.0%40.1%41.6%42.8%43.5%43.9%44.3%
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

(単位:世帯)

世帯種類の割合を見てみると、2020年には単身世帯が最も多く全国で38.0%ですが、2050年には44.3%にまで増加すると見られています。

つまり全国的には将来的に単身世帯の割合が半数に近づいていく事が予想されています。

◼︎2050年の家族類型別の割合

家族種類2020年2050年
単身世帯38.0%44.3% 
夫婦のみ20.1%18.9% 
夫婦と子25.2%21.5% 
ひとり親と子9.0%9.2% 
その他7.7%6.1% 
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

東京都の世帯数の将来予想は

次に東京都の世帯動向について見てみましょう。東京都の一般世帯数は2020年には721万世帯ですが増加傾向にあり2045年には796万世帯にまで増加、その後減少となる事が予想されています。

全国の世帯数よりもピークとなる時期が遅く、今後20年以上も世帯数は増加が続くと予想されている訳です。

◼︎東京都の一般世帯数の将来推移

2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年
一般世帯数721.7万751.3万771.0万786.3万795.5万796.5万792.8万
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

東京都の単身世帯の動向は

次に東京都の単身世帯数の推移を見てみると、2020年には東京都の単身世帯は約362万世帯でしたが今後増加傾向が続き、2030年には404万世帯と400万世帯を超えます。その後も増加が続き2045年は429.7万世帯まで増加します。2050年には若干減少するものの429.1万世帯となり2020年よりも66.5万世帯増加する事が予想されます。

さらに東京都の単身世帯の割合を見ると2020年には50.2%と既に半数以上が単身世帯となっていますが、単身世帯割合は増加が続き2050年には54.1%となる事が予想されています。2050年年時点での単身世帯割合は東京都が最も高く、東京都の単身世帯割合が非常に高い事が分かります。

◼︎東京都の一般世帯数の推移

2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年
単身世帯数362.6万387.6万404.3万418.5万427.6万429.7万429.1万
単身世帯割合50.2%51.6%52.4%53.2%53.7%53.9%54.1%
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

東京都の世帯の種類は

東京都の世帯種類の割合について見てみましょう。2020年時点で東京都の世帯種類で最も多いのは単身世帯で、次に「夫婦と子」の世帯、「夫婦のみ」世帯が続きます。

2050年ではこの順位は変わりませんが「夫婦と子」の世帯割合は2020年の22.0%から2050年には19.1%へ減少します。また「夫婦のみ」世帯も2020年の16.4%から15.8%に減少します。東京都では単身世帯が増加する傾向が強くなっているようです。

◼︎東京都の世帯種類の推移

単独世帯夫婦のみ夫婦と子一人親と子その他
2020年50.2%16.4%22.0%7.3%4.0%
2050年54.1%15.8%19.1%7.5%3.5%
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

世帯人員の数を見て見ると、2020年には全国では2.21人と2人を超えていますが、以降減少傾向が続き2035年には1.97人と2人を割り込み、2050には1.92人にまで低下します。

東京都では2020年ですでに1.92人と2人を割り込んでいますが、以降も減少傾向にあり2050年には1.78人にまで減少すると予想されています。

東京の世帯人員は全国と比較して少ない傾向にある事が分かります。

また全国では2050年に世帯人員が1.92人となりますが、東京都ではすでに2020年に1.92人となっており、東京都では全国よりも世帯人員の減少が30年進んでいると言えます。

◼︎世帯人員数の推移

2020年2025年2030年2035年2040年2045年2050年
全国2.21人2.10人2.02人1.97人1.94人1.93人1.92人
東京都1.92人1.86人1.83人1.81人1.79人1.78人1.78人
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

東京都の単身世帯を世帯主の年齢層別に見ると

東京都では単身世帯が多い事が分かりますが、さらに単身世帯の世帯主の年齢別に見てみたいと思います。

2020年時点で単身世帯数の中で多いのは世帯主が20~29歳の世帯で約50万世帯、次いで20~24歳の世帯が37万世帯、30~34歳の世帯が36万世帯と続きます。

