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品川エリアの大規模再開発が不動産投資に与える影響とは?

JR山手線「品川」駅周辺では、大規模な再開発が進行中です。2025年3月には「高輪ゲートウェイシティ」のまちびらきが予定され、オフィス・商業施設・ホテルなどが誕生します。また、リニア中央新幹線の開業や南北線の延伸計画も進み、都市機能が大きく向上します。これにより品川エリアの地価上昇や不動産市場の活性化が期待され、不動産投資家にとっても注目のエリアとなっています。

本記事では、品川エリアの再開発の詳細と不動産投資への影響を解説します。

品川と梅田の再開発を比較、共通点と影響を解説

筆者は先般仕事で大阪の「うめきた」を視察してきました。大阪都心エリアは近年目まぐるしく進化していますが、この最も大きい要因は「大規模再開発」です。かつて筆者が知っていた大阪・梅田駅周辺の光景は以前とは全くの別世界となり、ついにベールを脱いだその光景はまさに衝撃的なものでした。

現在東京都内においても多くのエリアで再開発が進行していますが、そのまさに代表格と言えるのが「品川」駅周辺の大規模再開発と言えるのではないでしょうか。

大阪梅田北ヤード同様、品川再開発も完成が近づき、そのベールを脱いだ光景は同じように、もしくはそれ以上にインパクトがあるのではないかと期待されます。

梅田と品川の再開発の共通点としてはどちらもビッグターミナル駅前、さらにJRの貨物操車場の土地の有効利用、再開発、行政も含めた官民一体の共同開発などがあり、そこには大手鉄道会社、財閥系不動産会社、外資系企業、ファンド、さらに国としても国家戦略特区、MICE、都市再生緊急整備地域など多くのプレーヤーと行政の後押しなども相まって新しい都心型街づくりがまさに美しく・計画的に推進されていく訳です。

すでにJR山手線には高輪ゲートウエイが先行開業しており、さらに大きな目玉としては今後のリニア開業など大きく発展していく要素は多岐に渡ります。

高輪ゲートウェイシティの再開発、2025年「まちびらき」へ

2020年に開業した山手線の新駅「高輪ゲートウエイ」駅前で進められていた大規模再開発プロジェクトである「高輪ゲートウェイシティ」が2025年3月27日に「まちびらき」となります。南北約1.6キロの都心最大級の再開発エリアです。2026年春に「グランドオープン」の予定で「国際交流都市・品川」の実現が進んでいます。

主要な建物は4つあり、「THE LINKPILLAR 1 NORTH(ザ リンクピラー ワン ノース)」「THE LINKPILLAR 1 SOUTH(ザ リンクピラー ワン サウス)」はオフィス、ホテル「JW マリオット・ホテル東京」、会議施設「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」、商業施設「ニュウマン高輪」などが入り、2024年3月に開業します。

複合棟「THE LINKPILLAR 2」や「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」、文化施設「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」などは2026年のグランドオープン時に開業となります。

渋谷の街も大きな再開発により進み街が大きく変わりましたが、ビルの完成はタイムラグがあり少しずつ変わっていった感じがします。高輪ゲートウエイの場合は大きなビルが同時に複数建設されますので、非常に大きな変貌を感じます。

品川駅周辺の再開発計画、新ビル建設と都市機能の向上

「品川」駅周辺でも再開発計画が進行しています。2020年に東京都が発表した「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」をベースに開発が進められています。

駅前の大通り(国道15号)の上に「国道上空デッキ」の建設や、2027年頃までに京急品川駅の地平化や自由通路の拡大などが予定されています。また品川駅街区として品川駅に北街区・南街区に28階建てのビルなどの建設も予定されています

品川駅西口(高輪3丁目地区)では品川プリンスホテル、グランドプリンスホテル高輪・新高輪など多くのホテルなどがあるエリアですが、ここでも大規模な再開発計画が進められています。

京急グループの「シナガワグース(旧ホテルパシフィック東京)」は解体されA地区として再開発されます。地上29階のオフィス・ホテルなどの入る複合ビルとして2029年度の開業の予定です。トヨタ東京本社などの開業も予定されています。

C地区は地上30階のビルが建設される予定です。

プリンスホテルなどのあるB地区の計画は未定となっています。特にB地区は面積も広く今後の予定についても注視したい所です。

<資料:京浜急行電鉄株式会社>
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<資料:港区「品川駅周辺のまちづくりについて」>

引用先はこちらから

品川駅の鉄道延伸計画、リニア開業と南北線延伸で進化

「品川」駅ではリニア中央新幹線の開業が予定されており、東京においては「品川」駅が始発駅となります。開業すれば「名古屋」までわずか40分で結ばれる予定です。さらに「大阪」駅までの延伸も計画されています。名古屋・大阪ともに駅周辺の再開発が進んでおり、東京とリニアで一体的に結ばれる事で、一つの大都市の様に機能する「スーパーメガリージョン」が誕生する可能性もあります。

また東京メトロ南北線の延伸も計画されています。「白金高輪」駅から「品川」までを延伸する計画です。南北線とつながる事により広域からの品川へのアクセスが向上します。

品川エリアの再開発で進化、第二の丸の内と地価上昇

品川エリアは大規模な再開発により東京を代表するさらに近代化した街となり、都市としての魅力や国際競争力も高まります。特に品川から高輪ゲートウエイにかけてのエリアは広大なオフィス街が新規に誕生する訳です。「第二の丸の内」となる可能性もあります。

今後品川エリアではこうした大規模再開発で多くのオフィスビルが建設される事により、企業の集積や就業人口の大幅な増加などが期待されます。

また訪日外国人が増加している中で羽田空港から都心にアクセスする場合に「品川」が東京の「サウスゲート」ともなります。今後さらに来訪者や宿泊者も増加する事も予想されます。

実は「品川」駅は港区にあり、品川エリアの再開発は多くは港区となります。港区は都心三区のうちの一つで企業・就業人口なども多いエリアとなります

港区の地価動向(基準地価)を見ると2021年には新型コロナの影響もあり前年比でマイナスとなっていましたが、2022年からブラスに転じ2024年には9.0%と高い上昇率となっています。

オフィス・ホテル・マンションなどが多く建設されますのでそれだけ土地の需要が高く、再開発によりオフィス賃料も上昇、さらにファイブスターなど高級ホテルの進出などによりホテル宿泊料なども各段に上昇する中で、今後は地価も上昇傾向が続く可能性があります。

◼︎港区の地価動向<商業地>

2021年2022年2023年2024年
港区△0.7%1.8%5.0%9.0%
<国土交通省「都道府県地価調査」>

品川再開発の影響、広域アクセス向上と住宅需要増加

品川エリアは広域からの鉄道が多く運行している事も特長です。

JRでは山手線、京浜東北線などを始め、東海道線や横須賀線、また京急線は都営三田線に直通運転を実施しています。つまり品川の再開発は広範囲に渡ってその影響があると言えます。周辺や沿線の住宅需要の増加につながり「品川」のブランド力が高まる中で品川へアクセスしやすいエリアの人気も高まります。

例えば品川・高輪エリアへは都営浅草線でもアクセスしやくすく、東京東側では都営浅草線に直通の京成線なども人気が高まっています。

また南北線が品川に延伸されれば南北線や、直通運転を実施している埼玉高速鉄道線などの人気も高まる可能性もあります。

このように品川エリアの再開発はその効果・影響が広域にわたり東京の世界に誇る街づくりがさらに加速する事により不動産業界全体、とりわけ居住用・投資用も含めマンション業界にも大きな影響を与えると考えます。

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