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ドジャースと12年465億円契約! メジャー1年目でWS制覇した山本由伸の“お金事情”を解説

米大リーグのロサンゼルス・ドジャースは、10月30日(日本時間31日)に行われたワールドシリーズ第5戦で、ニューヨーク・ヤンキースに逆転勝ち。2020年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝きました。

移籍1年目にして栄冠に輝いた大谷翔平選手とともに、ワールドシリーズ制覇に貢献した日本人選手として話題を呼んだのが、メジャー挑戦1年目の山本由伸選手です。

山本選手は2023年12月、プロ野球オリックス・バファローズからドジャースに移籍。彼の獲得後に登板が実現した今回のワールドシリーズでは、その見事なピッチングにより初舞台ながら輝かしい勝利を飾りました。

本記事では、日本だけでなく世界でも注目を集める山本選手の契約額や年俸など“お金事情”に迫ります。

MLB史上最高額&最長となる超大型契約の投手

ロサンゼルス・ドジャースが山本選手の獲得を発表したのは、2023年12月。ポスティングシステム(入札制度※)を通じたメジャー移籍で、2023年〜2035年までの12年間の契約です。

※プロ野球において認められている移籍システム。海外FA権を持たない選手がメジャーリーグに移籍できる

驚くべきはその契約額で、なんと総額は3億2500万ドル(約465億円/入団合意時の為替レートで換算)。日本球界から移籍する投手としては、2014年に東北楽天ゴールデンイーグルスからニューヨーク・ヤンキースへ移籍した田中将大選手の7億1億5500万ドルを上回っています。また、ヤンキースがゲリット・コール選手と2019年に結んだ9年総額3億2400万ドルをも超える、メジャー投手史上最高額となりました。

本契約には、6年目(2029年)と8年目(2031年)のシーズン終了時に残りの契約を破棄できる「オプトアウト条項」も含まれています。

なお、ドジャースのほかに山本選手の獲得を目指していたヤンキースは10年総額3億ドル(約420億円)と5年目終了時に契約破棄できる権利、メッツはドジャース同様に12年総額3億2500万ドルのオファーを提示していたようです。

メジャーリーグの歴史に新たな1ページを刻んだこの契約において、オリックスに入った譲渡金は5062万5000ドル(約72億円)とされています。ドジャースがいかに山本選手を重要視しているかを物語っている金額だと言えるでしょう。

ドジャースがここまでの巨額投資を決断した背景には、彼の安定した投球技術と圧倒的な成績があります。

2017年に宮崎・都城高校からドラフト4位でオリックス入りした山本選手は、日本プロ野球(NPB)で数々の輝かしい記録を打ち立て、2021年から3年連続で前人未到の「投手4冠」を達成。投手4冠とは、先発投手の主要タイトルである最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、勝率第一位投手(最高勝率)を獲得することを指しており、長いプロ野球史でもたった12人しか達成者がいない名誉ある称号です。

さらに、その年の日本プロ野球で最も活躍した完投型先発投手を対象として贈られる「沢村賞」も3年連続で受賞。日本のエースとして絶対的な地位を築き上げてきました。

その安定した実力と勝負強さは、日本代表として活躍した2021年の東京五輪での金メダルや、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での優勝など好成績を挙げたことで証明されており、ドジャースが長期契約を提示するに至ったのです。

山本由伸の初登板!ワールドシリーズでの大活躍

山本選手はオリックス在籍中にリーグ3連覇や日本一を経験し、WBCでは世界一奪回を達成するなど“頂点”に縁のある選手です。とはいえ、彼のメジャー1年目は決して平坦な道のりではありませんでした。

メジャー初登板・初先発となったパドレスとの地区シリーズ第1戦では、3回5失点の苦しいスタートを切っています。レギュラーシーズンでは18試合の先発で7勝2敗、防御率3.00の成績を収めるも、右肩腱板の負傷で6月中旬から約3ヶ月間戦線離脱。

歯がゆい時間を過ごしながらも、ナ・リーグ地区シリーズから本格復帰を果たします。以降は好投が続き、7勝を挙げてチームに貢献しました。

ワールドシリーズまでの16試合で“最重要試合”となった因縁のパドレスとの地区シリーズ第5戦では、ダルビッシュ有選手との投げ合いで5回2安打無失点。「負ければシーズン終了、勝てばリーグ優勝決定シリーズ進出」が懸かる重要な一戦で2-0の勝利を収め、その後に続く道を拓きました。

メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦では、5回途中2失点と力投。

さらに、ヤンキースとのワールドシリーズ第2戦では6回1/3、86球を投げ、1安打1失点、4奪三振2四球と圧巻の投球を披露。打者11人連続を凡退させ、スタンディングオベーションを受けながらマウンドを降りました。観客や米国メディアからも「3億2500万ドルの価値を感じさせるピッチングだった」と称賛の声が相次ぎ、ドジャースのワールドシリーズ制覇に向けた重要な一戦で勝利を飾りました。

こうしてドジャースは4勝1敗の通算成績で、4年ぶり8回目のワールドシリーズ制覇を果たします。山本選手は、大リーグ1年目にしてチームに大きく貢献しました。

WSでの大活躍を見せた山本選手の年俸は?

ここで気になるのは、山本選手の年俸です。彼の場合、契約金総額の均等割りにはならず、後半になるにつれて高くなる仕組みになっているとのことですが、その比率は明らかにされていません。

山本選手の契約では大谷選手のような後払いはなく、また総額のうち5000万ドル(約71億円)は年俸ではなく契約金となっており、2024年に全額支払われるそうです。契約金を差し引いた金額を仮に均等に割った場合、推定年俸は約2292万ドル(約33億円)と考えられます。

契約の総額を契約期間1年あたりの報酬に換算して比較した場合、メジャー史上最高額となる選手は、同時期に入団が発表された大谷翔平選手の7000万ドル。一方の山本選手は、歴代の推定年俸ランキングTOP10にこそ届かないものの、先述のとおり6年目・8年目の契約破棄権が契約に付帯しているため、今後の活躍次第で更新の可能性もあるかもしれません。

このように、山本選手は大谷選手に次いで日本人投手の新たな道を切り拓く存在です。ドジャースへの移籍と巨額契約は、日本人投手がMLBで得る評価や価値の指標となり得る歴史的な出来事となりました。

ダルビッシュ有選手や田中将大選手、そして近年では大谷翔平といった日本のトッププレーヤーたちが活躍し、MLBにおける日本人選手の価値が再定義されつつある中で、山本選手もまたその一翼を担う存在といえるでしょう。今後の活躍次第で、さらに日本の若手選手たちにとってMLBの道が広がる可能性もあります。

山本選手は先日、モデルでタレントの丹羽仁希(Niki)さんとの“デート動画”がSNS上で拡散され、ファンやメディアの注目を集めました。野球選手としての活躍や金銭事情だけでなく、プライベートの話題にも事欠かない彼からは、今後も目が離せませんね。

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