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引っ越しシーズン到来! 賃貸住宅は更新する? 引っ越す?

この記事でわかること
・3〜4月の引っ越し繁忙期に料金が高騰する理由と実際の相場差
・賃貸は更新すべきか、引っ越すべきかの判断基準
・家賃交渉と固定費削減で、浮いたお金を資産形成に回す方法

春は出会いと別れの季節とよく言われますが、引っ越しがたくさん行われる「引っ越しシーズン」でもあります。進学・就職・異動など、その理由はさまざまですが、新年度からの新しい生活に備えて、引っ越す人が増えます。

引っ越しシーズンに気になるのは、すでに賃貸住宅に住んでいる人が契約更新したほうがいいのか、それとも引っ越したほうがいいのかということ。更新か引っ越しか、判断のポイントを紹介します。

毎年3月〜4月は引っ越しのピーク!通常より料金は倍に!

毎年3月〜4月は、引っ越しが集中する時期。国土交通省の引っ越し件数のデータを見ると一目瞭然です。

<令和5年度における大手引越事業者6者の引越件数>

国土交通省「令和5年度における大手引越事業者6者の引越件数」より

3月の引っ越し件数は5月〜翌2月までの毎月の引っ越し件数の約2倍に急増しています。4月の引っ越し件数も同じく約1.5倍です。そのため、この時期に引っ越しをしようとしても引っ越し業者が見つからないという事態も起こっています。

国土交通省が作成した2025年の「引越繁忙期対策チラシ」では、3月の第3土曜日〜4月の第1日曜日までの約3週間が特に混雑すると予想されています。2025年は、2024年に行われたトラックドライバーの時間外労働への上限設定(いわゆる「物流の2024年問題」)によって、繁忙期に引っ越しがしにくいと考えられていました。とはいえ、3月・4月の引っ越し件数から考えると、例年、ほぼ同じような状態で混雑しているものと考えられます。

繁忙期の引っ越し代金は、他の月よりも高い傾向があります。SUUMOの記事によると、通常期(5月〜1月)と繁忙期(SUUMOの場合、2月〜4月)の引っ越し代金の料金相場と差額は次のように紹介されています。

<引っ越し料金が安い月と高い月の差額>

SUUMO「2025年最新版|引っ越し費用が安い時期はいつ?高い時期も含めて徹底調査」より

データは単身者で荷物が多い場合(荷物大)と、4人家族の場合で、同一地方(51km〜200km未満)に引っ越す場合の料金相場です。繁忙期に引っ越しをすると、単身者で約2.3万円、4人家族で約4.8万円も費用がかさんでしまう計算です。

また、引っ越しの見積もり比較サイト「引越し侍」の調査では、3月の中でも上旬・中旬・下旬と4月に近づくにつれて引っ越し平均料金が高くなることが示されています。

<通常月と3月の引っ越し平均料金の比較>

引越し侍のプレスリリースより

家族でも単身でも、3月下旬の引っ越し平均料金は通常月の2倍以上になっています。さらに、同調査では引っ越しの見積もりが117万円だった事例なども紹介されています。

こうしたことを受けて、国土交通省ではピーク時の引っ越しを避けてもらうようにと「引越時期の分散に向けたお願い」を出しています。引っ越しの時期を分散することで、引っ越し代金が安くなったり予約が取りやすくなったりしたことを紹介しています。

賃貸住宅は更新する?引っ越す?

すでに賃貸住宅に住んでいる人のなかには、引っ越しシーズンに契約更新するか引っ越すかで悩む人がいます。賃貸住宅の契約期間は、多くの場合2年間(1年間もあり)です。ですから、おととし(去年)3月〜4月に引っ越して賃貸住宅に住みはじめた人の場合、今年の3月〜4月に契約更新を迎えるケースが多いのです。

賃貸住宅の契約更新と引っ越しのメリットは、それぞれ次のようなところにあります。

【契約更新のメリット】

●引き続き住み慣れた環境で生活できる

契約更新する時点で、すでにその家に2年など、ある程度の期間住んでいるのですから、家の使い方も慣れたものでしょう。家の周辺の住環境や近所に住む人の様子などもわかっているはずです。契約更新すれば、引き続き住み慣れた環境で生活できます。


●引っ越しよりもお金がかからない

契約更新のときには、更新料を支払わなければならない場合があります。更新料は、更新後の家賃の1か月分が一般的です。ただ、引っ越しには更新料よりも多額の費用がかかるケースが多いため、引っ越しよりお金がかからないのはメリットといえます。もちろん、引っ越しの手間もありません。

【引っ越しのメリット】

●もっと家賃の安い物件・自分の気に入った物件に住める

引っ越しをすれば、今より家賃の安い物件や、自分の気に入った物件に住むことができます。今の住環境に不満がある場合には、住みたいエリアに引っ越すことで、生活習慣やライフスタイルが変わり、新鮮な生活が送れるでしょう。

●無駄な更新料を支払う必要がない

契約更新よりも引っ越しをしたほうがお金は高くつくことが多いです。しかし、更新料がもったいないと感じることもあるでしょう。更新料を払うくらいなら、更新料の分を引っ越し代金にあてて引っ越したほうがいいと考えて引っ越す人も少なくありません。

契約更新と引っ越しのデメリットは、メリットの裏返しです。一度に支払う費用を抑えるという意味では引っ越しのほうが不利なことが多いですし、生活環境を変えたり毎月の家賃を抑えたりするのは契約更新では難しいかもしれません。どちらも一長一短あって、どちらがいいかは個々のケースによって変わってきます。