2050年には世帯数は若干減少しますが、最も多いボリュームゾーンは変わらず20~34歳の若い世帯が最も多くなります。

また割合を見ると2020年には25~29歳の世代が13.9%、20~24歳が10.3%、30~34歳が10.0%でこの世代で約34%となり全体の3分の1を占める事になります。2050年には若干割合が減少しますが、20~34歳の世帯が最も多い事や20~34歳の年齢層の割合が最も多いなどは変わりません。

東京都ではこうした若い世代の単身世帯が増加し、ワンルームマンションの需要層も将来的に増加していくと予想されます。

<東京都>単独世帯数の将来推移

◼︎世帯主の年齢別の世帯数の予測推移

2020年2030年2040年2050年
総数3,625,8104,042,6034,275,9254,291,190
15~19歳37,74133,48030,12233,537
20~24歳372,516387,163386,759367,704
25~29歳504,535529,735561,326489,991
30~34歳362,340420,364408,661390,086
35~39歳288,133336,681322,018329,544
40~44歳257,452262,322280,660264,806
45~49歳274,826229,748230,592216,176
50~54歳252,072238,150212,542223,411
55~59歳216,085291,682243,769241,120
60~64歳170,468278,341278,550251,739
65~69歳174,162228,722326,572276,117
70~74歳208,156180,524302,545306,672
75~79歳171,433172,071226,803324,493
80~84歳148,625182,110150,577238,042
85歳以上187,266143,982137,402171,381
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

◼︎世帯主の年齢別の世帯割合の予測推移

2020年2030年2040年2050年
総数100100 100 100 
15~19歳1.00.8 0.7 0.8 
20~24歳10.39.6 9.0 8.6 
25~29歳13.913.1 13.1 11.4 
30~34歳10.010.4 9.6 9.1 
35~39歳7.98.3 7.5 7.7 
40~44歳7.16.5 6.6 6.2 
45~49歳7.65.7 5.4 5.0 
50~54歳7.05.9 5.0 5.2 
55~59歳6.07.2 5.7 5.6 
60~64歳4.76.9 6.5 5.9 
65~69歳4.85.7 7.6 6.4 
70~74歳5.74.5 7.1 7.1 
75~79歳4.74.3 5.3 7.6 
80~84歳4.14.5 3.5 5.5 
85歳以上5.23.6 3.2 4.0 
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

高齢単独世帯が増加

では次に高齢化の動向について見てみましょう。

将来的には単身世帯の高齢化も進んでいくと予想されますが、その進行は都道府県によっても差があります。65歳以上の単身世帯の割合割合を見ると、全国では20.6%となっていますが、東京都では18.7%と、福井県の18.6%に次いで低くなっています。ちなみに最も高いのは高知県で27%となり、高知県では単身世帯の30%近くが65歳以上となると予想されています。福井県が最も低い事は意外に思えるかもしれませんが、これは子供との同居率が高い事なども要因と考えられます。

このように高齢化にも差が出る要因として、東京都は若い世代の転入も多くなっている事などが挙げられます。

◼︎65歳以上の単身世帯割合の低い都道府県ランキング

順位都道府県単身世帯における世帯主が65歳以上の割合
1福井県18.6%
2東京都18.7%
3山形県19.0%
4愛知県19.0%
5滋賀県19.1%
<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」(令和6(2024)年推計)>

以上のデータを検証してみると、東京では若い単身世帯が多く、ワンルームマンション投資の立地としても適していると考えられます。また単身世帯の中でも高齢化が少ない事も特長です。

こうした要因として東京都には多く企業があり就業人口が多い事、再開発が進行しており今後も大きな発展が見込まれ「街が成長している」事、また女性の就業の場も多くあり女性の就業者が多い事などが挙げられます。東京都は流入人口も多く「街が人を吸い寄せる吸引力」も高いと言えます。

今後もワンルームマンション投資の立地として東京は将来性が高いと考えられます。

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