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結婚しない選択をする若い世代が暮らすワンルームマンションの一室のイメージ

ワンルームマンションの需要は続く?若者の結婚意識と不動産投資

結婚しない若者が増えると、ワンルームマンションの需要はどうなるのでしょうか。こども家庭庁の調査(途中経過)では未婚の15〜39歳の35.1%が「結婚するつもりはない」と回答し、国立社会保障・人口問題研究所の調査でも18〜34歳の未婚者で「一生結婚するつもりはない」が男性24.0%、女性21.5%に達しました。一方、総務省の調査では30歳未満の世帯の年間収入が2019年比で19.0%増え、単身世帯の割合も39.7%に上昇しています。意識・収入・エリアのデータを重ねて読み解くことが、単身者の住まいと不動産投資を考える判断軸になります。

若者の結婚意識は?未婚者の35.1%が「結婚するつもりはない」とワンルームマンション需要

ワンルームマンションは単身者の住まいですので、若者の結婚観はワンルームマンションの需要に関わる重要な要素です。

こども家庭庁が発表した、15〜39歳までの若者10万人を対象とした「若年世代に関する総合的な調査」(途中経過)によると、未婚者のうち「結婚するつもりはない」と答えた割合は35.1%でした。(筆者の感覚で言うと30代半ばともなれば壮年とも言えますが)

この結果から、結婚を前提としない単身者が一定数いる可能性が考えられ、単身者向け住宅の需要を考える材料の一つになります。

未婚者対象にて結婚したい時期は?「すぐにでも」9.5%〜「結婚するつもりはない」35.1%

結婚について割合
すぐにでも結婚したい9.5%
2~3年以内に結婚したい10.3%
5年以内に結婚したい7.7%
いずれは結婚したい37.5%
結婚するつもりはない35.1%

参照:こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(若者10万人の総合調査)(令和8年度)

結婚より優先されるものは?ワンルームマンションに求められる立地条件

結婚より優先されるものについては「余暇・趣味を楽しむこと」や「自分の体調や精神的余裕」「社会的に安定した収入・仕事を確保・維持すること」などが挙げられています。

自分自身のプライベートや体調、心の余裕があり、さらに安定した仕事を維持することが優先されているようです。

住まいの条件で当てはめれば、余暇や趣味を楽しめる街であり、例えば商業施設・商店街や遅くまでやっているスーパーがあるなど生活利便性が高く、また仕事を安定的に維持するためには、面積は多少コンパクトでも勤務地がある都心への交通利便性なども重要となってくると考えられます。

逆に言えば、こうした条件の揃っている住まいは単身者が長く住んでくれる住宅になる可能性があると考えられます。

結婚より優先されるものランキング(1位は余暇・趣味50.8%)

順位内容割合
1余暇・趣味を楽しむこと50.8%
2自分の体調や精神的余裕37.7%
3社会的に安定した収入・仕事を確保・維持すること36.6%
4将来への経済的な備え(貯蓄・投資・保険等)28.7%
5友人・知人との関わり・つながり23.6%

参照:こども家庭庁「若年世代に関する総合的な調査」(若者10万人の総合調査)(令和8年度)

「結婚するつもりはない」は増えている?ワンルームマンション需要の背景を2005年比で確認

次に国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月に発表した第17回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)を見てみたいと思います。

この調査でも結婚の予定についての質問をしており、18〜34歳の未婚者では、「一生結婚するつもりはない」が男性24.0%、女性21.5%となっています。前記の調査より数値が低いですが、これは設問や調査対象などの違いかと思われます。

「結婚するつもりはない」という割合は年々増加し、2005年と比べて2025年は約3~4倍になっています。結婚を希望する割合も減少しており、今後もこの傾向は続くと考えられます。

「一生結婚するつもりはない」の割合の推移(2005〜2025年・男女別)

2005年2010年2015年2021年2025年
男性7.1%9.4%12.0%17.3%24.0%
女性5.6%6.8%8.0%14.6%21.5%

参照:国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

女性の理想のライフコースは?ワンルームマンションの需要層となる単身・就業女性

ワンルームマンションの需要層として女性の結婚意識も大変に重要となってきています。

女性にとっては結婚、出産と仕事など様々な選択肢があります。

同調査では結婚と出産などの5つのコースを設定し、さらに自分が理想とする「理想のコース」と、実際になりそうだと考える「予想コース」に分けて質問しました。

その結果によると、理想のコースでは「結婚して子供を持つが仕事も続ける:両立コース」が最も高い割合を占めていますが、実際になりそうだと考えるコースは、「結婚せずに仕事を続ける:非婚就業コース」が最も多いという結果になりました。

