横浜・川崎エリアの地価は今後どうなる?地価LOOKレポートで読む投資用マンションの将来性
要約:
都心部の地価上昇を背景に、投資用マンションの供給エリアは横浜・川崎へと広がっています。本記事では、神奈川県・横浜市・川崎市の最新地価データと地価LOOKレポートをもとに、将来性の高いエリアと投資判断のポイントを解説します。
神奈川県の地価動向
不動産投資の立地を選定する場合に地価の動向が重要となります。
神奈川県が発表した2025年7月1日現在の基準地価(令和7年神奈川県地価調査)によると、神奈川県の地価は住宅地で3.3%、商業地で7.0%の上昇となり、それぞれ上昇率が拡大しました。特に商業地の地価上昇が大きく、首都圏で東京に次ぐ上昇率となりました。
神奈川県の地価動向
| 住宅地 | 商業地 | |
|---|---|---|
| 地価上昇率 | 3.3%(3.2%) | 7.0%(6.2%) |
*カッコ内は前年の平均変動率
参照:神奈川県ホームページ「令和7年神奈川県地価調査」
横浜市の地価は
横浜市は人口や経済規模も大きく、また古くから発展してきた街であり住宅地としても観光地としても人気のあるエリアです。
地価動向を見ると、住宅地で3.4%、商業地で8.1%の上昇となりました。住宅地、商業地ともに神奈川県平均よりも地価上昇率が高くなりました。商業地は地価上昇率が拡大しています。特に商業地においては景気回復、インバウンドの増加、再開発・新線新駅の誕生など多くの複合的な要因がいい意味で絡み合いながら上昇幅を拡大しています。東京都や大阪市の中央区の地価が高いように横浜市においては中区が行政・ビジネスの中心地とも言え、上昇率が際立っています。これらのエリアは今後のマンション価格にも影響を与えそうです。
横浜市の地価動向
| 住宅地 | 商業地 | |
|---|---|---|
| 地価上昇率 | +3.4(+3.4) | +8.1 (+7.4) |
*カッコ内は前年の平均変動率
参照:横浜市ホームページ「地価のあらまし」
横浜市 区別地価上昇率ランキング
| 順位 | 住宅地 | 商業地 | ||
| 区 | 上昇率 | 区 | 上昇率 | |
| 1 | 神奈川区 | 5.4% | 中区 | 11.7% |
| 2 | 西区 | 4.4% | 保土ヶ谷区 | 10.5% |
| 3 | 港北区 | 4.3% | 神奈川区 | 9.4% |
| 4 | 旭区 | 4.1% | 西区 | 9.0% |
| 5 | 保土ヶ谷区 | 4.0% | 南区 | 9.0% |
地価LOOKレポートに見る地価動向
公示地価や基準地価が年に1回発表されるのに対して、主要土地の高度利用地の地価動向をより詳細に知るために国土交通省は年に4回「地価LOOKレポート」を発表しています。神奈川県の地価調査地点は横浜市と川崎市の計5ヵ所となっています。
地価LOOKレポートの神奈川県の調査地区
<横浜市>
横浜駅西口、みなとみらい、都築区センター南
<川崎市>
川崎駅東口、武蔵小杉
最新の地価LOOKレポートによると神奈川県の地価調査地点は前回に引き続き全てが上昇となりました。地価上昇が続いており、こうしたエリアの土地需要が高い事が分かります。それぞれの地価動向について見てみたいと思います。
(1)横浜駅西口
横浜駅は神奈川県の中心的な駅であり、多くの路線が利用できるターミナル駅です。交通利便性の高さから多くのエリアからアクセスが可能で商圏も極めて広いと言えます。さらに横浜駅周辺では大改造計画「エキサイトよこはま22」により再開発が進んでいます。
地価は3~6%の上昇となり2020年第4四半期(2020年10/1~2021年1/1)以降連続して上昇となりました。
西口は高級店の多く入る高島屋を始め、多くの商業施設が集積しています。
駅ビルである「JR横浜タワー」が2020年に開業し「NEWoMan横浜」「CIAL横浜」「T・ジョイ横浜」などの商業施設が開業しています。ダイエー横浜西口店跡地は「イオンモール横浜西口」が2023年に開業しています。駅直結のタワーマンション「THE YOKOHAMA FRONT」の商業施設も2024年に開業しています。
さらに相鉄グループでは2024年に「横浜駅西口大改造構想」を発表しました。「相鉄ムービル」の建替えを含む大規模な再開発で今後ますます西口の発展が続くと予想されます。
また東口側では「横浜駅みなみ東口地区再開発」が進んでいます。横浜中央郵便局などを建て替える計画で高さ231mの超高層ビルが2037年度に完成予定です。西口、東口の再開発に加えて「みなとみらい21地区」との回遊性を高める事で一体となった発展が期待されます。
