人生100年時代のマネーリテラシー|2026年最新給付金10選から学ぶ「知る者」が拓く資産形成の未来
【2026年版】役所に申請すればもらえるお金10選:
人生100年時代、社会の不確実性が増す中で重要視されるのは、制度を使いこなす「マネーリテラシー」です。本記事では、2026年版の最新給付金10選(子育て支援、教育訓練、住宅省エネ等)を構造的に解説。単なる情報収集に留まらず、公的支援を土台とした長期的なライフデザインを描くための視点を提示します。自らの知識を資産に変え、確かな将来設計を築くための本質的な学びを提供します。
(1)子ども・子育て支援金制度に関わる給付拡充
2026年度より徴収が始まる「子ども・子育て支援金」は、政府の少子化対策の財源をまかなうために新設されたしくみです。子ども・子育て支援金は、社会保険料に上乗せする形で負担します。そのため、直接的には支出が増えることにつながるのですが、子育て世代にはさまざまな給付拡充の恩恵があります。
子ども・子育て支援金制度で拡充される主な給付には、次のものがあります。すでに給付が拡充しているものもあれば、これから拡充するものもあります。
<子ども・子育て支援金制度の主な給付拡充内容>

児童手当は、養育する子どもがいる世帯に対して給付される手当です。2024年10月より児童手当の制度が拡充されました。高校生年代も受給できるようになったうえ、第3子以降の金額が倍増。従来あった所得制限が撤廃され、支給回数も年3回から年6回に増加しました。
こども誰でも通園制度は、保育所等に通っていない0歳6か月から満3歳未満のこどもを対象に、保育所等を月10時間まで利用できる制度です。共働き世帯が増えるなかで、幼稚園や保育園に通う前の未就園児に対するサポートの拡大と、育児が大変な保護者のリフレッシュを目的にしています。
妊婦のための支援給付は、これまで「出産・子育て応援交付金事業」として実施されていた制度です。妊婦であることを届け出て認定されたら5万円、妊娠している子どもの数を届け出たあとに子どもの人数×5万円がもらえます。また「妊婦等包括相談支援事業」によって妊婦やその配偶者などに支援をしたり情報提供をしたりする伴奏型相談支援も受けられます。
両親とも育児休業を取得した場合には出生後休業支援給付金、2歳未満の子どもを育てるために時短勤務を実施した場合には育児時短就業給付金がもらえます。
従来の育休の育児休業給付金は休業開始前の賃金の67%(181日目以降は50%)がもらえる制度ですが、出生後休業支援給付金は、休業開始前の賃金の13%相当額が最大28日間もらえます。ですから、両者を併用することで、休業開始前の賃金の80%の給付金が支給されます。育休前の給与を100%とすると、税金や社会保険料を支払った後の手取りは80%程度になるでしょう。これに対して、育児休業給付金+出生後支援給付金は、税金や社会保険料が免除になるため、支給額がそのまま手取りになります。つまり、育休前の手取り給与と同等水準の給付金を受け取ることができるので、実質手取りは10割になります。
育児時短就業給付金では、2歳未満の子をするために時短勤務を行ったとき、賃金が減るなどの要件を満たすと支払われた賃金額の10%相当額が支給されます。
育休がある会社員・公務員とは違い、自営業やフリーランスといった人たちには育休がなく、子どもが生まれても国民年金保険料の負担が必要でした。2026年10月からは、自営業やフリーランスの人も子が1歳になるまでの間、国民年金保険料が所得制限なしで免除されます。もともと「産前産後期間」の免除制度がありましたが、育児期間まで延長されることになりました。
参照:こども家庭庁「加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金」
(2)不妊治療助成制度
不妊治療に対して、国や自治体が治療費の一部を補助する制度です。かつては国で「特定不妊治療費助成制度」という制度が用意されていたのですが、2022年4月に不妊治療の保険適用がスタートしたことに伴い、助成制度は終了しました。しかし、都道府県・市区町村では、独自の不妊治療助成制度を用意し、不妊治療や不妊治療の先進医療分に関する補助を行っているところが多くあります。
たとえば東京都「不妊検査等助成事業」では保険医療機関で行った不妊検査・一般不妊治療に要した費用が最大5万円まで助成されるうえ、「東京都特定不妊治療費(先進医療)助成」では保険診療の特定不妊治療と合わせて実施した先進医療分の医療費が最大15万円助成されます。
(3)高等学校等就学支援金
高校などの授業料を支援する制度には、国が支援している「高等学校等就学支援金制度」があります。2010年にスタートし、国公立私立を問わず、日本国内に住所を有する高等学校等に通う一定要件を満たす世帯の生徒に対して、支援金を支給する制度です。
2025年4月からは、それまであった所得制限が撤廃され、国公私立問わず、すべての世帯が一律年間11万8800円を上限に支給されます。2026年4月からは私立高校を対象に加算されている就学支援金の上限額の所得制限が撤廃されたうえ、私立に通うときの支給額上限が増額され、45万7000円になります。
(4)ペット関連の助成金
ペット関連の助成金でもっとも知られているのは不妊・去勢手術の助成金です。望まない命が生まれ、飼育できないということを防ぐために用意されています。不妊・去勢手術の助成金の内容は自治体によって大きく異なるようですが、数千円程度が助成されます。
また、犬・猫のマイクロチップ装着費用の一部を補助する「マイクロチップ装着助成」や、保護犬・保護犬の保護活動を支援する「保護活動支援補助」などを行っている自治体もあります。
(5)移住支援金
一定期間以上東京23区内などに在住・通勤している人など、条件を満たした人が東京圏外に移住する場合に支給される給付金が移住支援金です。正式には「地方創生移住支援事業」といいます。