つまり今後も女性の単身・就業者は多くなると考えられます。

また「一生結婚するつもりはない」と答えた方の中では「非婚就業コース」が78.1%にもなっており、今後も職業を持つ単身女性のワンルームマンションやコンパクトマンションなどの需要も高水準で推移すると思われます。

女性のライフコース5つの内容(非婚就業・DINKs・両立・再就職・専業主婦)

  • 非婚就業コース:結婚せず、仕事を続ける
  • DINKs:結婚するが子どもは持たず、仕事を続ける
  • 両立コース:結婚し、子どもを持つが、仕事も続ける
  • 再就職コース:結婚し子どもを持つがいったん退職し子育て後に再び仕事を持つ
  • 専業主婦コース:結婚し子どもを持ち退職しその後は仕事を持たない

女性の理想のライフコース上位3つ(自分が理想とするコース)

順位コース割合
1位両立コース36.5%
2位再就職コース21.8%
3位非婚就業コース15.6%

参照:国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

女性の予想ライフコース上位3つ(実際になりそうなコース)

順位コース割合
1位非婚就業コース36.1%
2位両立コース29.8%
3位再就職コース15.6%

参照:国立社会保障・人口問題研究所「第17回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」

若い世代の所得は増えている?30歳未満の世帯の年間収入と、ワンルームマンションを考える視点

次に若い世代の収入について見てみたいと思います。

総務省が2026年8月28日に発表した「令和6年全国家計構造調査」の所得等における調査結果によると、総世帯の2024年の収入は593万7千円で、2019年の558万4千円と比較して6.3%の増加となりました。

年齢階層別に見ると、世帯主が30歳未満の世帯年間収入の増加が大きく前回比19.0%もの増加となりました。また30歳代、40歳代でも増加していますが、とりわけ30歳未満の年間収入が大きく増加していることが分かります。

これは人手不足を背景に特に新入社員等の初任給の大幅な増加が要因の一つと考えられます。中には初任給が100万円という企業も出現しています。

30歳未満・30歳代・40歳代の年間収入は?2019年と2024年の比較

2019年2024年増加率
30歳未満386万7千円460万2千円19.0%
30歳代575万円633万7千円10.2%
40歳代667万7千円754万5千円13.0%

参照:総務省「令和6年全国家計構造調査 所得に関する結果、家計資産・負債に関する結果及び年間収入・資産分布等に関する結果」

単身世帯の割合は39.7%、年間収入は?ワンルームマンションに関わる単身世帯のデータ

また単身世帯の割合は39.7%で前回調査の2019年35.4%から増加しました。

単身世帯の年間収入は2019年の341万7千円から2024年は371万2千円と8.6%の増加となりました。

単身世帯の割合と年間収入の変化(2019年と2024年)

2019年2024年
単身世帯割合35.4%39.7%
年間収入341万7千円371万2千円

参照:総務省「令和6年全国家計構造調査 所得に関する結果、家計資産・負債に関する結果及び年間収入・資産分布等に関する結果」

都道府県別の年間収入ランキングは?東京都・神奈川県とワンルームマンションのエリア

都道府県別に見た年収ランキングでは東京都が1位となりました。2位が神奈川県となり、隣接する東京都と神奈川で大きな経済ブロックとなり、不動産投資のエリアを考える際の一つの目安になると考えられます。

都道府県別の年間収入ランキング上位5位

順位都道府県年間収入
1東京都681万8千円
2神奈川県649万5千円
3愛知県649万1千円
4富山県642万2千円
5滋賀県633万5千円

参照:総務省「令和6年全国家計構造調査 所得に関する結果、家計資産・負債に関する結果及び年間収入・資産分布等に関する結果」

まとめ:結婚意識のデータはワンルームマンション需要を考える一つの指標

以上見てきたように、若い世代は「結婚しない」という意識の方が増えてきています。しかし人生100年時代においては、結婚しないと思っている方もいつどこで運命的な出会いがあるかもしれません。今までの固定観念を大きく変える程の場所に心を揺さぶる出会いがあることも十分あり得ます。

今回のコラムのデータはあくまでも一つの指標ですのでエリア・様々なシチュエーションによって異なりますので参考程度にとどめて頂ければ幸いです。

参考リンク:

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執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント|株式会社オフィス野中 代表取締役

マンションデベロッパーでの実務経験を経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。特定の企業に属さない第三者的な立場から、首都圏・関西をはじめ全国各地でマンション購入に関する講演・コンサルティングを行う。
居住用マンションから不動産投資(資産運用)向けセミナーまで、年間100本近い講演をこなす「マンション選びの第一人者」。膨大な供給データと開発現場への深い知見に基づいた、先見性の高い解説に定評がある。

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