大切なのは、今の家が自分の生活に合っているかです。

今の住まいにおおむね満足しているというのであれば、そのまま契約更新をするのがいいでしょう。「更新料が高いから引っ越す」はあまりおすすめしません。ただでさえ引っ越しシーズンで引っ越し代金が値上がりしているうえ、引っ越しをするとなれば敷金・礼金・仲介手数料などの費用もかかります。時間と労力も取られます。

一方、住まいや周辺環境の不満を改善したい、家賃を下げたいといった明確な目的があるなら、引っ越しも十分に視野に入るでしょう。とくに近年は首都圏の賃貸価格が上昇しています。「普段からリモートワークで職場から遠くなっても支障ない」などという場合は、思い切って郊外に住むようにすると、家賃を大きく下げられる可能性があるでしょう。

家賃交渉はできる?

賃貸住宅の契約更新のときには、家賃交渉をしてもいいかもしれません。家賃交渉とは、今の家賃の見直し(引き下げ)をお願いすることです。家賃交渉をして必ず値下げが実現するとは限りませんが、契約更新は契約内容を見直して更新することなのですから、比較的お願いしやすいでしょう。

家を借りる側としては、できるだけ家賃を抑えたいですよね。しかし、だからといっていきなり「できるだけ家賃を下げてほしい」と言ってもまずうまくいきません。家賃交渉をするときには、下調べをきちんとしましょう。

そもそも、家賃が決まる要因には、立地や周辺の環境、建物の築年数、家の広さや間取り、設備の状況などがあります。これらは、周辺の環境が変わったり、物件が古くなったりすることで変わっていきます。しかし、長く住んでいたとしても、家賃が自動的に下がることはほとんどありません。そこで、自分の住んでいる家が相場と比べてどうなのかを確認し、相場よりも高ければ家賃交渉ができるかもしれない、というわけです。

家賃交渉をするために、不動産情報サイトで同じエリア・同程度の条件の物件を調べてみましょう。自分の住んでいる家に空室があり、入居者を募集しているというのであれば、その価格を確認します。また、駅からの距離、築年数、広さ、間取りなどが近い物件を複数確認することで、そのエリアのおおよその相場感がつかめます。自分の家賃よりも安い物件が多く見つかれば、交渉材料になります。

近隣の不動産会社に「このあたりの相場はどれくらいですか」と聞いてみるのもいいでしょう。不動産会社は周辺の空室状況などを詳しく知っているので、教えてくれるはずです。

家賃交渉が可能なケースとしては、近隣の物件と比べて

  • 空室が多く、空室期間も長い
  • 物件が古い(古くなった)
  • リフォームが不十分
  • 日当たりや周辺環境が悪い(悪くなった)
  • 防犯設備が十分でない
  • 買い物や交通の便が悪い(悪くなった)

といったときがあげられます。また、入居期間が長い場合にも交渉の余地があります。

大家さんとしても、家賃を下げずにいた結果入居者が出ていってしまったら、新しい入居者を探す必要があります。長く入居者が決まらないとなれば、その間収入が減ってしまいますし、入居者を決めるために結局家賃を下げなければならなくなるかもしれません。今家賃を下げてでも長く住んでもらっていたほうがいいと大家さんが考えたら、家賃交渉がうまくいく可能性も比較的高いでしょう。

有限会社新未来設計が実施したアンケートによると、賃貸契約を1回以上更新した200名のうち約71%は家賃が据え置かれ、約29%は更新時に家賃の値上げ通告を受けたと報告されており、家賃が上がる可能性がある人もいることがわかります。一方で、契約更新の際に家賃交渉を行って値下げに成功した人も16人(8%)います。値下げに成功した人はそれほど多くはありませんが、ケースによっては値下げができるということです。

参照:不動産の賃貸契約更新に関するアンケート結果(新未来設計)

ただし、家賃交渉はあくまでも「お願い」です。大家さんとケンカしたり対立したりするのは気持ちのいいものではありません。今後の関係を悪化させないためにも、丁寧に対応しましょう。

家賃が下げられたら資産形成に回そう

家賃は毎月必ず支払う「固定費」であり、一度下げることができれば、その効果は長く続きます。家賃がもしも月5000円下がったら、1年間で6万円、10年で60万円も支出が減らせることになります。

目安として、家賃は手取り収入の20〜25%以内、首都圏など家賃水準が高いエリアでも30%以内に抑えられるようにしましょう。この範囲であれば、生活費や将来の備えとのバランスが取りやすくなります。

また、家賃と同様、他の固定費も見直しましょう。固定費には家賃のほかにも、スマホ代、電気・水道・ガス代、生命保険料、サブスク代などがあります。

固定費を減らして浮いたお金は、何となく使ってしまうのではなく、資産形成に回したいところです。NISAやiDeCoといった節税に役立つ制度を使って長期・積立・分散投資を行えば、堅実にお金が増やせるでしょう。家賃を下げられた場合はもちろん、下げられなかった場合でもその他の固定費を削減するなどして、ぜひ取り組んでいきましょう。

執筆:高山 一恵(たかやま かずえ)
(株)Money&You取締役/ファイナンシャルプランナー

(株)Money&You取締役。中央大学商学部客員講師。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解 はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計190万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。

X:@takayamakazue

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