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大井町エリアの再開発と不動産投資への影響【プロが教える不動産投資コラム】

4月からの賃上げやコロナが収まりつつありインバウンドも増え、さらに2023年3月に卒業する大学生の就職内定率が90%を超えたとの明るいニュースも目立っています。就業人口が増えればそれだけ新規に住宅需要も発生しますので、都心部など企業の多いエリアにアクセスしやすい沿線などの不動産需要も増加する可能性があります。

品川駅にも近い京浜東北線「大井町」駅前が大きく変わろうとしています。品川区とJR東日本では「大井町」駅前の「広町」地区で大規模な再開発を予定しています。こうした大井町駅周辺再開発と不動産投資との関係などを見てみましょう。

利便性の高い「大井町」駅

「大井町」駅は人気の高いJR「京浜東北線」の駅ですが、さらにJR「りんかい線」、「東急大井町線」も利用できる利便性の高い駅です。品川区のほぼ中心に位置します。

JR山手線や新幹線も利用できる「品川」駅までわずか1駅です。また「品川」駅では2027年に「リニア中央新幹線」の開業も予定されており将来性の高い駅です。

「大井町」駅前で大規模再開発計画がスタート

再開発は多くの時間をかけて進行しますが街としての資産価値も上昇します。

品川区では「品川区市街地整備基本方針(H13年)」が策定され、それに沿って「大井町駅周辺まちづくり構想」が策定されました。

さらに「大井町駅周辺地域まちづくり方針(2020 年)」が策定され街の再開発が進められています。「大井町」駅の東側の「広町地区」にはJRの「総合車両センター」があります。

また、かつて広町地区にはJRの社宅である「JR東日本大井町社宅(旧国鉄広町アパート)」がありましたが、2017年に解体されてその跡地に劇団四季の「キャッツシアター」が2018年に開業しました。

現在はキャッツシアターも閉館し、JR東日本から「広町地区」の新たな再開発の着手計画が3月7日に発表されました。駅に近い広大な用地の再開発が予定されています。

「大井町」駅前のまちづくり方針の対象区域

<品川区「大井町駅周辺地区のまちづくり」>

JR東日本による「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」

広町地区再開発では「A-1地区」は地上26階、高さ115mのビルなどが建設される予定でオフィス、商業施設、ホテル、賃貸住宅などが入ります。A-2街区は地上2階の商業・駐車場などの入るビルです。2023年4月末に本体工事着手、2025年度末開業の予定となっています。

「大井町」東口駅舎も改良され新しい駅出口の新設も計画されています。駅から再開発地を通り品川中央公園方面へ歩行者ネットワークとして歩行者デッキ、広場などが建設されます。

また鉄道のメンテナンス拠点となるJR東日本の車両基地「東京総合車両センター」に接しており再開発による建物からは車両基地を一望できるようになる予定です。

品川区役所の新庁舎が移転

再開発プロジェクトの中には品川区役所の新庁舎の建設の計画もあります。

現在の品川区本庁舎や議会棟、第三庁舎は1968(昭和43)年に建築されましたが、50年以上が経過し老朽化が進んでおり再開発地への移転が計画されています。

このように大井町駅前には品川区役所がリニューアルする事で、駅前の再開発と合わせて品川区の新たな拠点としての発展が期待できます。

品川区新庁舎建設予定地

<品川区「品川区新庁舎整備基本計画」>

「品川」「高輪ゲートウェイ」などでも再開発が進む

JR東日本では「浜松町」駅から「大井町」駅に至る「東京南エリア」の開発を進めています。「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」を中心に各駅でまちづくりを進める事で、東京の国際競争力向上と国内外からの多様な人々の交流・流動の創出を図りJRの収益も強化するものです。

「大井町」駅から2駅目の「高輪ゲートウェイ」駅でも「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」の開発が進み「高輪ゲートウェイ」駅から「品川」駅までの広範囲なエリアに再開発が進行しています。特に「田町」駅から「品川」駅までの広大はエリアは「都市再生緊急整備地域」にも指定されており、再開発が急ピッチで進んでいるエリアです。

また「大崎」駅周辺も「都市再生緊急整備地域」に指定されており、「大井町」駅の近隣には将来性の高いエリアが多いと言えます。こうしたエリアが一体的に発展する事により、東京の丸の内に匹敵するビジネスエリアが誕生する可能性もあります。

周辺沿線への波及効果は

「大井町」駅周辺の開発が進めば、沿線上にも住宅需要が増加するなどの波及効果が期待されます。

「京浜東北線」は埼玉県の「大宮」駅から神奈川県の「横浜」駅を通り、根岸線の「大船」駅まで運行する路線です。東京の主要なビジネスエリアを通る路線です。広範囲なエリアから「大井町」駅へのアクセスが可能です。

「りんかい線」は「大崎」から「新木場」駅までを運行していますが、JR埼京線とも直通運転をしており「大宮」方面から「新宿」「渋谷」駅などにも直通の路線です。臨海エリアにも運行しています。

「東急大井町線」は「大岡山」「自由が丘」などの住宅街から運行しています。田園都市線との直通運転を実施している列車もあります。

品川区、大田区、世田谷区などの東京南エリアの住宅地を通り「二子玉川」や「溝の口」まで運行しています。こうしたエリアの住宅需要も増加する可能性があります。

羽田空港へのアクセスも期待される

2029年度開業予定の「羽田空港アスクセス線」が「大井町」駅付近を経由する事が予定されています。「大井町」は羽田方面からも近い東京のサウスゲートとなり、その重要性も増してきます。「大井町」から1駅の「品川」駅からは「新幹線」と「リニア中央新幹線」が利用でき、さらに羽田空港へJRで直通となれば、国内のみならず国際的なビジネス街としても発展が期待されます。

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