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最新データからみる人口動向

人口動向は不動産投資をする上で重要なデータとなります。人口が増加するエリアはそれだけ賃貸需要も多く、マンション投資の有望なエリアとなるからです。最新のデータなどから全国や首都圏、東京の人口動向を探ってみたいと思います。

人口の増減とは

ある地域の人口の動向を見る場合に、そのエリアから国内の他のエリアに引っ越す人の数を転出人口、国内の他のエリアから引っ越してくる人の数を転入人口と言い、転入人口が転出人口より多い場合は「転入超過」となります。これに海外からの移動増減などを合わせた数が「社会増減」と言われます。総務省から「人口移動報告」として発表されます。

またそのエリアでの出生数は自然増、亡くなった場合は自然減となります。こちらは「自然増減」と言われます。

全国の転入超過の様子は

総務省から発表された「住民基本台帳人口移動報告2025年結果」から転入超過の様子を都道府県別に見ると、2025年に転入超過となっているのは東京都、神奈川県、埼玉県などの7都府県となりました。それ以外の道府県は転出超過となっており、人口が転入超過のエリアは限定的である事が分かります。下記の表から分かる事としていずれも不動産投資として人気の高いエリアがランキングに入っています。

2025年 都道府県別転入超過ランキング

順位都道府県転入超過人口
1東京都65,219人
2神奈川県28,052人
3埼玉県22,427人
4大阪府15,667人
5千葉県7,836人
6福岡県5,136人
7滋賀県353人

参照:総務省「住民基本台帳人口移動報告2025年結果

(3)3大都市圏の圏域別の転入超過人口と東京圏の推移

3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)全体では約11万9千人の転入超過となりました。東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)では約12万3千人の転入超過となりました。名古屋圏(愛知・岐阜・三重)は約1万2千人の転出超過、大阪圏(大阪・兵庫・京都・奈良)では約8千人の転入超過です。

3大都市圏の中でも東京圏の転入超過は突出して多く、首都圏に人口が一極集中している事が分かります。

東京圏の転入超過の推移を見ると、2014年には約14万8千人の転入超過でしたが、2020年から新型コロナの影響で一時減少、その後2022年から転入超過が拡大し2025年に12万3千人となるなど回復基調を強めています。

3大都市圏の転入超過<2025年>

東京圏名古屋圏大阪圏合計
転入超過人口12万3,534人△1万2,695人8,742人11万9,581人

*東京圏:東京・神奈川・埼玉・千葉/名古屋圏:愛知・岐阜・三重/大阪圏:大阪・兵庫・京都・奈良

参照:総務省「住民基本台帳人口移動報告2025年結果

東京圏の転入超過数の推移

2019年2020年2021年2022年2023年2024年2025年
転入超過人口148,783人99,243人81,699人99,519人126,515人135,843人123,534人

参照:総務省「住民基本台帳人口移動報告2025年結果

東京都の転入超過と社会増の動向は

2025年の東京都における転入超過人口は全国の都道府県の中で最も多く6万5,219人でした。前年比では減少したものの圧倒的に多くなっています。

2025年の東京都への転入者は 45万1千人、転出者は38万6千人と転入・転出者ともに多くなっています。さらに国外からの転入が約15万人、国外への転出が約7万4千人となり海外からの転入者が多く、こうした海外からの人口移動を合わせた人口動態で見た場合、東京都は12万5,457の社会増加となりました。

社会増加の道府県を見ると大阪府(5万8524人)、千葉県(4万2629人)など23都道府県などが続きます。愛知県は人口は転出超過ですが、外国からの転入者が多いため、社会増減では26,336人の社会増加となっています。

今後も海外からの転入者が増加すれば日本の人口動態にも大きな影響を与えると考えられます。

東京都の転入超過と社会増減<2025年>

転入
(国内)
転出
(国内)
転入超過海外からの転入海外からの転出職権削除等社会増
人数451,843人△386,624人65,219人150,416人△74,903人△28,727人125,457人

参照:総務省「住民基本台帳人口移動報告2025年結果

東京都の出生状況は

次に人口の自然増減の要素の一つである出生数と出生割合について見てみましょう。

厚生労働省が発表した人口動態統計速報によると、東京都内の2025年1~11月の出生数は8万1,063人となり、前年同期と比べて0.94%の増加となりました。12月もプラスとなれば、2025年の年間では10年ぶりのプラスとなる見通しです。

東京都の合計特殊出生率は2023年に0.99と1を割り込み、2024年にはさらに0.96へと低下しました。こうした中で2025年に出生数が増加した背景には東京都の少子化対策が挙げられます。

東京都では少子化対策として様々な政策を実施してきました。「チルドレンファースト」としてアクションプラン2026を発表しています。婚活や出産、子育てや教育などの援助を進める方針です。東京都は全国でも極めて人口が多く経済力も大きいので、こうした財政から手厚い援助も可能になっていると考えられます。今後は東京とその他のエリアでの格差も広がる可能性もあります。

久しぶりに出生数が増えてきたという事は、将来的にもとても明るいニュースと言えます。なぜなら長期に渡り住宅需要が維持される事の後押しにもつながるからです。

東京都周辺部の転入も増えている

東京23区は皆様周知の通り、ファミリーマンションの価格が1億円を超えるなどとても高額化しています。一般的なファミリー世帯が都内に住宅を買う事がとても難しい時代となってきています。

そこで東京都内に住んでいた特に30代、40代のファミリー層が東京から埼玉・千葉・神奈川など周辺エリアに住宅を求める層が確実に増えています。実際に東京都では転入超過人口が減少、埼玉・神奈川県では拡大しています。要するに全国から東京都に転入する方が多い一方、東京都内から近県に引っ越す方も増えているという構図があります。

筆者は先月、神奈川県の海老名駅近くで発表されたファミリーマンションのセミナーに招かれて講演いたしましたが、20代後半から30代等の若い家族などでとても多くの来場がありました。お客様と話す中で都内から訪れていた方も一定数いらっしゃいました。

官民挙げて賃貸入居者の後押しも

最近では品川区が区内に居住する子育て世帯に対して、新たに区内で住宅を購入し転居する場合に最大30万円の費用を助成すると発表しました。区外への転出を抑制するための一つの政策で、主に引っ越し費用や仲介手数料に充当するのが条件だそうです。

また東京都ではいわゆるエッセンシャルワーカーの賃貸住宅の家賃の補助に力を入れてきています。一つの例として江戸川区では介護関係の仕事に従事する方が区内で働き区内で居住する場合には家賃の約半分を補助する制度もあるそうです。

また民間企業においても福利厚生の一環として、社宅の整備や一般賃貸住宅の家賃補助制度の拡充が進んでいます。特に東京23区内の駅近・充実した設備、安心して暮らせるセキュリティ、これらの条件を兼ね備えた住宅は非常に引く手あまたの状況となっています。

以上のべてきたように人口の動態は不動産投資にとって今後ますます注目度が高まってきます。今回のコラムが皆様の今後の資産運用のお役に立てれば幸いです。

合わせて読む:不動産投資のメリット

執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント|株式会社オフィス野中 代表取締役

マンションデベロッパーでの実務経験を経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。 特定の企業に属さない第三者的な立場から、首都圏・関西をはじめ全国各地でマンション購入に関する講演・コンサルティングを行う。
居住用マンションから不動産投資(資産運用)向けセミナーまで、年間100本近い講演をこなす「マンション選びの第一人者」。膨大な供給データと開発現場への深い知見に基づいた、先見性の高い解説に定評がある。

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