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神奈川へ広がる不動産投資エリアを示したイメージ

東京の次は神奈川へ——2026年最新路線価から読む、ワンルームマンション投資の広域化

2026年7月、国税庁から2026年分の路線価が発表された。首都圏の平均変動率を見ると東京都が9.4%でトップ、次いで神奈川県が4.5%の上昇となっている。人口規模で東京都に次ぐ神奈川県は、東京都と一体の経済圏を形成しており、横浜駅・川崎駅を中心に上昇が続く。なかでも鎌倉・二俣川・上大岡など交通利便性の向上したエリアの伸びが目立つ。本稿では2026年路線価の首都圏・神奈川県データを整理し、東京都心の価格高騰を背景に広域化が進むワンルームマンション投資で神奈川県を見る際のポイントを紹介する。

首都圏の路線価はどう推移している?東京都・神奈川県の変動率を比較

首都圏(東京1都3県)の路線価の平均変動率を見ると、東京都がトップで9.4%の上昇です。2位は神奈川県の4.5%の上昇となりました。埼玉県、千葉県なども路線価が上昇しており、また上昇率も拡大しています。東京は大きな経済力を持つ大都市ですが、神奈川県の人口の規模も大きく、2025年の国勢調査では都道府県の中で東京都に次ぐ第2位となりました。東京都と神奈川県は一体となり大きな経済圏となっていると言えます。

2026年路線価 首都圏の平均変動率の推移

2026年2025年
東京都9.4%8.1%
神奈川県4.5%4.4%
埼玉県2.3%2.1%
千葉県4.4%4.3%

参照:国税庁「令和8年路線価」

都道府県庁所在地の最高路線価ランキング、横浜は全国何位?

全国の都道府県庁所在地は47都市あります。そのうち最も路線が高かったのは東京ですが、横浜が3位にランキングしています。大阪に次ぐ水準となっており全国的に見ても高い水準となっている事が分かります。

都道府県庁所在地別最高路線価 ランキング

順位都市名最高路線価の所在地最高路線価
2026年2025年
1東京中央区銀座5丁目 銀座中央通り53,36048,080
2大阪北区角田町 御堂筋21,20020,880
3横浜西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り17,60017,200

参照:国税庁「令和8年路線価」

(1㎡当たり)単位:千円

神奈川県で路線価が最も高いのはどこ?横浜駅・川崎駅周辺ランキング

東京国税局(管轄:千葉、東京都区部、多摩、神奈川、山梨)には全部で84の税務署があります。意外なところでは山梨が東京国税局の管轄に入っています。それぞれの税務署で最も路線価が高い地点(路線)が発表されていますので、そのうち神奈川県について見てみたいと思います。神奈川県には18の税務署があり、それぞれの最高路線価はすべて前年より上昇しています。上位10位のうち。横浜市が6ヵ所を占めています。川崎市が2カ所となり、横浜と川崎の路線価が高い事が分かります。

神奈川県の最高路線価の1位は横浜市の横駅前西口バスターミナルの通りで、1㎡当たり1,760万円と前年の1,720万円より40万円上昇しました。

横浜駅は神奈川県の中心とも言える駅で、JR京浜東北線、東海道線、湘南新宿ラインの他、東急東横線、京急、横浜市営地下鉄、みなとみらい線など多くの路線が利用できまるビッグターミナル駅です。

駅周辺にはデパートなど大型商業施設が多く建ち並び、企業も多く集積しています。

西口側は駅ビルのNEWOMAN横浜やCIAL横浜、さらに横浜高島屋、相鉄ジョイナスなどを始め多くの商業施設のあるエリアです。駅周辺では再開発が進行しており、相鉄より「横浜駅西口大改造構想」が発表され相鉄ムービルや、高島屋やジョイナスなどの建替えも検討されています。東口でも大規模な再開発計画があり空飛ぶクルマの発着場など予定されています。横浜駅周辺は今後も大きく変わっていく可能性があります。

2026年路線価 東京国税局各税務署管内における最高路線価(神奈川県)
高価格ランキング

順位所在地路線2026年2025年
1横浜市西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り17,600 17,200 
2川崎市川崎区駅前本町川崎駅東口広場通り7,120 6,460 
3横浜市神奈川区鶴屋町2丁目市道高島台107号線(鶴屋橋北側)4,500 4,400 
4川崎市高津区溝口1丁目溝口駅前広場通り2,990 2,680 
5鎌倉市小町1丁目鎌倉駅東口駅前通り2,400 2,000 
6横浜市港南区上大岡西1丁目鎌倉街道2,270 1,960 
7横浜市青葉区美しが丘1丁目たまプラーザ駅前通り1,890 1,710 
8横浜市戸塚区戸塚町戸塚駅西口駅前通り1,700 1,560 
9藤沢市南藤沢藤沢駅南口広場通り1,700 1,530 
10横浜市鶴見区鶴見中央1丁目鶴見駅東口広場1,600 1,440 

参照:国税庁「令和8年路線価」

(1㎡当たり)単位:千円

2位は川崎市川崎区の川崎駅東口の駅前で1㎡当たり712万円となりました

川崎駅周辺は横浜駅と比べても商業施設の多いエリアです。駅西口のラゾーナ川崎、東口にはラ チッタデッラ、川崎ルフロン、川崎dice、川崎アゼリア(地下街)やアーケード商店街など多くの商業施設があり、ショッピングやアミューズメントなど楽しめる街でもあります。さらに特筆すべきはその交通利便性です。東京。横浜、羽田などの重要拠点に近く、JR、京急が利用できます、特にJR南部線や京急大師線にはIT、半導体企業なども多くあり、その両方の路線にアクセスしやすい事も川崎の特長です。

