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プロスポーツ史上最高額“0.1兆円超”の大谷翔平 税金や復帰後の契約金、稼いだお金の使い道は?

打者と投手の“二刀流”プレイヤーとして活躍するロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手。メジャーリーグで日本人初の本塁打王に輝くなど、数々の偉業を成し遂げています。

昨年9月19日(日本時間20日)には右肘の手術を受けましたが、大谷選手は今後も二刀流を続けることを希望しているとのこと。今シーズンは開幕からバッターとして復帰、ピッチャーとしては2025年シーズンから復帰する見通しが報じられています。

そんな大谷選手の功績は当然金銭面にも反映されており、Forbes JAPANが昨年3月に発表した大リーグ選手の2023年シーズンの収入ランキングでは第一位に。最も稼ぐ野球選手としても知られています。

さらに、昨年12月9日(日本時間10日)にはドジャースとの契約合意が報じられ、プロスポーツ史上最高の契約額が注目を浴びました。

本記事では、大谷翔平選手の年収や税金、お金の使い道や資産運用事情などについて解説します。

大谷選手とドジャースの契約金は?

Forbesの見積もりによると、大谷選手の前シーズンの総収入額は6500万ドル(約95億円※)。その内訳は、エンゼルスとの契約による年俸3000万ドル(約44億円)とスポンサー収入3500万ドル(約51億円)です。一流の野球選手であると同時に、広告に起用した場合の商業効果も大きく、BOSSやNew Balance、コーセーなど大手企業17社との契約を結んでいます。

※1ドル145.40円(1月11日8時時点)の場合、以下同様

前シーズンが終了した翌日には大リーグのエンゼルスからFA(フリーエージェント;あらゆる球団と選手契約を結べる権利)となり、昨年12月9日にはドジャースに移籍したことが報じられた大谷選手。

その契約総額はなんと10年で7億ドル(約1018億円)。二刀流復帰が2025年だと見込まれているにもかかわらず、世界のスポーツ界全体において史上最大となる巨大契約が成立しました。

世間を驚かせたのは契約金額の大きさだけではありません。総額のおよそ97%を契約終了後(2034年から2043年の10年間)の後払いにする異例の形式も報じられています。とはいえ、数字としては年換算で7000万ドル(約102億円)。収入の大幅アップにつながることは間違いありません。

支払う税金は約29億円増加

大谷選手の前シーズンの年俸(3000万ドル)は、2022年の年俸550万ドルからたったの1年で約5.5倍に増加し、今シーズン(年換算)でさらに2.3倍に増加しましたが、税金はどのくらい増加したのでしょうか。

大谷選手は現在、エンゼルスの本拠地であるアメリカ・カリフォルニア州のアーバインという街に住んでいるようです。日本国内に住所のない「非居住者」であるため、日本国内で獲得した所得を除き、海外居住地の法律に従って税金を納めることになります。

アメリカでは滞在期間が183日を超えると所得税が課税され、さらにカリフォルニア州に住んでいる場合は州税が課税されます。大谷選手の場合、米国連邦所得税は最高税率の37%、カリフォルニア州税は最高税率の12.3%が適用されます。

年俸を事業利益(課税所得)、控除項目をないものと仮定して税金額を算定してみましょう。

■前々シーズンの税金:年俸550万ドルで計算

米国連邦所得税:174,238.25ドル+37%×(550万ドル-578,125ドル)=1,995,332ドル≒約200万ドル
カリフォルニア州税:65,835.52ドル+12.3%×(550万ドル-677,275ドル)≒659,031ドル≒約66万ドル

※上記を合わせると約266万ドル(約4億円)となります。

■前シーズンの税金:年俸3000万ドルで計算

米国連邦所得税:174,238.25ドル+37%×(3000万ドル-578,125ドル)=11,060,332ドル≒約1106万ドル
カリフォルニア州税:65,835.52ドル+12.3%×(3000万ドル-677,275ドル)≒3,672,531ドル≒約367万ドル

※上記を合わせると約1473万ドル(約21億円)となり、前々シーズンと比較したときの税金額は約1207万ドル(約18億円)の増加です。

■今シーズンの税金:年俸7000万ドルに換算して計算

米国連邦所得税:174,238.25ドル+37%×(7000万ドル-578,125ドル)=25,860,332ドル≒約2586万ドル
カリフォルニア州税:65,835.52ドル+12.3%×(7000万ドル-677,275ドル)≒8,592,531ドル≒約859万ドル

※上記を合わせると約3445万ドル(約50億円)となり、前シーズンと比較したときの税金額は約1972万ドル(約29億円)の増加です。

参考:
米国 税制 – 日本貿易復興機構
C2022 540NR Booklet – alifornia FTB

なお、実際には11年目以降の後払い形式が適用されるため、カリフォルニア州では税収に関する議論が巻き起こっています。現行の法律では大谷選手が11年目以降に他の州に移住すると税金を安くできることになるため、同州は税収を失うことになるでしょう。かつ税制における不均衡が生まれるとして、法改正を求める動きが起こっています。今後の展開に注目です。

ストイックすぎる大谷選手のマネー事情

米メジャーリーグには、10年在籍すると62歳から年21万ドルがもらえる手厚い年金制度が存在します。大谷翔平選手の生涯賃金はこの年金を含めて「1500億円を超えそうだ」とスポーツ紙の記者が予測しています。「ユースフル労働統計2022」にて推計された日本人の生涯賃金約2億円〜3億円と比較すると、天文学的数字であることが分かります。

そうなると気になるのがお金の使い道ですが、メディアで触れられることも多いように、大谷選手はお金への執着や物欲があまりないと言われています。家賃50万円の賃貸物件に住んでおり、洋服や車はスポンサーから提供されたものを使用しているなど、自身で何かを購入することはほとんどないようです。

自宅と球場を往復する日々で外食もあまりせず、「趣味は睡眠」と答えていることから、豪遊している様子もありません。

スポーツ選手の中には現役時代や引退後に株式や不動産への投資を行う選手もいるものの、スポーツライターの梅田香子氏曰く大谷選手は投資にも興味がないそう。日ハム時代は母の加代子さんに金銭管理を任せていたという大谷選手は節税にも関心がなく、税金の管理はほぼエージェントに任せているとのことです。

しかし、一般的な日本社会においては近年、政府が「貯蓄から投資へ」の経済政策を掲げていることもあり、「投資」という資産形成の手段が徐々に普及しつつあります。人生100年時代を生き抜くためには、お金と長く、そして上手に付き合っていくことが大切です。老後もゆとりのある生活を送れるように、資産を計画的に増やすための投資を少しずつ学び、金融リテラシーを高めていきたいですね。

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