1. HOME
  2. お金とエンタメ
  3. 推定年収10億? トップYouTuberヒカキンに学ぶ「単一の収入源に依存しないこと」の大切さ

推定年収10億? トップYouTuberヒカキンに学ぶ「単一の収入源に依存しないこと」の大切さ

日本のYouTube界のパイオニア的存在で、老若男女を問わず幅広い層に支持される唯一無二のポジションを確立しているヒカキンさん。今や知らない人はほとんどいないであろう「国民的YouTuber」です。

登録者数1890万人超の「HikakinTV」のほか、ゲーム実況を行う「HikakinGames」、プライベートなど気軽な動画を不定期で投稿する「HikakinBlog」、音楽関連の動画を投稿する「HIKAKIN」の4つのYouTubeチャンネルを運営しており、動画の総アクセス数は180億回(HikakinTV概要欄より/2024年8月時点)。2011年7月にYouTuberへの動画投稿を開始し、現在では日本を代表するトップYouTuberへと登り詰めました。

そんなヒカキンさんですが、YouTube以外にもさまざまな事業を手がけていることをご存知でしょうか?実は、自身が所属しているYouTubeタレント事務所「UUUM株式会社」のファウンダーおよび最高顧問を務めると共に、コラボ商品のプロデュースやテレビ番組への出演などさまざまな収入源を確立していることでも有名なんです。

本記事ではヒカキンさんの年収や収入源など気になる“懐事情”に迫ります。

主な収入源はYouTubeの広告収入◯億円

ご存知のとおり、ヒカキンさんの主な収入源はYouTubeチャンネルからの収入です。

YouTubeで収益を得る主な方法は2パターンあり、1つ目がGoogleアドセンスからの広告収入です。

YouTubeの運営元であるGoogleから動画投稿者に対し、再生回数に応じて報酬が支払われます。その金額は動画の再生数・チャンネルの登録者数・動画のジャンルなどによって変動しますが、一般的には「1再生あたり0.05〜0.1円(UUUM所属の場合は0.26~0.3円程度)」「10円×チャンネル登録者数」などと言われています。

ヒカキンさん自身は金額を公開していませんが、独自調査を行っている「YouTuber世論調査」によると、2023年度の広告収入(年収)は5億円超えと推定されています。

2つ目が、企業とのタイアップによる収入です。

いわゆる「企業案件」と呼ばれるもので、コラボをした企業から動画制作費やPR費用が支払われます。企業の依頼を受けて商品・サービスの紹介やレビューを行った動画を投稿し、宣伝効果の対価として収入を得る方法です。

その金額は商材や動画の長さなど条件によって変動しますが、一般的には「2〜5円×チャンネル登録者数」と言われています。ヒカキンさんの場合は、1本の動画で3,780万円(2円×1890万人で計算)以上の収入があると推定できるでしょう。

その他、動画内で紹介した商品のアフィリエイト収益(アフィリエイトリンクを概要欄に貼り、購入に至ると報酬が支払われる仕組み)や、ライブ配信のスーパーチャット機能による収益(視聴者が配信者に対してコメントと一緒に送ることができるいわゆる“投げ銭”)なども挙げられます。

熱狂的ファンを抱えるヒカキンのタレント戦略

ヒカキンさんは今年でYouTuber歴13年目を迎えました。

炎上系や迷惑系など一時のバズを狙った動画ではなく、みんなが笑顔になれるような面白いコンテンツを制作している王道のYouYuberです。以前は動画をほぼ毎日投稿しており、第一子が誕生した今でも月に5〜7本(およそ5日に1本)ほどの頻度で動画を投稿し続けています。

そんなYouTubeに対する真摯な向き合い方やファンへの神対応など人柄の良さで、子どもから大人まで幅広い層に支持されているヒカキンさん。彼の絶大な影響力はYouTubeだけでなく、テレビやCMなどのマスメディアやマーケティングの領域でも発揮されています。

例えば、2023年5月に発売され全国で売り切れ店舗が続出したカップ麺「みそきん」。ヒカキンさんによる初のオリジナルブランド「HIKAKIN PREMIUM」のプロデュース商品です。

販売がスタートすると瞬く間に完売し、その売れ行きはヒカキンさんが想定していた100倍のスピードだったのだとか。フリマアプリでは定価の2倍以上の金額で高額転売される事態になり、購入個数の制限を行う店舗も出現しました。

