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都心住宅地を中心に地価が反転、今後の地価はどう動く?【プロが教える不動産投資コラム】

6月に入ってワクチン接種が加速しています。自治体によってそのスピードにはばらつきがあるようですが、6月1日現在で1日60万回の接種が行われており政府目標の1日100万回にも近づいています。また6月6日時点ではワクチンを少なくとも1回接種した人は1294万人となり総人口の10%を超えました。 接種が進み、EUを始め世界的に「ワクチンバブル(接種により規制を緩和する制度)」の発表などもあるなど経済的にも大きな寄与があると予想されます。また米国は日本への渡航警戒レベルを引き下げ、日本においても既に鉄道・ホテル・旅行などに関連する株も上昇基調となりつつあります。

地価の動きに変化が現れる

このような経済の動きに伴い、地価にも新しい動きが出ています。

昨年来は新型コロナの影響で地価は都心部でも下落・横ばいの地点が多くなっていました。2021年の公示地価では全国平均・全用途では6年ぶりに下落となり、三大都市圏でも全用途で8年ぶりに下落となりました。東京都では住宅地で2020年の2.8%の上昇から0.6%の下落に、商業地では7.3%の上昇から1.9%の下落となりました。 しかし国土交通省が6月4日に発表した地価LOOKレポート(2021年第1四半期・2021年1~4月)によると、地価上昇地点が増加してきている状況が見られます。

地価が上昇した地点は前回のゼロから4地点へ

地価LOOKレポートは「主要都市の高度利用地地価動向報告」が正式名称で、主要都市の高度利用地についての地価動向を年4回発表しています。

東京都の調査地点は区部が24地点、多摩エリアが3地点の合計27地点があります。

前回調査(2020年10月1日~2021年1月1日)では東京都の横ばい地点が17地点、下落が10地点で地価上昇地点はありませんでした。

今回の発表では上昇地点は4地点、横ばい13地点、下落が9地点となりました。

上昇地点がゼロから4か所へと増加となったのです。 つまり2020年の1月から見ると新型コロナの影響を受けて調整局面に入った地価の動きはボトムを脱したと見られます。

地価変動率の変化

2020年
第1四半期
(前年同期)
2020年
第4四半期
(前期)
2021年
第1四半期
上昇18地点なし4地点
横ばい9地点17地点14地点
下落なし10地点19地点
国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告」

地価が上昇の地点は住宅地の「ブランドエリア」

東京都で地価が上昇となった地点は都心を始めとする「住宅地」で千代田区番町や港区青山、二子玉川を始め吉祥寺など、いずれも高級住宅地として名高い「ブランドエリア」と言えます。

こうしたエリアは住宅としての需要が多いので、新型コロナなど「外的要因」による地価変動が少ないエリアであると考えられます。さらに国土交通省では地価上昇の要因として「マンションの販売状況が堅調な中、事業者の素地取得の動きが回復している地区が増加している」とコメントしています。

地価は1年前の水準に回復するのか

ちょうど1年前の同期である2020年1~4月の地価動向を見ると、東京都の地価は全体的に上昇傾向が続いており、上昇地点18地点、横ばいが9地点で下落地点はありませんでした。

この頃はアベノミク発足地価上昇が継続していた時期でしたが、その後は新型コロナの影響が地価に出始め、2020年は調整局面となりましたが、2021年には再び上昇地点が出現しています。 但し商業地の上昇地点はまだ発生していません。今後ワクチン接種が進み、経済が回復軌道となれば再び2020年までの上昇基調に回帰する可能性は高いと考えられます。

都心部・商業地の地価を長期スパンで検証

東京都の商業地では依然上昇地点はないものの、国土交通省では全体の傾向として「商業地では、法人投資家等による取引の動きが戻り、横ばい・上昇に転じた地区が見られる」と分析しています。

但し東京都の都心部などの商業地の地価は現在横ばい・または下落となっていますが、ある特長があります。それは「近年大きく地価上昇が続いていた」事です。

例えば地価下落が続いている「銀座」や「渋谷」などは特にインバウンドの影響もあり、新型コロナの影響が出るまでは大きく地価が上昇していました。

都心3区の商業地の平均地価を過去と比較してみると、2013年から2021年にかけて千代田区で1.4倍、中央区で1.7倍、港区で1.6倍にも上昇している事が分かります。

つまり現在調整局面となっている地点でも、地価は「高止まり」となっている訳です。 地価が少々下がっても、元々の地価が高いので、不動産価格が大きく下がる可能性は低いと考えられます。

都心3区の商業地・地価上昇率(公示地価)

2013年2021年上昇率
千代田区470万0,300円/㎡658万6,900円/㎡1.4倍
中央区550万4,400円/㎡937万3,200円/㎡1.7倍
港区310万0,900円/㎡511万1,500円/㎡1.6倍
国土交通省「地価公示」

海外からの不動産投資が増加

さらに今後地価上昇が期待される要因として、海外からの不動産投資の増加があります。

米国のゴールドマン・サックスは日本への不動産投資額を大きく増加し従来の年1000億~1500億円から倍増となる2500億円規模となると報道されています。

また米国投資ファンドのブラックストーン・グループは京都など8つのホテルを取得しています。ホテルオークラも京都に国内では20年ぶりにホテルを新規開業する計画を発表しています。 また帝国ホテル東京が大幅なリニューアルを計画するなど、既に「ポストコロナ」によるインバウンドの増加に向けた動きも加速していると考えられます。

進む再開発の影響は

また都内で進行している大規模再開発も地価上昇の要因となります。

渋谷駅前の「桜丘口」エリアでは現在も大規模再開発が進んでおり、渋谷駅からも工事の様子を見る事ができます。 東京駅周辺や六本木を始め、新宿・池袋・高輪ゲートウエイ・虎ノ門ヒルズなど、都内各所で大型の再開発が進んでおり、こうした多くのプロジェクトは今後の地価にも大きな影響を与えます。

ワンルームマンション市場に与える影響は

ワクチン接種の浸透と再開発による相乗効果で、東京の経済は大きく復興する可能性もあります。2021年1~3月期のGDPでも外食などのサービス消費は落ち込んでいましたので、今後ワクチン接種が進めば個人消費も急激に回復する局面も予想できます。

こうした経済の復興は、

(1)就業人口の増加によるワンルームマンション需要の増加
(2)ホテル・商業施設の土地需要増加による地価上昇
(3)都心の地価上昇によるワンルームマンション立地が都心周辺部に拡散

などに影響を与えると考えらます。

都心周辺部の交通利便性のよい立地のワンルームマンションの需要は今後も根強く、また価格も上昇基調が続くと考えられます。

またテレワークの浸透で東京への転入者が減少していますが、今後新型コロナが収束すれば再び東京の就業人口が増加し、転入人口も大幅に上昇する可能性もあります。 このようなアフターコロナにおける経済・地価の動きなどをワンルームマンションを購入する際の参考にして頂ければ幸いです。

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