3位は横浜駅東口の北側、横浜市神奈川区鶴屋町2丁目です。1位のエリアと近いですが高速道路の北側でオフィスビルなどが建ち並ぶエリアです。西口の再開発が進めば今後も大きく地価が上昇する可能性もあります。

神奈川県で路線価の上昇率が最も高いのは?鎌倉・二俣川・上大岡が上位に

次に変動率を見てみましょう。神奈川県の税務署別の最高路線価で変動率が最も高かったのは、鎌倉市の鎌倉駅東口駅前通りで20.0%の上昇となりました。小町1丁目という住所からも分かりますが「小町通り」のあるエリアです。鎌倉は観光地として、また高級住宅地としても有名です。海にも近く古都の風情のある街は寺社も多く、中でも小町通り周辺は鎌倉の中でも多くの人が訪れるエリアです。若い層にも人気の高い鎌倉駅前は商業施設も多くなっており、不動産需要から路線価も大きく上昇しています。

筆者の知り合いの社長さんは東京都心にオフィスを構える一方、住まいは鎌倉市の由比ガ浜という高級住宅地です。普段の通勤はグリーン車を利用し、社内中で過ごせる時間が至福の時間であるとおっしゃっていました。

2位は二俣川駅南口駅前で16.7%の上昇です。二俣川駅は相鉄線が利用でき、「都心直通プロジェクト」により東急東横線、東急目黒線などの他、JR線にも接続し新宿駅へ直通のアクセスが可能となりました。こうした交通利便性の向上が路線価の大きな上昇の要因と考えられます。

筆者が大京在籍時代、1983年に1,000棟記念して発売された場所が、まさにライオンズマンション二俣川です。つまり一つの不動産会社が記念物件を販売するにふさわしい立地と判断したのではないでしょうか。今現在も人気が高く路線価にも反映されています。

3位は上大岡駅近くの鎌倉街道沿いで15.8%の上昇です。上大岡駅は京急と横浜市営地下鉄ブルーラインが利用できます。交通利便性が高く再開発の進む関内駅へ地下鉄でわずか6駅で、また京急は特急、特快などが停車し横浜駅へわずか1駅です。駅周辺には商業施設も多く生活利便性も高い街です。横浜湾岸エリアの発展と共に周辺部の路線価も上昇してきていると考えられます。神奈川県でもワンルームマンションの立地として穴場なのではないでしょうか。

2026年路線価 東京国税局各税務署管内における最高路線価(神奈川県)
上昇率ランキング

順位所在地路線2026年2025年
1鎌倉市小町1丁目鎌倉駅東口駅前通り20.0 19.0 
2横浜市旭区二俣川2丁目二俣川駅南口駅前通り16.7 15.1 
3横浜市港南区上大岡西1丁目鎌倉街道15.8 12.0 
4相模原市南区相模大野3丁目相模大野駅北口駅前広場通り14.0 16.3 
5川崎市高津区溝口1丁目溝口駅前広場通り11.6 12.1 
6藤沢市南藤沢藤沢駅南口広場通り11.1 9.3 
7横浜市鶴見区鶴見中央1丁目鶴見駅東口広場11.1 9.1 
8横浜市青葉区美しが丘1丁目たまプラーザ駅前通り10.5 8.9 
9厚木市中町2丁目本厚木駅北口広場通り10.4 10.6 
10川崎市川崎区駅前本町川崎駅東口広場通り10.2 6.6 

参照:国税庁「令和8年路線価」

単位:%

ワンルームマンション投資の立地はどう広域化している?神奈川で見るべきポイント

不動産投資においては参考となる指標が多岐に渡ります。

その中には金利や建築費、ローン金利など様々ですがとりわけ資産価値に直結する指標としては地価が挙げられます。今回はその地価の中でも相続税の算定基準にもなる路線価の現状の動きについて述べさせて頂きました。地価は何の理由もなく上がる事はありません。背景には人口、住宅需要、新線・再開発等とそこに集まる企業や就業人口などがあります。

東京都心のマンション価格の高騰を受けて、ワンルームマンションの立地が広域化しています。神奈川は東京都心と比べていい意味で地価上昇の出遅れ感があり、人気も上昇しワンルームマンションの発売戸数も増加しています。

神奈川県でワンルームマンションを購入する際のポイントは、交通利便性、周辺や沿線の企業や就業人口、住宅環境など様々です。

不動産や地価などは二極化が進んでおり、都心部では大きく地価が上昇していますが、駅から遠いなどはエリアでは不動産の価値も下がっています。横浜を始め地方都市でも中心部では億ションが多く発売される一方、かつて高度経済成長期に多く建設された郊外の戸建てなどは空き家になるケースも多くなっています。神奈川は面積も広く駅から遠く離れたエリアも数多くあります。また神奈川県は丘陵や谷なども多く地形や地盤のチェックも大切です。投資マンションの発売立地が広域化するにつれて、将来に渡って資産価値が落ちづらい投資物件を選ぶ事がますます大切となってきていると考えます。

今後不動産投資を新たに検討する方は今回のコラムが参考になれば幸いです。

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執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント|株式会社オフィス野中 代表取締役

マンションデベロッパーでの実務経験を経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。特定の企業に属さない第三者的な立場から、首都圏・関西をはじめ全国各地でマンション購入に関する講演・コンサルティングを行う。
居住用マンションから不動産投資(資産運用)向けセミナーまで、年間100本近い講演をこなす「マンション選びの第一人者」。膨大な供給データと開発現場への深い知見に基づいた、先見性の高い解説に定評がある。

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