同じ生涯年収でもこれほど差が出る…【プロが教える不動産投資コラム】
日本人の平均寿命の長さは世界有数とも言われていますが、現役の会社員などとして働ける時間は生涯において限られています。しかし同じ年収をもらっている方でも、その資産運用法によっては生涯で得られる資産が人によって大きく異なります。
今回はお金の向き合い方と資産運用について考えてみましょう。
同じ条件なら生涯年収はほぼ同じですが
日本人の平均寿命が延びています。厚生労働省が発表した「令和2年簡易生命表」によると日本人の平均寿命は男性が81.64年、女性は87.74年となり過去最長となりました。最近は人生においてはよく「人生100年時代」と言われます。
いくら寿命が長くなっても人生の中で会社員などとしてとして現役で働ける時間は当然の事ながら限りがあるものです。その限られた時間の中でも生涯において得られる収入もまた限りがある訳です。
同じ会社に同期で入社してほぼ同じような出世街道を歩んで定年まで務めた場合、その生涯年収はほぼ変わらないと容易に推測ができます。
しかし人それぞれ多様な生き方、お金に対する多様な価値観、家族構成、人との付き合い方、まさに千差万別となる訳です。経済的な側面で言うと、その人の金銭感覚、お金との向き合い方によって大きな歴然とした差が生まれます。
一般的に上場企業のサラリーマンの生涯年収はおおよそ2~3億円前後と言われていますが、お金の使い方、資産運用の仕方、投資の仕方によって大きな差が生じます。
生涯賃金(60歳まで ※退職金を含めない)
高校卒 | 大学・大学院卒 | |
---|---|---|
男性 | 2億1,280万円 | 2億6,190万円 |
女性 | 1億5,230万円 | 2億1,730万円 |
※学校を卒業しただちに就職し、60歳で退職するまでフルタイムの正社員を続ける場合(同一企業継続就業とは限らない)
マイルを上手に活用する「達人」
私の知り合いの女性の経済評論家の方の中にポイントを貯める「達人」の方がいらっしゃいます。
その方はまずマイルの貯め方がとても上手で現在はやっとハワイの海外旅行が解禁となりましたが、コロナ前までは毎年私に届く年賀状では今年は家族5人でドバイに行ってきましたとか、韓国の済州島に行ってきましたとか、年間に高い頻度で海外旅行に行かれるという事で、いったいこの家族はどのくらい稼いでいるのだろうかと勝手に想像していました。
久々にお会いしてそのコツを聞いたところ「なるほど」と思いました。買い物から電話代から公共料金からありとあらゆる消費をマイルが貯まるようにつなげていたそうです。
ポイントや積立を上手に活用
デパートなどで高額な洋服を買う方などは、例えば百貨店などの友の会に入り毎月一定額を積立すると、1年後にはボーナスポイントが上積みとなり良いのもが安く買える訳です。
また旅行会社では旅行積立制度などを実施しており、積立額の例えば3%とか5%とかが還元されるそうです。 現在の世の中は昔では考えられない程のカード社会となり、またポイント社会となっています。
つまりそのような側面において疎い方と長けている方とでは、1ヵ月単位で見ると差異はそれほど感じないかもしれませんが、これが1ヵ月1年10年30年と期間が延びれば伸びる程、その差はどんどん拡大していきます。まさに塵も積もれば山となるという感覚です。
また副次的な効果として大切なお金を効率よく大切に使うという感覚が身に付く事ではないかと考えます。
投資ややりくりを長く続ける事が重要
このように生涯年収が同じでも実質的な生涯年収は人によって差が出る訳です。
また資産運用においてもただひたすら天引き預金をする方と、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)、企業年金など貯蓄性があり節税効果のある金融商品に長期運用で投資したり、また日本人にとってなじみの深い長期を前提とした不動産投資なども最近は若い方から中年の方まで幅広い層に人気があるようです。
政府は一般の会社員の方々に副業を推奨していますが、肉体的にも時間的にも当然の事ながら限界がある訳です。 という事は日常的な「上手なやりくり」から長期的な資産運用まで、まず小さい事からコツコツ長い目線で行動を続ける事がまさに大切ではないかと考えます。
自分なりのスキーム作りも大切
筆者が実際に行っている「やりくり」の例といたしましては、飲食店などもあまり幅を広げずその中でポイントがたまるように努めています。
またホテルなども出張などでも一定のホテルに泊まる事によりそのホテルでポイントも貯まります。
上手に貯めるコツはあまり対象を広げず、集中的にポイントがたまるようなスキームを作る事が大切かと考えます。
そういう慎ましい生活をしつつ、旅行とか家族のイベントとか友人や知り合いのお祝い事とかそういう所にはドカンと気持ちよく使うというまさに「メリハリ」が大切ではないでしょうか。
家計の金融資産は2,000兆円を突破
日銀の発表によると2021年末時点の家計の金融資産は前年同月比4.5%増えて2023兆円となり、初めて2000兆円を超えました。
年収が増加している方もいらっしゃいますが、多くの方はあまり給与は伸びているとは言えないのではないでしょうか。しかしこうした状況の中でも資産を増やしている方も多く、株式などをお持ちの方は株価の上昇で資産が増えたり、ドル高円安により外貨預金などの利益が出た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしこうした投資は景気の影響も受けやすく損失が出る場合もあります。またインフレが進行しているので、現金で資産を持っていてもその実質的な価値は下がってしまう事もあります。 サラリーマンの方には安定した不動産投資、中でも「マンション投資」をお勧めいたします。
家計の金融資産
2020年12月末 | 2021年12月末 | |
---|---|---|
金融資産残高 | 1,936兆円 | 2,023兆円 |
前年比 | 2.5% | 4.5% |
マンション投資をするとしないとでは
では同じ生涯年収の方でもマンション投資をする方としない方の生涯の資産について考えてみましょう。
例えばAさん、Bさんともに同じ会社に勤務し同じような出世をして同じようよう生涯年収となりました。
ところがBさんは30歳の時に少額の自己資金で「マンション投資」を始めていました。毎月のローンは家賃収入で返済しますが月々1万円程度の持ち出し、さらに設備の補修などで時々臨時の出費もありましたが、35年返済で65歳時にはローンも完済しました。
Aさん、Bさんともに65歳で完全にリタイヤとなった時に、Bさんにはワンルームマンションという資産が残った訳です。
さらにリタイヤ後にはAさん、Bさんともに同じ年金をもらいますが、Bさんはそれに加えて毎月の家賃が10万円程度入ってきます。さらにいざという時には不動産を売却する事ができる他、もしローン返済中に自分が先に亡くなってしまっても、団体信用生命保険でローンが完済されますので奥さんや子供にその収益不動産を残す事もできます。
つまり同じ条件の方であってもその資産運用法によっては大きな差が出た訳です。
まとめ
広島カープからアメリア大リーグカブスに移籍した鈴木選手やエンジェルスの大谷選手などは年棒が何10億というまさに夢の世界にいらっしゃる訳です。
最近では外資系金融機関やIT関係、DX関係、など時代の先端を行く職業の会社員の中では億単位の収入がある方もいらっしゃるそうですが、一般のサラリーマンの方はやはり生涯年収にある程度の限りがあるのはやむを得ないかもしれません。
このように同じ会社に入社しても生涯年収が同じでもそのプロセスの中で使い方や資産運用の仕方によって特にサラリーマン生活における終盤においてとてつもない大きな差が生じる事を念頭に早めの行動をお勧めしたいと思います。