「横浜駅みなみ東口地区再開発」のエリア

資料:「横浜駅みなみ東口地区市街地再開発準備組合の設立について」
日本郵政不動産株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、京浜急行電鉄株式会社
(2)みなとみらい
みなとみらい21地区は神奈川県の中でも極めて将来性が高く、大手企業や教育施設、商業施設などの集積するエリアです。1983年度から開発が進められました。1989年には横浜博覧会が開催され、1993年には横浜ランドマークタワーが開業しました。広大な用地の多くのオフィスビル、商業施設、マンション、学校などが建設され、現在も開発が続いています。
横浜市の発表によるとみなとみらい21地区における2024年の年間来街者数(推計値)は約8,260万人で前年比約530万人の増加です。就業者数は前年より約1万人増加し、過去最多の約 14 万4千人となりました。
2024年には「横浜シンフォステージ」が開業するなど新規オープンが続いています。先端研究拠点も開設され国内外の半導体拠点も集積し始めています。60.61街区では新たなプロジェクトも進行しています。オフィス賃貸市況の好転や堅調な投資意欲等などからオフィス賃料も上昇しています。

(3)川崎駅東口
川崎は神奈川県では横浜と並んでワンルームマンションの立地としても人気のある立地です。2025年の基準地価では川崎の地価は住宅地で4.4%、商業では9.2%の上昇となりました。地価LOOKレポートでも地価上昇が続いています。
川崎駅東口には多くの商業ビル、地下街、商店街、そして「ラ・チッタデッラ」などの大型商業施設などが立ち並ぶエリアです。東京・横浜の両方向にもアクセスしやすい事も特長です。東口には大規模商業施設である「ラゾーナ川崎」もあり、極めて利便性も高いエリアです。
オフィス需要も多く、また店舗賃料も上昇傾向となっています。
京急川崎駅付近では複合ビルやアリーナの建設等の計画もあり、不動産価格も上昇傾向となり地価も上昇傾向で推移しています。
川崎市の地価動向
| 住宅地 | 商業地 | |
|---|---|---|
| 地価上昇率 | 4.4%(4.4%) | 9.2%(8.4%) |
(4)武蔵小杉
武蔵小杉はJRや東急などが利用でき、東京・横浜方面へ極めて交通利便性の高い立地です。タワーマンションが建ち並び、さらにオフィスビルも建設され再開発によりエリアの環境や利便性も高まっています。オフィス賃料や店舗賃料なども堅調に推移しています。周辺では大学病院跡地での大型タワーマンションを含む再開発計画、北口の商業・業務機能等を備えた高層マンション計画などの計画も進んでいます。
東急新横浜線、相鉄新横浜線が開業しオフィスや店舗需要等も底堅く地価は将来的にも上昇が続くと予想されます。
武蔵小杉というとタワーマンションというイメージが定着していますが、近年では周辺にワンルームマンションも出現し始めています。その背景には新宿駅などビッグターミナル駅に匹敵する多くの路線が乗り入れるという優れた鉄道の利用価値があるからです。
ワンルームマンションの発売の増加する横浜・川崎
2000年代前半は東京都内におけるワンルームマンション発売戸数のうち、60%前後も都心エリアで占められていました。しかし東京における地価の上昇が都心から供給立地が都区部に移行する中、近年では川崎市や横浜市のワンルームマンションが東京と比べていい意味で価格の出遅れ感があり、徐々に供給が増えつつあります。
但し今後は駅近のワンルームマンション用地においては土地の取得が難しくなる可能性も秘めています。川崎市、横浜市において駅近のワンルームマンションがあれば十分検討に値するのではないかと考えます。もちろん価格や賃料など基本的なクリアすべきポイントがあるのは言うまでもありません。
今回のコラムが読者の皆様の参考として頂ければ幸いです。
こっちもあわせて読む:令和7年第3四半期地価LOOKレポート
執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント
マンションデベロッパーを経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。
首都圏・関西および全国でマンション購入に関する講演多数。内容は居住用から資産運用向けセミナーなど、年間100本近く講演。