移住支援金の支給額は、世帯での移住が最大100万円、単身での移住が最大60万円というのが基本になっています。18歳未満の子どもと一緒に移住する場合には、1人あたり最大100万円の支援が受けられます。さらに、移住先で地域課題の解決に関わる社会的事業を起業した場合、起業のための経費の1/2、最大200万円まで支援を受けることができます。
移住先の自治体が地方創生移住支援事業を実施していることなど、適用の条件には自治体ごとに条件があるので、事前に確認するようにしましょう。
(6)教育訓練給付
教育訓練給付は、在職中の方や退職した方が、厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部を支給してくれる制度です。教育訓練給付の給付金の支給額は、教育訓練のレベルに応じて次の3種類があります。なお、2024年10月より追加支給があり、経費の上限がアップしています。
●専門実践教育訓練給付金
- 受講費用の最大50%(年間上限40万円)を受講開始日から6カ月ごとに支給
- 資格取得・就職した場合は教育訓練経費の70%(年間上限56万円)にアップ
- 訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合教育訓練経費の80%(年間上限64万円)にアップ
→3年間で上限192万円
●特定一般教育訓練給付金
- 受講費用最大の40%(上限20万円)を受講終了後に支給
- 資格取得・就職した場合は教育訓練経費の50%(上限25万円)にアップ
●一般教育訓練
- 受講費用の20%(上限10万円)を受講終了後に支給
教育訓練経費とは、受講者が教育訓練実施者に対して支払った入学料と受講料の合計をいいます。
教育訓練給付の対象講座数は1万以上ありますので、次の仕事を見つけるためのスキルアップにも役立ちます。教育訓練給付金をもらって講座を受講するには、ハローワークで事前申請が必要になるため、早めに準備しておきましょう。
また、2025年10月からは、労働者が教育訓練に専念するために休暇を取得した場合に、賃金の一定額が支給される「教育訓練休暇給付金」が創設されています。休暇期間中の生活費を保障してくれます。
(7)住宅省エネ補助金
住宅省エネキャンペーンは、住宅の省エネ化のために行う改修の費用の一部を補助してくれるキャンペーン。2025年11月に、2026年に次の4つの事業が実施されることが決まりました。まだ詳細が発表されていない事業もありますが、概要としては以下のとおりです。
●みらいエコ住宅2026事業
高い省エネ性能のある「GX志向型住宅」や「ZEH水準住宅」「長期優良住宅」を新築した場合に最大110万円、既存住宅のリフォームで環境性能を高めた場合に上限100万円の補助金がもらえます。
●先進的窓リノベ2026事業
断熱性能の高い窓を導入した場合、そのグレードやサイズに応じて上限100万円の補助金がもらえます。
●給湯省エネ2026事業
ヒートポンプ給湯機・ハイブリッド給湯機・家庭用燃料電池といった高効率給湯器を導入した場合、7万円〜17万円の補助金がもらえます。また、高効率給湯器の導入とあわせて蓄熱暖房機または電気温水器を撤去する場合には4万円(蓄熱暖房機)・2万円(電気温水器)の加算があります。
●賃貸集合給湯省エネ2026事業
既存の賃貸集合住宅にエコジョーズなどの給湯器を設置した場合、1台あたり5万円〜10万円の補助金がもらえます。
(8)デート代
ここからは自治体レベルで用意している給付金・補助金を紹介します。
秋田県横手市「若者交際応援事業(交際費用の助成)」では、なんとデート代を助成してくれます。助成を受ける条件には「18歳以上39歳以下」「カップルの双方または片方が市内に住所を有する」などの区分Aと、区分Aに加えて「若者交流促進事業の参加者」などの条件を満たす必要のある区分Bがあり、区分Aを満たせば最大2万円、区分Bを満たせば最大5万円の「横手にぎわい商品券」がもらえます。また、北上線を利用したカップルには、1日につき1組あたり片道1000円、往復2000円の報奨金を「横手にぎわい商品券」で別途支給してもらえるそうです。
(9)塾代
中学生や高校生の塾代を補助してくれる自治体も。大阪市「習い事・塾代助成事業」では、小学5年生〜中学3年生の習い事・塾代にかかる費用を月1万円まで「大阪市習い事・塾代助成クーポン」で助成してくれます。子育ての経済的な負担を減らすのはもちろん、学力や個性、才能を伸ばすためにも役立ちそうです。
(10)新幹線通勤・通学の定期券購入費
栃木県宇都宮市「宇都宮市東京圏通勤・通学支援補助金」では、東京圏に新幹線通勤・通学する人の定期券購入費を月額1万円、最大3年間(通学の場合は修業年限)分補助してくれます。補助終了後3年以上宇都宮市に居住すること、自治会に加盟することなどの条件を満たす必要があります。
国や自治体が用意するさまざまな給付金を紹介してきました。冒頭でも触れましたが、これらのお金は届け出をすることではじめて受け取れるものです。ですから、忘れたり、面倒くさがったりせず、確実に届け出をすることが大切です。
また今回紹介した他にも、お金がもらえる制度はたくさんあります。自分が利用できそうな制度はないかを確認して、使える制度はどんどん活用していきましょう。
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執筆:高山 一恵(たかやま かずえ)
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計190万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。
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