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東京の人口動向と不動産投資の未来。魅力的なエリアで資産価値を高める方法

最新の人口移動報告から見る東京の人口動向と労働人口の増加が不動産投資に与える影響を解説。魅力的なエリアでの投資が資産価値を高めるポイントを紹介します。人口減少リスクを回避し、長期的な視点で不動産投資を成功させる方法を探ります。

転入超過エリアの魅力:企業集積と再開発で人口増加を実現

人口動態には、出生や死亡などで人口が変わる「自然動態」と、転出・転入などで人口が変わる「社会動態」があります。このうち特に「社会動態」が重要なポイントとなります。転出人口よりも転入人口が多いエリアは「転入超過」となります。

総務省が発表した2024年の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2024年に転入超過となった都道府県は全国でわずか7都府県でした。中でも東京都が最も多く7万9,285人、次いで神奈川県が2万6,963人、埼玉県2万1,736人、大阪府1万6,848人などが続きました。

こうしたエリアは企業の集積に加え、再開発や鉄道インフラの整備なども進み就業人口の多いエリアとも言えます。特に日本のように人口が減少傾向にある国においては地方における過疎化、都市部への就業人口の増加、若年層における就学等の理由も相まってより人口が増える傾向があると考えられます。

◼︎都道府県別 / 転入超過ランキング

順位都道府県転入超過数
1位東京都7万9,285人
2位神奈川県2万6,963人
3位埼玉県2万1,736人
4位大阪府1万6,848人
5位千葉県7,859人
6位福岡県4,160人
7位山梨県82人
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

転入超過エリアの拡大と希少性:東京、千葉、大阪の魅力を探る

転入超過の都道府県のうち、転入超過数がさらに拡大したのは東京都、千葉県、大阪府で、転入超過数が縮小したのは埼玉県、神奈川県、福岡県となりました。

とは言っても依然転入超過には変わりはないという事です。

珍しい事例としては山梨県が2023年に転出超過でしたが、2024年に転入超過となりました。その理由としては外国人観光客の増加にともない就業人口が増加している可能性があります。また旅行先として訪れた所でそのエリアの環境や人の暖かさにほれ込んで移住するという方々も多いのではないでしょうか。

日本全国で転入超過数が増加しているのはわずか3都府県しかありあません。こうしたエリアは不動産投資先としても極めて希少性が高いと考えられます。

◼︎転入超過の都道府県の状況

状況都道府県
転入超過数が拡大東京都、千葉県、大阪府
転入超過数が縮小埼玉県、神奈川県、福岡県
転出超過 → 転入超過山梨県
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

東京圏の若者集中と大阪圏の女性増加:都市圏別人口動向の魅力

都市圏別に見てみると、東京圏では13万5843人の転入超過となり、東京圏を構成する東京都、神奈川、埼玉、千葉の全ての都県が転入超過となりました。

また東京圏の転入超過数を年代別に見ると20~24歳が最も多く8万6908人で、次いでで25~29歳の3万2065人となっています。若い世代が東京圏に多く集中してきている事が分かります。

次に大阪圏では2,679人の転入超過ですが、男女別に見ると男性は転出超過で女性は転入超過となりました。大阪圏には女性が多く集まっている状況となっています。

意外な所では名古屋圏においては1万8,856人の転出超過となりました。

※東京圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県/大阪圏:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県/名古屋圏:愛知県、岐阜県、三重県

転出超過エリアの現状:広島、愛知、兵庫の人口動向を分析

では逆に転出超過の状況を見てみましょう。

転出超過となっている都道府県は40道府県にものぼります。広島県が1万711人と最も多く、次いで愛知県(7,292人)、兵庫県(7,287人)、静岡県(7,271人)などとなっています。

このうち転出超過が拡大したのは25都道府県、転出超過が縮小したのは14都道府県で、転入超過から転出超過に変わったのは滋賀県でした。

東京都の転入超過と住宅需要の増加:若者集中で資産価値も上昇

東京都では2024年の転入超過人口が7万9,285人、また東京23区では5万8,804人となりました。

東京都の転入超過人口は新型コロナの影響で減少した2021年を底として上昇が続き、2022年には約3万8千人、2023年には約6万8千と拡大し2021年と比較して2024年には7万人以上の拡大となりました。

それだけ住宅需要も増加する事になります。また転入人口のうち若い世代が多いので、ワンルームマンションの需要も今後も多いと予想されます。

東京では2024年だけでも8万人近く人口が増加しますので、不動産の資産価値にも影響を与える可能性も高いと考えられます。

◼︎東京都の転入超過数<2024年>

転入転出転入超過
東京都46万1,454人38万2,169人7万9,285人
東京23区40万5,916人34万7,112人5万8,804人
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

◼︎東京都の転入超過数の推移

2020年2021年2022年2023年2024年
転入超過数3万1,125人5,433人3万8,023人6万8,285人7万9,285人
<総務省「住民基本台帳人口移動報告」2024年結果 >

労働人口の増加とマンション投資の関係:単身サラリーマンの需要を掴む

次に労働人口について触れてみたいと思います。

人口に動向の中でも就業者の動向もマンション投資には需要なポイントとなります。ワンルームマンションを借りる方は単身のサラリーマンの方が多いからです。

総務省が発表した労働力調査によると、就業者数は増加傾向にあり、2024年平均の全国の就業者数は6,781万人で4年連続の増加となりました。

◼︎就業人口の推移

2023年2024年
就業者数6,747万人6,781万人
男性3,696万人3,699万人
女性3,051万人3,082万人
<総務省「労働力調査」>

さらに東京都の就業者数を見ると2022年は約833万人、2023年は約837万人と増加傾向にあり、2024年の7~9月では約847万人と増加しています。

◼︎東京都の就業者

2022年2023年2024年7〜9月
就業者数833万2千人837万9千人847万9千人
男性455万9千人457万6千人457万9千人
女性377万3千人380万2千人390万1千人
<東京都「東京の労働力(労働力調査結果)」>

東京都の女性雇用者増加とマンション投資の未来:IT・金融業界の影響を探る

東京都の2024年7~9月の非農林業雇用者数を見ると男女計で771万人、前年同期比1.5%の増加です。そのうち男性は411万人で0.5%の増加、女性は359万人の増加で同2.8%の増加となり女性雇用者の増加割合が男性よりも大きくなっています。

女性の雇用者が増加している背景としては、東京都には女性雇用の受け皿となるIT、情報、金融、サービス業など業種も多く多岐に渡っている事も挙げられます。

今後ますます女性目線のマンション投資が重要となってくると考えられます。

◼︎企業の従業者規模別雇用者数(非農林業)<2024年7~9月>

男女計男性女性
総数7,714(1.5)4,118(0.5)3,596(2.8)
 1~ 29人1,732(1.9)917(4.1)816(-0.4)
 30~499人2,379(3.3)1,210(-1.5)1,169(8.7)
 500人以上3,040(1.6)1,698(2.0)1,341(1.1)
<東京都「東京の労働力(労働力調査結果)」>

単位:千人、( )内は対前年同期比増減率(%)

今回のコラムでは最新の人口動態について述べてみましたが、これからの不動産投資においては最も高いリスクとして挙げられる人口減少・空室率などに直結する要素について考察してみました。

不動産投資は長期の視点に立脚して検討する事が極めて重要で、今後は特に法人の賃貸需要も含めより魅力的な街、交通ネットワークの優れた街、それに加えて安心・快適性が伴うエリアにはより人口の集積が高まると考えられます。

不動産投資を考える方においては人口動態についてもこの機会に興味関心を持って頂ければ幸いです。

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