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サラリーマン増税と不動産投資【プロが教える不動産投資コラム】

2023年7月22日、関東地方も「梅雨明け宣言」が発表されました。地球温暖化の影響もあり、日本国内においても連日猛暑が続いています。世界的に熱波現象が起きているようです。経済的な投資ももちろん大切ですが、特にこの季節は暑さ対策も含め健康投資にも気を配りたいものです。

さて今回のコラムでは、サラリーマン増税時代における資産運用法について述べさせて頂きたいと思います。

岸田政権肝煎りによる賃金アップ政策の現状は

2023年4月の春闘においては大企業が先導役となり、初任給のアップやベースアップなどが多くの企業で実施されました。しかしまだ中小企業までは及んでいないのが実態なのではないでしょうか。

昨年来、国内においては円安、人手不足などを主な要因とした物価の上昇が続いており、賃金の上昇率以上に「消費者物価指数」が上昇しています。また先々の物価動向を示す「企業物価」も高い水準で推移しており、物価上昇の持続性が高まっています。

このような最中、サラリーマンの方々の実際の生活における「生活のゆとり感」というのはあまり感じられないのが実情ではないでしょうか。

社会負担率も高まってきている現実

今後の日本は「少子高齢化」という大きい課題を抱えており、税金や社会保険料を合計したいわゆる「国民負担率」はますます上昇すると考えられます。

特に社会保険料は「第二の税金」と言われ、雇用する側と社員の方が折半しており、実際の負担感というのは税金程感じられないという事もあるかもしれませんが、社会保険料の負担率は過去20年間を見ても大きく上昇しています。

社会保険組合連合会は2023年の健康保険の平均料率が9.27%になると発表しました。介護と年金を合わせた保険料率は29.35%と過去最高の水準となる見込みです。少子化対策や高齢化社会への対応を考えればやむを得ない面もあると考えます。

国民負担率(税金と社会保険料の合計)は今後、何と50%を超える可能性があるという現実があります。つまり名目賃金が上がっても実際の手取り額は意外と低いという実態がある訳です。

国民負担率(対国民所得比)の推移

2002年度2012年度2022年度2023年度
国民負担率35.0%39.8%47.5%46.8%
社会保障負担13.9%17.1%18.8%18.7%
<財務省「国民負担率の推移(対国民所得比)」>

※2023年度は見通し

退職金の優遇についても今後検討

また政府は税制調査会において退職金の制度の課税が抑えられる仕組みを見直す事を答申しました。具体的には勤続年数が20年を超えた場合の退職所得控除額を見直すというものです。

この背景には岸田新政権における「新しい資本主義」実現に向けて労働市場の活性化を促すという背景が見え隠れします。日本の労働市場においては一つの会社に長い期間勤め、退職金も長く務める程高くなり、控除額もそれにつれて高まっていく仕組みになっています。そのような仕組みが労働市場のおける流動性の妨げになるのではないかという見方もあるのではないでしょうか。

老後の生活設計を考える場合サラリーマンの方にとって、「退職金」は貴重な生活資金となる訳です。「退職金」について控除が見直されるという事は、退職金への課税強化とまでは言えませんが、それに近いものがあるかもしれません。

その内容についてはまだ決定した訳ではありませんが、一つの方向性が示された事については老後の生活設計について考慮する余地があるのではないでしょうか。

退職所得控除額

勤続年数20年以下20年超え
退職所得控除額40万円×勤続年数800万円+70万円 ×(勤続年数―20年)
<国税庁資料より作成>

私達の支払っている税金の種類は多い

財務省の「国民負担率の推移(対国民所得比)」によると国民の税負担率は2022年には28.6%になりました。2012年と比較しても5ポイント増加しています。税負担は増加傾向にあるようです。

実際に私達が払っている税金は極めて多岐に渡っています。

私達の身近な税金としては、ほんの一例ですが、下記のがあげられます。

  1. 給与所得などにかかる所得税や、住民税。
  2. 商品の購入にかかる消費税
  3. 株で利益を上げた方は譲渡所得税
  4. ビールを買えば酒税、たばこにはたばこ税、ホテルに泊まれば宿泊税、ガソリンにはガソリン税が含まれており、さらに消費税がかかります。

その他諸々、全ての税金を書き出すと驚く程の数となる訳です。

但しそのような税制の下で、秩序正しい社会、健全な街づくり、健全な生活が保たれていると思えば当然の事ながら仕方ない訳です。

租税負担率の推移(対国民所得比)

2002年度2012年度2022年度2023年度
租税負担率21.2%22.8%28.6%28.1%
<財務省「国民負担率の推移(対国民所得比)」>

※2023年度は見通し

租税負担率が高まる傾向に

では税金が増えるという事はいい事なのでしょうか。例えば国の財政を維持するためには当然、歳入が大切です。歳入の中でも多くを占めるのは税金です。令和5年度の歳入約114兆円のうち、「租税・印紙収入」は約61%(69兆 4,400億円)となっています。

例えば税収は所得税、法人税、消費税など様々ですが、企業業績が上向けば法人所得が上昇し、法人所得税が国に入りそのお金が行政サービスに還流し社会が運営されて行きます。

逆にデフレになり景気が停滞すれば、社員の給料も下がり、売上も下がり法人所得税も下がり、国の財政にはマイナスの影響を与える訳です。

ですから、長期に渡る適度なインフレは税制・景気・消費マインドと言ったように多くの分野でいい影響をもたらす訳です。

国の一般会計歳入額の内訳と割合(令和5年度当初予算)

種類租税及び印紙収入公債金その他
割合60.7%31.1%8.1%
<国税庁「財政のしくみと役割」>

国の歳入における「租税及び印紙収入」の内訳と割合(令和5年度当初予算)

所得税法人税消費税
全体比18.4%12.8%20.4%
<国税庁「財政のしくみと役割」>

自己防衛による資産運用が求められる時代に

しかしこのように税負担が重い時代には賢い資産運用が求められます。今後の対策としては、ただでさえ現金の価値が落ちていくインフレ時代において、長期的な資産運用法について考える機会になるのではないでしょうか。

政府が推奨しているNISAやiDeCoは節税効果もあり、若い方からも人気があります。

一方、現金を使わなくても金融機関からローンを借りられる方は長期安定資産であるワンルームマンション等で資産形成ができます。またワンルームマンション投資などは最初の数年間ですが、合法的に節税効果も期待できます。

不動産による資産形成が有利な理由は

今回のコラムでは税金や社会保険料の現状と今後の見直しについて述べさせて頂きましたが、国政において財務がとても重要なポジションであるように家計においても「財務的な思考」がとても大切な時代となると考えられます。

岸田総理はサラリーマン増税には否定するコメントも出していますが、いずれにしても今後の国民負担率が増加する事は避けられない状況となってきています。

今後は収入を増やすだけではなく、長期的な視点における資産運用や税金・社会保険料への認識を高め総合的に資産形成について考える事が大切と考えます。

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