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不動産投資は果たしてどのような方々が実践しているのか【プロが教える不動産投資コラム】

2024年の夏はパリオリンピックが大いに盛り上がり日本人選手が多くの種目での活躍はとても感動しました。国民の方の中では期間中寝不足の方も多かったのではないでしょうか。

また2024年8月28日から9月8日までの12日間にパラリンピックも期待されます。夏休みなどの1年の中でまとまった時間がある時に自分の足元を見つめ直したり、長期の視点で物事を考える良い機会となるのではないでしょうか。

近年では資産運用に関心を持つ方も急速に増えていますが、不動産投資も同様です。

しかしこれから不動産投資を考えていらっしゃる方の中には果たしてどのような人が不動産投資をしているのか気になるところだと思いますので、その辺の事情について述べてみたいと思います。

株式市場は大きく変動

2024年7月31日には日銀から利上げの発表がありました。同時に米国から経済統計の発表があり、これがあまり良くなかった事も重なり日経平均株価が大きく下落し過去最大の下げ幅となりました。

特に若い方々にとってみれば、今回の株価急落により、資産運用について不安を抱いた方も多かったのではないでしょうか。

ここで筆者が提案したいのは、ボラティリティ(変動度合い)の高い投資から比較的安定度の高い不動産投資、特に少ない自己資金を一定の信用力でスタートできるワンルームマンション投資です。

政府の推奨もありNISAなどを始めている方も多いですが、実際にどんな方が不動産投資をしているのか、過去から現在にかけて筆者の体験も交えて見てみましょう。

かつて不動産投資をしていた方は一部の高額所得者層

筆者は長年の間多くの不動産会社からの依頼でセミナー講師を務めてきていますが、この何十年かの間で、ワンルームマンションの購入層は大きな変化の道をたどってきました。

まず筆者が大京時代に営業マンをしていた時代には、投資向けワンルームマンションの購入者の多くが年収1000万円以上の高額サラリーマン・ドクター・税理士・会社経営者などが占めていました。

なぜならその時代の物件価格はさておき、融資金利が7~8%の時代でしたので、一般サラリーマンが購入するとローンと家賃の差額が1戸当り10万円を超えるケースもあり、中間層のサラリーマンの方にはよほど現金を入れないかぎり手が届かない存在でした。

しかし、最近ではその購入層も多様化してきています。

ワンルームマンションの購入層が多様化

近年では不動産会社によっては、ワンルームマンションの購入層として自衛隊の方々を中心に販売網を広げている会社があります。自衛隊の方々は多くの方は定年年齢が55歳で一般のサラリーマンより老後の時間が長いので、20代とか比較的早い年齢でマンション投資を始める方が多いようです。

また、会社によっては勤務医・開業医のようなドクターを中心に営業展開している会社もあります。彼らは比較的年収も高く、複数戸のワンルームマンションを買う方も多いようです。

また、都内の新築のワンルームマンションは近年価格も穏やかながら上昇傾向となってきていますので、比較的年収の高い外資系企業・金融・証券会社勤務、さらに上場企業の勤務の方なども増えています。

女性のお客様・外国人の方も増加に

また、明確な統計はありませんが、各不動産会社に筆者がヒアリングした限り、女性のお客様の数もとても増えています。最近は多くの不動産会社で契約者を集めたセミナー・勉強会をされてアフターフォローもしっかりされていますが、そのような場に招かれて講演する際には、明らかに女性の割合が高まっていると肌感覚でも実感します。

ではなぜ増えているかと言いますと、女性の社会進出も進み、年収の高い女性も多くなってきています。女性の方が平均寿命は長く、将来のための備えへの関心も高まってきているのではないでしょうか。

また、中古のワンルームマンション等では中堅企業の会社員の方々が割と多い感じです。

変わった所では時代を反映している事もありますが、You Tuberなども散見されます。

近年では円安が加速し、ワンルームマンション市場においても外国人投資家がとても増えています。特に羽田空港から4時間圏内で行けるアジア商圏においては、20億以上の人口があり、中国、台湾の方々を中心に最近ではインド、ベトナムなどの投資家なども増えているようです。

現金購入の方は相続対策にも

現在日本には個人の金融資産が約2200兆円あり、国民一人当たりの金融資産は単純計算で1人当たり約1700万円となります。現金を多く持つ世代は圧倒的に60代以上で、特に60代の方は長年蓄えた預貯金に退職金が加わり、さらに親御さんからの相続資金も入りますので億単位の金融資産を持つ方も多くいらっしゃいます。

その結果、ある不動産会社では契約者の半分がローンを使わないで現金で投資用ワンルームマンションを複数個購入する方も多いようです。その目的はズバリ相続対策です。

ワンルームマンションは現金をそのまま相続するよりも相続税が少なくなる場合があり、さらに賃貸用も不動産ではその効果も高くなるので、将来の相続の時にも有利となる場合があります。

プロ野球選手の資産運用にも

さらに変わった所では、ある投資系ローン会社はプロ野球選手が利用できるローンを開発しました。一般的に芸能人やスポーツ選手は会社員のように終身雇用はありませんので、中期・長期のローンは組みづらい傾向にあります。

しかし入団時の潤沢な契約金や活躍した後の大幅な年棒アップなどで信用力を高め、一定の自己資金を投入して中期のローンを組んで不動産投資をする野球選手も実際いらっしゃいます。当然の事ながら野球選手などは現役での稼働年数より引退後の時間の方がはるかに長いからです。

また、芸能人の方の中にも不動産投資を行い安定した収入を得ている方もいらっしゃるようです。ひと昔前の芸能人の方は「宵越しの金は持たない」とばかりに収入を全て使ってしまう方も多かったようですが、現在は堅実な方も増えているようです。

多くの方がワンルームマンション投資をしていますが

このように一口にワンルームマンション投資と言ってもその購入者の実際の属性は今回述べた以外にも多くの対象・ケースがある訳で、一言で言うとワンルームマンション投資のマーケットはとてつもない厚い需要層の上に成り立っている投資の世界であるという事が分かります。

ホテルのロビー等で不動産会社の営業の方と一対一で対面していると果たして自分が選択した投資は正しいのかと不安視する方もいらっしゃると思いますが、そこはご心配ないかと考えます。

但し多くの方がやっているから安心という気持ちが強すぎると、そこには落とし穴も予想されます。どのような会社から購入するかという会社選び、また物件選びにおいては立地と将来性などの資産性も重要となってきます。将来に渡って住宅賃貸需要の多いエリアの物件は人生100年時代にふさわしい資産寿命の長い資産となるからです。

不動産投資は人が買っているから安心という安易な気持ちで買うのではなくて、自分自身の購入能力を認識する事と優良な不動産を選択する視点がとても大切であると考えます。

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