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交通機関と不動産投資【プロが教える不動産投資コラム】

不動産投資の立地を選定する際には交通インフラが重要なポイントとなります。都心では交通インフラが日々進歩し、ますます便利になる傾向にありますが、逆に地方では鉄道やバスの廃線などで不便になるケースもあります。

今回はこうした鉄道インフラと不動産投資の関係性を検証してみたいと思います。

交通インフラの充実度はエリアによって大きく異なります

東京など大都市では人口の増加が見られ、新線・新駅などもいくつか計画されています。しかし逆に地方都市の郊外などでは人口減の事由等で鉄道やバス路線などが廃止になるケースもあります。直近では大阪の富田林市などを運行するバス路線が廃止になる事が報道されています。また北海道などでも赤字路線の廃線が報道されています。

鉄道・バス路線の廃止の要因は

こうした路線の廃止の要因として下記などがあります。

  1. 利用者の減少
  2. 燃料費、維持費などの経費の上昇
  3. 運転手などの人手不足

近年廃止となった鉄道路線は表のように多くありますが、これ以外にも赤字などが多く廃止の危機に直面している路線も多くあるようです。また赤字路線は災害などで被害を受けても復旧費がかさむ場合は、そのまま廃線となってしまうケースもあります。さらにバスは2030年には全国で約3割の運転手が不足すると業界団体では試算されています。

こうした交通インフラの面から見ても人口の減少しているエリアはますます不便となり、都心などに人や経済が集中する傾向がさらに強まっていきます。

近年廃線となった鉄道路線

路線区間廃線時期
JR北海道 札沼線北海道医療大学駅~新十津川駅2020.5.7
JR北海道 日高線鵡川駅~様似駅2021.4.1
JR北海道 留萌線石狩沼田駅~留萌駅2023.4.1
<国土交通省「交通白書」より作成>

※資料:国土交通省鉄道局作成

自動車の普及とエリアの関係

交通手段として「車」を利用する方も増えています。

自動車(自家用車)の世帯当たり保有率は昭和50年には0.475でしたが、令和4年には1.032となっています。最も多かったのは平成18年で1.112となっていました。

数字上ではほぼすべての世帯が車を持っている事になりますが、実はエリアによって大きく異なります。最も低いのは東京都で0.421となり、半数分以上の世帯が車を所有していない事になります。2位は大阪府で、こうした大都市の自動車保有率が低い事が分かります。つまり都心ほど交通手段として「車(自家用車)」を利用する人が少くなっています。

自家用自動車の世帯当たり保有率(低い順)

順位都道府県世帯当たり普及台数
1位東京都0.421
2位大阪府0.627
3位神奈川県0.684
4位京都府0.807
5位兵庫県0.896
<一般社団法人自動車検査登録情報協会調べ>

※令和4年3月末現在

自家用自動車の世帯当たり保有率(高い順)

順位都道府県世帯当たり普及台数
1位福井県1.708
2位富山県1.652
3位山形県1.642
4位群馬県1.593
5位栃木県1.572
<一般社団法人自動車検査登録情報協会調べ>

※令和4年3月末現在

公共交通運賃への支出は都市部程多い

エリア別に公共交通機関への支出を見て見ると、関東エリアが最も高く、以下近畿、東海などの三大都市圏を含むエリアが続きます。都心部ほど公共交通機関の利用が多い事が分かります。つまり都心の方は通勤などには車を使わない分、公共交通機関を多く利用しているようです。

こうし理由として下記などが挙げられます。

  1. 鉄道やバスなどの公共交通網が発達している
  2. 駐車場代が高い
  3. 出先で車を止めるスペースが少ない

都心部ではコインパーキングで高いところでは1時間3,000円とか4,000円とかあり、また月極駐車場でも都心部では4~5万円、都心から少し離れても駅近くなら3万円位はするようです。東京の駐車場代の高さには驚かされます。こうした理由からも東京の単身者は車を持つ方は極めて少ないように感じます。

公共交通運賃への支出額(2022年)
●三大都市圏を含むブロック

エリア公共交通運賃
関東61,299円
東海43,199円
近畿46,137円
<国土交通省「交通白書」より作成>

※総務省統計局「家計調査」から国土交通省総合政策局作成

●三大都市圏を含まないブロック

エリア公共交通運賃
北海道36,976円
東北20,800円
北陸25,433円
中国23,823円
四国13,313円
九州24,524円
沖縄21,693円
<国土交通省「交通白書」より作成>

※総務省統計局「家計調査」から国土交通省総合政策局作成

都心に近い程賃貸住宅が多い

賃貸住宅の着工シェアを見て見ると、都心から近い程その割合が多い事が分かります。

都心10kmでは住宅着工の57.3%が共同賃貸住宅となっています。都心から離れる程その割合は減少します。都心から10~20キロ圏では着工される住宅の半数前後が賃貸住宅となっています。

都心に近い程交通インフラは発達していますので、駅に近い立地であれば交通利便性も極めて高いと言えます。

逆に言えば都心型の賃貸住宅は公共の交通インフラが極めて重要な条件となってくる訳です。

距離圏別の賃貸住宅(共同)の着工数シェア

都心からの距離着工シェア
10km圏57.3%
20km圏45.3%
30km圏33.3%
40km圏26.2%
50km圏25.1%
60km圏13.0%
70km圏11.3%
<国土交通省「令和5年版首都圏白書」より作成>

駅からの距離と希少性

駅からの距離が倍になると面積は4倍となります。それだけ駅に近いエリアは希少性が高いと言えます。

例えば駅から徒歩5分の立地の面積は5×5×3(円周率)で75ですが、駅からの距離が徒歩10分と倍になると、10×10×3で300となり75に対して4倍の面積がある事が分かります。

それだけ駅に近い立地は希少性が高いと言えます。また駅に近いエリアは商業地が多く、商業施設やオフィスビル、ホテルなども多く建設されますので、マンション用地と競業する事も多い訳です。そのため地価も上昇する事が多く、駅に近いマンションの資産性が上昇する場合も多くあります。特に東京23区で駅から徒歩圏のエリアは限定的と言えるのではないでしょうか。

駅から近い立地は住宅需要も多い

地価が上昇している現在、好立地の土地の需要は増加しており今後もその価値は落ちづらいと考えられます。マンションの建物は時間の経過とともに「劣化」していきますが、駅からの「距離」は、駅や路線が廃止にならない限りは変わる事はありません。

さらに駅周辺に商業施設など生活利便性施設ができれば、同じ駅からの距離でも生活利便性が向上する事になります。鉄道路線は延伸されたり、また所要時間が短くなったりと、その輸送力が向上するケースもあり、建物は「劣化」しますが「立地」は逆に「優化」する可能性もある訳です。

都心に近く駅に近い物件は、車を利用する代わりに鉄道などの公共交通手段が発達していますので、都心の発達した交通機関を利用しやすく住まいとしての需要も高いと言えます。こうした事から都心部の駅近のマンションは資産価値も高いと考えられます。

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