同年8月に再販されると、こちらも再び即完売。さらに今年5月に再再販が行われた際にも発売時刻前から行列のできる店舗が出るなど、爆発的なヒットを記録しました。

正確な販売数は公表されていないものの、再再販前の動画では「縦に積み上げていくと富士山100個分の高さより高くなる個数が売れました」「わたくしヒカキンを20万人縦に積み上げるよりも高くなるほど売れました」と説明。これをヒントにYouTubeニュースサイト「ユーチュラ」で行われた調査では、少なくとも300万食(税込9億3300万円)もの売上があったと推定されており、ここからさらに再再販での追加売上があったと考えられます。

ヒカキンさんの影響力の大きさが伺える事例ですね。

また、ヒカキンさんはその影響力を活かし、タレントとして「逃走中」「ハモネプ」などのテレビ番組や、「ソフトバンク」「タカラトミー」などのCMにも出演しています。

キャスティング会社に勤務する業界関係者によると、YouTuberの出演料はテレビタレントと比べて一桁ほど高いのだそう。ヒカキンさんレベルになると、1回の出演料はなんと200〜300万円(バラエティ番組のMCクラスのギャラに相当)。ORICON NEWSによると2023年のテレビ出演回数は10回であることから、2000万円程度のギャラを受け取っていると推定できます。同じくORICON NEWSによると、2023年のCM出演数は13本。少し古いデータですが、2019年に女性自身が報じたヒカキンさんのCM単価1000万円をもとに計算すると、推定されるギャラは1億3000万円となります。

20億円の自宅の家賃も経費にできる?

冒頭でも触れたとおり、ヒカキンさんはYouTubeタレント事務所「UUUM」に所属するYouTuberです。所属クリエイターであると同時に、同社の創立にも関わっており、現在は最高顧問を務めています。

顧問料は公表されていませんが、一般的な中小企業の平均顧問料は年間約170万円(J-SMECAの調査;142千円/月より算出)。UUUM株式会社は東証グロースに上場する大企業であることから、年間300万円以上の顧問料が見込まれます。

また、ヒカキンさんにはUUUM株式会社の大株主としての一面もあります。2024年7月の有価証券報告書によるとヒカキンさん(本名:開發光さん)が所有する株式数は454770株。2024年8月8日時点での株価375円で計算すると、1700万円分以上の株を保有していることになります。

このように多様な収入源と多角的なビジネスに支えられているヒカキンさんには、トータルで10億円ほどの年収があると予想する声も。仮に課税所得が10億円だとすると、2億円以上の法人税(23.20%)を支払っている計算になります。

そこで肝になってくるのが節税対策です。YouTuberは動画制作に関連する費用であれば、経費として計上できます。例えば撮影用のカメラ・三脚やパソコンといった機材費や通信費、撮影に使用する小道具の購入費、プレゼント企画等の広告宣伝費、動画を作るために必要な書籍・新聞・取材などにかかる費用、交通費や衣装費、出演者への報酬、動画編集を依頼する場合の外注費、撮影部屋に置くインテリア等の購入費、撮影場所の家賃・レンタル代金や光熱費……などが挙げられます。

ヒカキンさんは2023年8月にこれまで住んでいた自宅兼スタジオを残しつつ、総額20億円の大豪邸(賃貸)へ引っ越し、ハウスツアー動画を投稿していました。不動産関係者によると、家賃は(家主が決めるものなので推定は難しいが)おそらく月200~230万円程度であるとのこと。さらに、ヒカキンさんの動画では、1ヶ月分の水道光熱費が16万5935円だったことが明かされています。

これらの家賃や光熱費の一部は経費として計上することが可能です(家事按分)。ヒカキンさんの場合は自宅で撮影や編集を行っているため、「仕事場である」と見なされるからです。

今回の記事では、ヒカキンさんはYouTuberとしてだけでなく、ビジネスマンとしても超一流であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

かつてはスーパーの店員として働いていたヒカキンさん。彼が動画の挨拶として使っているフレーズ「ブンブンハローYouTube」からもわかる通り、得意とするヒューマンビートボックスで有名になることを目標にコツコツ努力を続けてきた結果、今では動画界のスターになりました。

YouTubeをはじめとするさまざまなメディアを活用して自身の発信力・影響力を高めることは、ビジネスにおいて強みとなります。企業とのタイアップやオリジナル商品の販売、企業の顧問や株式投資など収入源を分散させることで安定的かつ長期的な収入を得ている点や、節税対策を徹底している点も含め、ヒカキンさんのビジネス戦略は今後の資産形成や収入の多様化を考えている人々にとって大きな学びとなるでしょう。

関連記事

【はじめよう、お金のこと】72ってなに?