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女性の社会進出と不動産投資【プロが教える不動産投資コラム】

2021年も残りあと1ヵ月という時期になりました。岸田新政権の誕生による「新しい資本主義」のもと新たな成長戦略への期待が高まりつつあります。

今回は不動産投資において大きな影響がある女性の就業状況や投資スタンス、さらに女性から支持を仰ぎやすいマンションの条件等について述べて見たいと思います。

東京からの転出超過

今回の新型コロナにより東京からの人口における転出超過が話題となりました。テレワークが一定程度定着し、出勤回数の減少によりそのような傾向が続いています。しかし出勤回数については業種や企業によってかなりバラつきがあり新型コロナの感染者数が減少傾向となると出勤回数は増えるようです。

元々政府は「地方創生」の下、地方都市における地域活性化に努めてきていますが、現状は若い方、特に若い女性においては東京へ転入する方が依然多いのも事実です。

その最大の理由は地元では女性が就職したい職種を有する業種が少ないという事が大きな要因となります。東京都内には金融・IT・サービス・情報通信など時代の先端を行く企業が数多く存在しています。また今回の新型コロナの影響もあり海外からの労働力も不足しており求人数においても高い水準が維持されています。 こうした状況により今後もマンション経営はどう変わっていくでしょうか。

今後も高まる女性の就業率

総務省の発表した「労働力調査」2021年9月分によると、女性の就業者数は2,993万人で前年同月比14万人の増加となっています。男性の就業者数は前年同同月比24万人減少してるいのと対照的に増加となっています。

15~64歳の女性の就業率は71.6%で前年同月に比べて1.1ポイント上昇しています。

特に地方都市から東京に来る女性は30代以下が多い傾向となっています。

さらに近年では女性の大学進学率が高くなっており、文部科学省「学校基本調査」によると特に東京都では女性の大学進学率は約70%と日本でもっと高くなっています。さらに都内の大学を卒業した女性の就職率は77.7%と男性の68.0%よりも高くなっています。 東京の大学を卒業してそのまま東京で就職する方も多いと思われますので、女性の就業率上昇の要因とも考えられます。

女性の管理職も増加傾向

このように女性の就業人口が増加する中で、女性の管理職も増加しています。東京都の発表した令和2年度「男女雇用平等参画状況調査」によると、課長以上の管理職に占める女性の割合は9.8%で前年から0.6ポイント上昇しています。2005年度から3.4%から比較する割合が大きく増加しています。

しかし欧米の例などと比較すると、まだまだ低い水準にあると考えられますので、今後さらに増加する可能性もあります。 経団連では、企業の役員に占める女性の割合は「2030年までに30%以上」とする目標を掲げ賛同企業も増加しています。さらに経団連では女性の仕事と家庭の両立支援策を強化するように呼びかけを行っており、今後は女性の社会進出や管理職などの増加なども期待されます。

課長以上に占める女性の割合の推移

割合
2005年度3.4%
2008年5.1%
2010年6.6%
2014年6.4%
2017年8.6%
2018年8.3%
2019年度9.2%
2020年度9.8%
<東京都「令和2年度東京都男女雇用平等参画状況調査結果報告書」>

今後は女性の賃貸需要もますます増加

こうした中で今後住宅業界において、ますます女性の賃貸需要が増加してくると予想されます。つまりマンション経営にも「女性からみた視点」で考える事がとても重要となってきます。

具体的には立地条件としては駅前に女性向けのファッションや生活雑貨などが揃う商業施設などがあって、通勤時に使う道路の安全性なども大切な要素となります。また建物全体については、おしゃれな外観はもとよりエントランスホールなどの共用部においては監視カメラやオートロックなどは必要不可欠となります。

また専有部分については、例えば女性が好むミストサウナなどがあればよりベターと言えます。ぜいたくを言ってはきりがありませんが、一定程度女性目線の視点が網羅されている物件が理想と考えます。

女性の不動産投資に対する関心が高まる傾向に

将来の年金不安なども高まっています。女性にとっても将来への備えは重要となってきているのではないでしょうか。女性の社会進出も増え、年収が増加するにつれてマンション投資を始める女性の方も増加してきています。特に単身の女性の方は若い内から将来について関心を持つケースもあります。

2020年には女性の寿命は87.74歳となり、なんと世界一となりました。男性は81.64歳で、それだけ老後の時間は女性の方が長い事になります。 近年では男性はもとより女性の生涯未婚率も高まっていますが、特に東京などの都市部においてはその傾向が顕著となっています。

今後の不動産投資においては不動産投資市場の中で女性の影響力が今後ますます高くなる事が予想されます。今後のマンション投資の際には女性からの視点、つまり「女性からも選ばれるマンション」が重要となってくると考えられます。

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